親が何も言わないと宿題をやらないお子さんは多いと思います。かといって、親がつきっきりで宿題をサポートするのも何か違う気がしますね。今日は宿題に関する最新の研究結果をご紹介しながら、今日からできる宿題のサポート方法をご紹介いたします! |
【目次】
1.宿題やってくれない時、どうしていますか?
お子さんは自分から進んで宿題に取り組んでくれていますか?そうじゃない場合、どうされていますか?
できれば、何もいわなくても自分でささっとやってくれるといいですが、なかなかそうもいかないことが多いと思います。
まずは取り組む体勢にもっていくのに一苦労し、取り組んでくれた!と思って見てみると
– 字はぐちゃぐちゃ!
– とにかく埋めてるだけ!
– 計算も間違いが…
– いや、そもそも宿題がランドセルに入っていない!
– 学校でやっている内容が頭に入っていない!
宿題なんだから自分でできるようになってもらいたい一方で、親が何もしなければこのまま学校で怒られ続けるのもかわいそう。
親がどこまで宿題のサポートをするかって難しいですね。
先日、アメリカの宿題研究をご紹介しましたが、お読みいただけたでしょうか?
子どもの宿題のやる気を高め、宿題の効果を高める周りの大人の関わりについても記載されていました。
宿題をやってくれなくて困っている場合には、今日からできるヒントが見つかると思います!
とっても面白かったので、みなさんにもご紹介したいと思います!
2.子どもが宿題をやりたくなる大人の関わり方
さて、このレポートでははっきりと、
「子どもの宿題へのやる気や宿題の効果は、親や先生といった周りの大人の宿題への関わり方が影響します!」
と書いています。
これを読んだときちょっとドキッとしてしまいました。
なぜなら、親ってそんなに影響あるんだ、と知ったからです。
そして、どんな先生だと宿題の効果が高かったかを調べてみると
宿題をやったかどうか、どれだけ正確にできたかを大事にする先生よりも、どれだけ自分で責任持って取り組めたかを大事にする先生のほうが宿題の効果が高かった。
(Trautwein et al, 2009, Bempechat, 2019, Bempechat et al., 2011 as cited in challenge success 2020)
ということ。
そして、親も同様で、
子どもが宿題を丁寧に正確にやったかどうかをしっかりと観ている親よりも、宿題に取り組みやすい場所と時間を準備し、高い期待を持ちながらも自分でやり続けられることを応援した親を持つ子どものほうがいい成績に繋がっている。
(Boonk et al, 2018, Viljaranta et al., 2018 as cited in Challenge Success 2020)
という研究が紹介されていました。
私は母親なので、親の関わりについての研究結果から言えることをまとめてみると、親が丁寧に正解になるまで教えてあげるよりも、
– あなたが宿題に取り組みやすい場所はどこかしら?
– いつだったら取り組みやすいかしら?
と、その子にあった宿題に取り組む環境を整え、あなたならできるわね!という期待をもって信じて応援するといいとうことになりますね。
確かに、それは楽しそうです。
もちろん、脳の特性からくる困りごとの場合は宿題の内容そのものを見直してもらう必要がありますが、そうじゃない場合はこのくらいのサポートでいいのですね。
少し余談ですが、よく考えてみると、私も親に宿題の内容について言われたことはないなと思い出します。
そのかわり、食事の時間と寝る時間だけはうるさかったです!だから今でもこんなに学ぶことが好きなのかもしれないと、ふと、思いました。
3.宿題ばっかりしなくてもいい
更にもう一つ親だから意識して欲しいこととして、子どもの成績とウェルビーイングをあげるのに宿題以外にも大事な時間が4つあることを教えてくれています。
それは、
1.睡眠時間2.遊びの時間3.休憩時間4.家族の時間
宿題をする時間も大事だけど、子どもの成績とウェルビーイングを上げたいのならこれらの時間のことも忘れないでね、と書かれています。
私は少し納得してしまいました。
「宿題やりなさーい!」と言うのなら、
「遊びなさ−い!」
「休憩しなさーい! 」
「家族みんなで一緒にすごしなさーい! 」
「しっかり寝なさーい! 」
とも言わないといけませんよ(笑)
これはちょっと冗談ですが、それくらい、遊ぶ時間、休憩の時間、家族一緒にすごす時間、睡眠時間も宿題と同じくらい子どもの発達にとって大事です、ということです。
ここから考えられるのは、
遊んでばかりで宿題やっていないことより、 嫌がる宿題に時間が取られ、遊ぶ時間、休憩する時間などがなくなるのも問題ですよということです。
子どもの脳を発達させるのにはいろいろな方法があります。
宿題だけが勉強の力をあげるわけではないですよ、ということを知っていると少し気分が楽になりますね。
4.スモールステップで宿題する環境を整えよう!
では、さっそくサクセス・チャレンジがいいと教えてくれたことをチェックしてみましょう!
サクセス・チャレンジがお勧めしているのは、お子さんの宿題をする場所と時間を整えてあげるサポートをするということです。
では、一度チェックしてみてください。 お子さんの宿題をする場所と時間は準備されていますか?
私は正直、日々試行錯誤中です。
ただ、不安なく試行錯誤できているのはこの考え方に出会ったからです。
「宿題しやすい場所と時間を自分で考えなさい!」というのでもなく、「ここでこの時間にやりなさい!」と言うのでもない。
ちょうどいいサポートの仕方を見つけるために、便利な考え方をご紹介します。
それは、Scaffolding(足場づくり)という考え方です。
発コミュでいうスモールステップの考え方と少し似ています。
例えば、手を洗いたいけど、まだ小さくて蛇口にまだ手が届かないお子さんを例に考えてみましょう。
いつもいつもお母さんがお子さんを抱っこして手を洗わせてあげるのでも、自分で届く方法考えて洗いなさい!と放置するのでもなく、その子の身長にあった小さなステップ(足場)を置いた経験ってないですか?
宿題に取り組みやすい環境と時間の見つけ方についても同じで、まずは一緒に考えるところからはじめてみられるといいと思います!
我が家の場合、宿題に取り組みたがらない時はこう聞くようにしています。
「いつだったらできそう?」
そして、
「どこでする?」
この質問を繰り返し投げかけているうちに、
– 自分の疲れ具合
– どんな時だと自分を動かしていけるか
– どんな場所だと取り組みやすいか
など自分の状態を捉え、ちょうどいい方法を試行錯誤する力がついてきているように思います。
もちろん、学習机で取り組むことはほとんどないですが、宿題は終わっていきます。
宿題がたとえできなかったとしても、 「じゃあ明日はどんな戦略で行こうか?」と失敗を学びのチャンスに変えていけます!
みなさんもよかったらぜひ試してみてくださいね!
自分から宿題に取り組む環境づくりのヒントはこちらからどうぞ!
執筆者:白石あやこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)