ひとりごとが多い高学年発達障害児の理解力をぐんぐん伸ばす〇〇タイム

小学校高学年の発達障害のお子さんで、ひとりごとが多い!という子はいませんか?脳の前頭葉の働きや理解力が未熟だと、心の中の声をそのまま口に出してしまいます。理解力を伸ばしてひとりごとを減らす、2つの方法をご紹介します。
 

【目次】

 

1.ひとりごとの多い小学校低学年と高学年発達障害児

 
 
宿題をしている時やゲームをしている時、ブツブツとひとりごとを言う小学校高学年を心配に思ったことはありませんか?
 
 
小学校低学年くらいまでは夢中になっているのだなと思っていたけれど、そろそろ口に出さないでいられないものか?
 
 
授業中迷惑かけていないかな?なんて心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
 
 
ひとりごとは、心の中の言葉をすぐに口に出してしまうことで起こります。
 
 
ここで心の中の言葉とは何か少しお話させていただきますね。
 
 

◆心の中の言葉と口に出す言葉

 
 
心の中の言葉とは、例えば大人は、思い出せない人に会った時に、「誰だっけ?」と心の中で言いながらも、口に出さないことがほとんどです。
 
 
この心の中にあるけれども声に出さない言葉を、内言(ないげん)といいます。
 
 
そして「どこでお会いしましたっけ?」などと声に出す言葉を、外言(がいげん)といいます。
 
 
大人はほとんどの場合、心の中の言葉を口に出さずにしまっておけます。
 
 
ひとりごとを声に出す子どもたちは、心の中の言葉を何でも口にしてしまっている状態なのです。
 
 

◆実は声に出すことで理解を深めている

 
 
この心の中の言葉を口にしてすることにも役割があります。
 
 
子どもたちは声に出すことで理解を深めているのです。
 
 
小学校低学年の授業で「これは何でしょう?」と先生が鬼のお面を出したとします。
 
 

 
 
生徒たちは、「きゃーオニだ!」「こわい!」「ウクレレ弾いてた!」「秋田で見た!」などそれぞれ好きなことを声に出すとします。
 
 
実は子どもたちは自分の言葉を声に出すことで鬼の理解を深めているのです。
 
 
そして他の友達の鬼にまつわる言葉を聞いて、さらに鬼のイメージや理解を深める作業をします。
 
 
ここで先生が「静かに!」とすぐに声に出すことを止めさせていたら、言葉の理解を深めるチャンスを奪ってしまうのです。
 
 
発達障害児やグレーゾーンのお子さんで、高学年になっても心の声をそのまま口に出すことがあるのは理解するために必要なことなのです。
 
 

2.心の言葉を口にしてしまうことで相手を傷つけてしまうことがある

 
 
しかし、何でも口にしてしまうことで悪気はなくとも相手を傷つけてしまうことがあります。
 
 
私が小学校高学年の時にひとりごとの多い男の子がクラスにいました。
 
 
授業中もブツブツ言いながら漢字を書いているのが聞こえてきます。
 
 
テストの時も計算を口にしてしまうので、先生に注意されていました。
 
 
そして、ある図工の授業で糸ノコギリを私が苦労しながらやっていると「ガタガタで曲がってるね!」と言われ、とても傷ついたことがあります。
 
 

 
 
今思うと決して傷つけようだとか、「下手」と悪く言ったわけではなく、思ったことを口にしただけでした。
 
 
しかし小学校高学年の私はその男の子の発言にすっかり傷ついて、糸ノコギリの授業が嫌になってしまいました。
 
 
自分のお子さんが事実や思っていることを何でも口にしてしまうタイプだと、お友達を傷つけてしまわないかと親もハラハラしてしまいますよね。
 
 
では、どうして何でも口にしてしまう子と心にとどめておける子がいるのでしょうか。
 
 

3.脳の前頭葉の働きと高学年のひとりごと

 
 
なんでも口にしてしまうのは、脳の前頭葉が未熟な可能性があります。
 
 
前頭葉は、話す、書く、表現するなどの役割を担当し理解力や集中力に関係しています。
 
 
まだ働きが未熟ですと、一生懸命考えたり、計算したりしていると、心の声を口に出して理解しようとするのです。
 
 

 
 
低学年くらいまでのひとりごとはよく見られ、成長につれて心の声をそのまま心にしまっておけるようになっていきます。
 
 
高学年になってひとりごとが残っている場合には、まず理解力を高めましょう。
 
 
次第に口に出さないでも考えがまとめられるようになっていきます。
 
 
あわせて心の声を育ててとどめておく練習をすると、集中力が高まりひとりごとが減っていくのです。
 
 

4.ひとりごとを減らす〇〇タイム

 
 
今回はお家でできる理解力をアップさせひとりごとを減らす2つの方法をお伝えします。
 
 

◆理解力を伸ばす「お話タイム」〜子どもの話を3分聞く〜

 
 
先ほどの鬼のお面のお話のように、子どもがある物について一生懸命話していたらチャンスです!
 
 
言葉の理解を深めている!と「ちょっと静かにしてね。」と言う前に3分聞いてみてください。
 
 
会話が可能な場所でしたら、お母さんの知っている情報も加えて伝え理解を深めてあげましょう。
 
 

 
 
音読の宿題も読んだあとに、内容にちなんだ話で知識を言葉にするのもいいですね。
 
 
声に出して言葉にすることで理解が深まります。
 
 

◆心の言葉を育てとどめる「集中タイム」〜メンタルカウント〜

 
 
心の言葉を育てるのに効果的なのが心の中で数を数えるメンタルカウントです。
 
 
やり方は、まずお母さんが1から20まで声に出して数えるのを、子どもは目をつむって声に出さずに1から20まで心の中で数えます。
 
 
もし声が出てしまったら、否定はせずに「声が出てるね。」と声が出ていることに気づかせて、もう一度1からチャレンジします。
 
 
子どもが慣れてきたら、今度は一人でやらせます。
 
 
毎日1回、宿題の前や勉強の休憩に取り入れると効果的です。
 
 
心の言葉が育つだけでなく集中力も上がります。
 
 
いかがでしたか?
 
 
ひとりごとが気になる高学年発達障害児のお子さんがいましたら、ぜひ活用してみてくださいね。
 
 
ひとりごとが減るだけでなく、理解力や集中力が高まり学習にも自信がついていくはずですよ。
 
 
高学年のソーシャルスキルトレーニングについてもあわせてお読みくださいね。
 
 
 
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執筆者:今川ホルン
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
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