夏休みに発達障害・グレーゾーンの子どもと定型発達の子どもで兄弟げんかが勃発!ちゃんとしつけないとと叱ってしまっていませんか?実は、兄弟げんかはしつけると悪化するのです。ここでは兄弟げんかを減らす秘訣をお伝えします! |
【目次】
1.どうする?発達障害・グレーゾーンの子どもと定型発達の子どもの兄弟げんか
2.普段のしつけが、兄弟げんかを悪化させる?
3.兄弟げんかを減らす秘訣はコレ!
①兄弟で比べない
②お互いの行動を理解する
1.どうする?発達障害・グレーゾーンの子どもと定型発達の子どもの兄弟げんか
夏休みのように家族で過ごす時間が増えると、当然増えるのが兄弟げんかです。
喧嘩の声が聞こえたら、すぐに駆けつけてやめさせるべきなのか、けんかをして社会性を育てるために、様子をみるべきなのか迷いますよね。
「どちらの言い分を聞いたらいいの?」「注意の仕方も変えるべき?」お母さんは迷いながら対応して、あとから「これでよかったのだろうか」と悩んでしまうことも。
特に、発達障害・グレーゾーンの子どもと定型発達の子どもの兄弟げんかの場合には、お母さんからすればどうでもいい理由のときだけではなく「それは怒るよね」という理由のときもあって、つい口を出したくなりますよね。
定型発達の子どもには「我慢しなさい」、発達障害・グレーゾーンの子どもには「そんなことしたら、けんかになるでしょ」、それぞれにこんな注意をしてしまうことはありませんか?
我慢もしつけ、いけないことを教えるのもしつけ、と思って普段から接していると、兄弟げんかは、一向に減らず、増えてしまうかもしれません。
2.普段のしつけが、兄弟げんかを悪化させる?
ここでいう「しつけ」とは、できていないことに注目して、叱ったり諭したりすることです。こういった否定的な注目が、褒める認めるという肯定的な注目よりも多ければ、兄弟ゲンカを減らしたいと思っても逆効果になってしまいます。
否定的な注目をされて、素直に行動を改めようとする子どもはまれです。それぞれに「兄弟のせいで叱られる」と不満をため、兄弟げんかにつながります。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、他の兄弟に比べて自分は親の期待にこたえられていないダメな存在と感じやすく、自信がない子どもが多いです。他の兄弟に妬みのような不満を持つこともあります。
定型発達の兄弟は、自分も親に甘えたいのに、いつも後回しでかまってもらえない寂しさや、嫉妬を感じている場合があります。
いずれも世間でもよく言われることなので、気をつけようとしているお母さんも多いことでしょう。しかし、子どもに伝わるまで肯定したり甘えさせたりしているでしょうか?
実は、「しつけ」が多いと、子どもの心には否定されたことが残りやすくなってしまうのです。気をつけて褒めたり認めたりしていても、「少しおおげさかな」というくらいでないと、子どもには伝わらないものなのです。
発達障害・グレーゾーンの子どもと定型発達の子どもがいる場合、物理的・時間的には、平等に接するのが難しいことがありますね。重要なのは、それぞれの子どもが肯定されているという満足感が得られることです。
また、子どもがある程度大きくなると出てくる不満に、お互いにどうしてこんなことをするのかわからないイライラがあります。
お母さんがお互いの理解できないところについて橋渡しをすれば、兄弟間で思いやり、助け合う心も育ちます。すると、兄弟げんかを減らすことができます。
次に、具体的にどのように対応したらよいのかお伝えしますね。
3.兄弟げんかを減らす秘訣はコレ!
兄弟げんかを減らす大前提は、けんかをしていないときに、「仲良くできてるね」「ルールを守れたね」「譲ってあげたんだね」と褒めて認めることです!
そしてさらに、2つのことを意識してみてください。
◆①兄弟で比べない
他の兄弟に妬みのような不満を持ちがちな発達障害・グレーゾーンの子ども。そんな子どもに肯定を伝えるには、他の兄弟と同じ土俵で比べないことです。「お兄ちゃんはあなたぐらいの時にはできていたことが、あなたはできない」なんて絶対にNGです。
具体的な方法についてはこちらでご紹介しています!
ジャンルを変えてその子独自のいいところをたくさん見つけて褒めましょう。
とはいえ、自信のない発達障害・グレーゾーンの子どもは、自ら勉強など苦手な分野で他の兄弟と比較した評価を聞きたがることもありますね。お母さんがどんなにフォローしても否定的に受け取ることもあります。
そのようなときは、定型発達の子どもを褒めるときに、できたことや成果を褒めがちになっていないか疑ってみてください。
途中過程でその子が頑張っていたところを認めるようにすれば、妬みにはつながりません。定型発達の子どもにとっても、自分の頑張りをよく見てくれていると満足感につながります。
詳しくは、こちらでお伝えしています!
◆②お互いの行動を理解する
お互いの行動が理解できないイライラについては、お母さんの橋渡しが重要です。
例えば、きょうだいでヒーローごっこをしている場面を想像してみてください。
定型発達の子どもがセリフとして
「お前をぶっ倒す!」
などと言った時、発達障害・グレーゾーンの子どもは自分に言われたかのように真に受けてしまって怒り出す。
「なんでそんなこと言うんだ!」
「冗談だろ!」
そして、けんかに。
これは真に受けやすい発達障害の特性から起こったけんかです。こんな喧嘩には、どのような対応ができるのでしょうか?
まず、定型発達の子どもに理解を促します。
◆自分のことを言われたように受け取ってしまう子もいるから、誤解されたら〇〇(役名)としての言葉だよと付け加える
◆周りで聞いていて嫌になるような言葉はセリフでもNG
できれば、子どもに実際にあった「この間のけんかのことを言っている」と気づかせずに伝えたいもの。
なんでもないときに、「お母さんも小学校のころ真に受けやすい性格でね。こんなことがあったんだ。」と笑いながら話せると、楽しい話の記憶として伝わるかもしれません。
そうして、兄弟ゲンカをきっかけに兄弟の特性を理解していけば、効果的な対応で仲良く遊べることも増えていきます。兄弟だけでなく他のお友だちにも優しくできる子どもに、双方が育っていけるのです。
ぜひ、こちらの記事も参考にしてくださいね。
それぞれの子どもを肯定すると兄弟げんかも減る!肯定のコツをお伝えしています!
執筆者:大西ゆか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)