ADHDキッズが、本当の気持ちとは反対のネガティブな言葉を言うことで、周りを困らせるということはありませんか?その困りごとには、子どもからのSOSが隠されているんです。そのネガティブな言葉を発してしまう原因と対応方法をお伝えします。 |
【目次】
1.ADHDキッズが反対癖(ネガティビズム)を言う困りごとはありませんか?
2.子どもの困りごと解決には自分自身の過去と共通点があった
3.子どものうちだからサポートしてもらえる「成功体験」
4.「肯定」「認める」コミュニケーションから対応しよう
1.ADHDキッズが反対癖(ネガティビズム)を言う困りごとはありませんか?
発達障害の注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つお子さんが、本人の気持ちとは反対のネガティブな言葉を言ってしまうということはありませんか?
それは、反対癖(ネガティビズム)といって、2歳前後のイヤイヤ期を含め、反対のことを言ったり、わざと行なったりすることは、子どもが自分を主張する成長の過程の一つです。
例えば、
親 いつもより早く行動できたね
子 遅かったけど
親 集中しているね
子 やりたくなかった
親 楽しそうだね
子 楽しくない
など
定型発達の成長の子であれば、1歳半~3歳くらいの子に見られ、成長過程や注目してほしい気持ちの表れやこだわりの強い子にみられることが多いようです。
発達障害の特性のある子は、精神年齢が定型発達の子と比べると少し幼いとも言われているので、そのようなネガティブな言葉を発してしまうのかもしれません。
2.子どもの困りごと解決には自分自身の過去と共通点があった
小2のADHDと自閉症スペクトラム(ASD)の特性をもつ息子も、1年生のときは反対癖がありました。
先生から、「〇〇くんは気持ちとは反対のネガティブな言葉を言っちゃうけど、本当は違うんだよね」とよく言われていました。
初めのうちは、
「何で素直になれないんだろう」
「素直に言った方が楽なのに」
と思っていました。
しかし、学校や家で叱られることが多くなるほど、ネガティブな言葉を言う頻度が多くなり、素直さがなくなってしまったのです。
息子がネガティブな言葉で返してくるたびに「またか…」とイライラするようになってしまいました。
そのようなときに、発達科学コミュニケーションに出会い、私のコミュニケーションを変えたことで、息子に素直さが出てくるようになりました。
そして、ネガティブな言葉をいう息子の本質を考えたとき、私自身にも重なることに気付いたのです。
私は、他の人のようにうまくできない劣等感を幼少期からずっと抱えていました。
私が、「あなたみたいにできないから」というと、友人たちは、「大丈夫だよ」「あなたならできるよ」と言ってくれるので、安心感を得ることができていました。
きっと息子も、ネガティブな言葉を使うことで、周りから安心感を得られる言葉をかけてもらえると思っていたのではないかと感じるようになりました。
3.反対言葉=自己肯定感が低い
昔は、ちょっとひねくれたような子をあまのじゃくと言っていました。
あまのじゃくの原因は
愛情を知らないまま育ってきた
自分では決めず、いつも親に決めてもらっていた
「ダメ人間」と否定され続けてきた
親に自分の意見を聞き入れてもらったことがない
常に完璧を求められてきた
とあります。
また、心理学で調べてみると、
本音を知られるのが恥ずかしいから嘘をついてしまう。
内心ではかまってほしいと思っている。そのために問題行動を起こす。
ということがわかりました。
ネガティブな言葉をいう子は、自信がもてない自己肯定感が低い子だったんです。
しかも特性があるから問題行動が目立ち、家庭でも、学校でも叱られること、注意されることも多くなっている。
大人になってから自信をつけることは、時間も環境も整えなくてはならず、大変な労力がいります。
子どものうちだからこそ、未熟な部分の脳を発達させるため、様々な支援、周りからのサポートを受けることができます。
4.「肯定」「認める」コミュニケーションから対応しよう
では、未熟な脳を成長させるためには、どのように対応をしていけばよいのでしょうか。
まずは、365日お子さんに接することができる、お母さんのコミュニケーションを変える必要性があります。
当たり前のような小さいことでも
「肯定」して「認める」ことから始めてください。
例えば、
学校から帰ってこれたね。お疲れ様
お風呂入って、きれいになれたね
など
やったことではなく、やれていることを実況中継してあげてくださいね。
すると、子どもの発する言葉が変わって素直さがでてくるようになります。
素直さがでてくると、徐々にネガティブな言葉は減っていき、子どもとの時間が楽しく過ごせるようになります。
大人になってから、自分に自信をつけることは、とても大変なことです。
お母さんが、今、お子さんのSOSに気付いたのなら、今すぐ対応してあげてくださいね。
自信がない子どもの行動を促すにはこれ!
執筆者:かわきたりの
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)