小学生の子どもの着替えはどうしていますか?私は、毎朝「着替えさせて」と言ってくる娘に困っていました。朝の忙しい時間に自分でやってくれないとイライラしますよね。ADHDタイプの小学生が自分で着替えられるようになった作戦をご紹介します。
【目次】
1.ADHDタイプの小学生娘が自分で着替えない
毎日お母さんはやることがいっぱい!特に、朝は1分1秒を無駄にしたくない忙しい時間帯ですよね。
朝ご飯の用意、お弁当づくり、食器洗い、洗濯、自分の身支度など…お仕事をされている方は決まった時間に家を出なければならないため、余計にバタバタすると思います。
そんな時に、小学生にもなった子どもから毎朝「着替えさせて」と言われたら、どう思いますか?
わが家の娘は、幼児期に発達の遅れを指摘されて療育にも通いましたが、発達検査をしても「様子を見ましょう」と言われた、いわゆるグレーゾーンといわれる子です。診断は受けていませんが、特に衝動性が強い注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプでもあります。
その娘は、小学4年生になっても、毎朝のように「着替えさせて」と言ってきました。そんな時、私は忙しい時に時間を取られることにイライラしながらも、早く支度をすませたいため、言われるがままに手伝っていました。
内心、小学4年生になってもこの状態でいいのか?との思いがなかったわけではありません。
子どもが「やってほしい」と言ったことをやってあげることは「甘やかし」ではなく、子どもから言われてもいないのに先回りしてやることが「甘やかし」であると自分を納得させていました。
そもそも、なぜ自分で着替えられるはずなのに、娘は自分で着替えないのだろうとその理由を考えてみました。
2.朝の着替えを自分でやらないのはなぜ?
小学生にとって、着替えをしなければいけない場面は、朝だけではないですよね。1日のうちで着替えなければならないのは、他にも
・体育の授業の前に、体操服や水着に着替える
・体育の授業の後に、元の洋服に着替える
などがあります。ほかの場面では自分で着替えられるのに、なぜ朝だけ自分でやらないのかを考えてみました。
娘の場合、
・起きているけど、まだぼーっとしている
・着替えるのが面倒で、やる気がでない
という2つが考えられました。
発達障害やグレーゾーンの子どもの中には、朝起きても覚醒が低く、ぼーっとしてしまう子どもがいます。こういう状態を低覚醒と言います。
ぼーっとしているので、お母さんがいくら「着替えなさい」と言っても子どもの脳にはなかなか届きません。
お母さんに「早く」と言われても、ぼーっとした状態で自分で着替えることが難しいため、結局「着替えさせて」という発言になってしまうのです。
学校で着替える時は、体を動かすのが大好きなADHDタイプの子どもにとっては、着替えれば体育ができるということが、やる気をだす動機になります。
その上、他の子ども達も一緒に着替えるので一人だけ着替えないわけにもいかず、自分で着替えることができるのです。
では、朝ぼーっとしていて、自分で着替えられない小学生にはどういう対応をすればいいのでしょうか?次項でご紹介します。
3.子どもが自分で着替えられるようになったマル秘大作戦とは
◆一緒に着替える
まず、子どもがぼーっとしていても、自分が何をすればいいのかが分かりやすいように、隣でお母さんも一緒に着替えます。
例えば、パジャマのズボンを脱ぐ→スカートorズボンをはく→パジャマの上を脱ぐ→肌着着る→上衣を着る→靴下をはく など、お子さんが着替えやすい順番で着替えるのがいいですね。
お母さんも、お子さんのペースに合わせて同じ順番で着替えると、子どもが次に何をすればいいのかが分かりやすくなります。
子どもの着替えも、いつも同じように重ねて用意し、同じ場所に置いておくとルーティン化して、ぼーっとしていたとしても着替えやすくなります。
◆ごほうび作戦
次に、ごほうび作戦です。
私は、2種類のごほうびを、それぞれ試したことがありますので、ご紹介しますね。
・ポイント制
まず、1つ目は、目標を決めて、できたらポイントがもらえ、ポイントをためるとご褒美がもらえるという仕組みです。 例えば、娘の場合、「6時15分に自分で着替える」という目標を決めました。
時間とやることの両方ができたら2ポイント。自分で着替えられたけど、時間が遅くなったら1ポイントというふうにしました。
1週間まいにち達成できたら14ポイントですが、半分の7ポイントでも達成できたら好きなお菓子をひとつ買ってもらえるというごほうびです。
14ポイント達成できたらパーフェクト賞!スーパーのお菓子売り場ではなく、ケーキ屋さんやクレープ屋さんで売っている少し豪華なお菓子をごほうびにしました。
このように、着替えたらいいことが待っていると思うと、頑張ろうというやる気が出てきて、自分で着替えられることが多くなりました。
・動画が見られる
もう1つは、自分で着替えたら動画が見られるというごほうびです。動画は、見る前にその動画が何分で終わるのかが分かるので、朝学校へ行く前でも時間が作りやすいです。
これは、動画を見ることがやる気につながる子どもにはおすすめのごほうびです。
今、娘には動画のごほうびを採用していますが、着替えだけでなく、動画を見たいために、朝もぐずぐずせずに起きられるようになってきました。
私が起こす前に起きてきたり、事前に決めた起きる時間を耳元でささやくだけで、すぐに起きられることも多いです。
今回ご紹介したものは娘の例ですが、お子さんの年齢やなぜ着替えられないかの理由によって、さまざまな対応方法が考えられます。
1つだけではなく、いろいろな対応方法を組み合わせてみるのもいいかもしれません。ぜひいろいろと試してみて、子どもが自分から着替えるようになる作戦を見つけてくださいね!
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執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)