いつも無気力な感じで、「何をしたらいい?」と意思決定が困難な状態のお子さんは要注意!発達障害ASD傾向の繊細な子は、お母さんに逆うこともできないことで指示待ち人間という二次障害を起こしてしまう事も。自主的な子どもの姿へと激変するフレーズをお伝えします。 |
【目次】
1.NO!と言えない繊細な娘がいつの間にか指示待ち人間になっていた
2.発達障害ASDの子の二次障害に気をつけたいリスクとは
3.たった1フレーズで激変!指示待ちだった子が2週間で別人になれた声かけとは
1.NO!と言えない繊細な娘がいつの間にか指示待ち人間になっていた
発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)傾向の娘が、小学3年生の長期休暇明けのできごとです。
始業式の日の朝、近所のお友達が声をかけに来てくれても家から出ようとしないという思わぬ展開が待っていました。
娘の登校後、私は直ぐに予定を入れていた為、やむを得ず学校へ頑張って行くように娘を説得して家から連れ出すしか方法がありませんでした。
今までも何度か登校渋りを経験していたので心残りでいっぱいでしたが、娘の気持ちに1ミリも寄り添うことなく学校へ連れて行ったのです。
どうやら、同じクラスの女の子からの指示で、娘は毎回鬼ごっこの「鬼」にさせられていたようです。
言葉で思いを伝える事が苦手な娘は、ずっと「NO!」を言えないまま耐えていたものが限界を達してしまい、登校を拒むようになったのです。
それ以降も学校へ抵抗があるので、私は娘の許容範囲をわかっていたつもりでしばらく学校へ行く目的を最小限にして様子を見ていきました。
・連絡ノートに翌日の時間割を書きに行くだけ
・保健室へ顔を出しにいくだけ
しかし、これだけの課題も難しくなっていきました。娘は無気力になっていき、ぐったりした状態で学校への道のりを歩くことさえも余裕がなくなってしまったのです。
私は当たり障りのないように娘へ対応してきたつもりでしたが、気付けばいつの間にか娘に異変が起きていました!
私に聞かなくてもいいようなことまで、何でもかんでもいちいち聞いてくるのです。
「今日の服は何にしたらいいと思う?」
着替えを済ませた後は
「今から何をすればいい?」
お腹が空いたら、
「何を食べたらいい?」
「先生に、何て話せばいい?」
口癖は、いつも
「何したらいい?」
「何したらいいかわからん」
娘は自分でやるべきことを決められない状態になってしまい、日常生活のほとんどの事を自分で決めることができない指示待ち人間になってしまいました。
2.発達障害ASDの子の二次障害に気をつけたいリスクとは
大げさな話のように思われたかもしれないですが、娘がこのような状況にまで陥ってしまったことには発達障害の特性を起因とするリスクが関係していました。
発達障害の子は恐れに対する感情の不安が強いため、ネガティブな記憶が残りやすいのです。
褒められることよりも否定的な刺激の方が多い発達障害の子は、自己肯定感が低くなるリスクが高いことがわかっています。
そのため、自信がなくなり無気力な状態になることもあります。
そして、自分の意見を認めてもらえないと、どうせ自分のことは理解してもらえないのだから言われた通りにしよう…と、指示されたことだけを選択していくようになっていくのです。
それが、指示待ち状態になるという二次障害へ広がっていきます。
娘の本当の心の思いを聞かずに、良かれと思って最小限の登校をさせていたことも、思い返せば娘にとっては私に「NO!」を出せずに辛いことでした。
娘の自主性を無くしてしまったという姿は、母親の私にとっても辛い経験でした。そこから、私は娘への接し方を工夫していきました。
すると、まるでロボットように私に指示されたことしかできない指示待ち人間に陥っていた娘が、アイデアマンに変身していったのです!
自分でやりたいことを決めて、私の了解を得ることもなく自ら進んで様々な発想をしながら楽しそうに取り組むようになりました。
娘がこのように激変できた1フレーズの声かけをご紹介します!
3.たった1フレーズで激変!指示待ちだった子が2週間で別人になれた声かけとは
このままでは、指示待ち人間だ…と不安になってきたわたしは、娘の「何したらいい?」の問いかけに対する返答を変えました。
「〇〇と〇〇どっちがいい?」
たったこれだけです。
「ひまだから何したらいい?」
の問いかけには
「〇〇ちゃんの好きなテレビ番組の●●と前に読んでいた●●の本、どっちがいい?」
という風に、指示待ち人間になっていた娘に選択肢を与えて、自分で行動することを決めてもらうようにしました。
すると、たった2週間で娘に良い変化が起き始めたのです!
「今は〇〇をやろうかなぁ♪」
と、私の与えた選択肢以外のアイデアを自分で考えるようになったのです!
自分で選ぶという行動で、娘は尊重してもらえたと感じて自信を持つことができ、本来の子どもらしさを取り戻していきました!
今では、私の提案を待つこともなく何でも率先して動いてくれるようになりました。
普段忙しいお母さんは、つい子どもの意見を無視をして指示してしまいがちなんてこともあるのではないでしょうか。
そのような時は、「〇〇しなさい!」と強制するのではなく、
「〇〇と〇〇どっちがいい?」
と、お子さんに決定権を委ねてみるのがオススメです。
子どもが自分の行動を決めること。それだけで、自立に繋っていく意図のある行動になります。
尊重されることと強制されるのでは、もちろん尊重される方が気持ちいいですよね。
ぜひ、自主性を伸ばすことができる1フレーズ!使ってみてくださいね!
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執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)