発達障害の子どもが思い通りにいかないとすぐ癇癪を起こす~肯定的な関わりを徹底するだけで癇癪にサヨナラ!!~

発達障害がある子どもが思い通りにいかないと癇癪を起こす度に、振り回され疲弊していませんか? 癇癪は子どもなら誰にでも起こりうるものですが、発達障害の特性が影響する面もあります。 ここでは、癇癪にサヨナラできる方法をお伝えします!
 

【目次】

1. 発達障害の子どもが思い通りにいかないと癇癪を起こし、ヘトヘトではないですか?
2. 癇癪を起こす原因とは?
①癇癪は大事な成長過程の一つ。
②発達障害との関連について。
3. 癇癪をなくすカギは、コミュニケーション!
①癇癪が起きてしまったときの対応
②癇癪を起さない工夫
③癇癪が起こす必要のない脳に発達させる

 

1. 発達障害の子どもが思い通りにいかないと癇癪を起こし、ヘトヘトではないですか?

 
 
お子さんがすぐに癇癪を起こしてしまうと、ママはすごく疲れてしまいますよね。
 
 
手がつけられなくなり、放っておくしか対処できなくなるような場合もあります。
 
 
我が子も、以前は癇癪がひどく、私のストレスも非常に大きい状態でした。
 
 
外出先で癇癪になるのが恐ろしくて、外出がおっくうになっていたこともありました。
 
 
例えば、ファミリーレストランの会計近くに売っているおもちゃを欲しいと言い出し、「今日は買わないよ」というと、そこから癇癪が始まります。
 
 
私の足にしがみついて離れず、その場から動けなくなるというようなことが何度もありました。
 
 
一度癇癪を起こしてしまうと、子ども自身ではどうしようもできなくなります。私も、当時は子どもの気分を変えてあげるなどの方法をうまく使えておらず、泥沼にはまっていました。
 
 
 
 
ですが今は、あの頃はなぜあんなに癇癪を起こしていたのだろう、というくらい落ち着いています。
 
 
最近では、ファミリーレストランで売っているおもちゃを見て、欲しがったとしても、「今日は買わないよ~」と言えば、「じゃあ今度買って」とか「じゃあクリスマスに買って」などと言葉で伝えることができるようになりました。
 
 
成長し、欲しいものをどうやったら手に入れられるか、交渉するようにもなっています。
 
 
「今おもちゃが欲しい」という欲求がかなえられない不満な気持ちを、癇癪としてすぐに表さなくても、「ママはいつもここでは買ってくれないもんな」とか、「クリスマスなら買ってくれるかも」などと、冷静に思考を巡らせて対応できているのだと感じます。
 
 
このように、絶対に癇癪はサヨナラできます!!
 
 
ここでは、癇癪をどう乗り切ったのかについて、お話ししたいと思います。
 
 
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2.癇癪を起こす原因とは?

 
 

◆①癇癪は大事な成長過程の一つ。

 
 
乳幼児は、空腹や眠気、痛み、オムツなどの不快な刺激により癇癪を引き起こします。
 
 
そして、成長が進むにつれて、癇癪は子どもにとって何らかの不都合を親に伝え、それを取り除いてもらうコミュニケーションの機能を持つようになります。
 
 
例えば、チョコをもう一個もらいたいが、親にダメと言われてしまい、癇癪を起す。
 
 
子どもは「チョコを食べられない」ということが不都合であり、もらえないという状況をなくすために、手段として癇癪を起すという行動の流れになります。
 
 
成長とともに、言葉で自分の気持ちを伝えられるようになると、癇癪は治まってくると言われています。
 
 
しかし、過去に、癇癪により結果的に要求を叶えたり、不都合を取り除いた経験がある場合には、コミュニケーションの手段として癇癪が「習慣化」してしまうことも考えられます。
 
 

◆②発達障害との関連について

 
 
頻繁に癇癪が起こるからといって、イコール発達障害があるということにはなりませんが、発達障害のある子どもに見られる特性が癇癪を起こすきっかけと絡んでいる場合があります。
 
 
よって、子ども自身もどうすることもできず、困っていることを理解しておきましょう。
 
 
 
 
癇癪のきっかけとなる発達障害の特性には、次のようなものがあります。 
 
 
・気持ちのコントロールが難しい。  
 
・他者と自分の意図をすり合わせるのが苦手。  
 
・言葉に遅れがある。  
 
・感覚の過敏性。  
 
・決まったパターンが乱れることが苦手(同一性保持) 等。
 
以上のような特性により、うまくいかないことや困ったことが多く起こり、癇癪という手段で不満をあらわす必要性が増してしまうのです。
 
 
では、発達の特性がある限り、癇癪と付き合い続けなければならないのかというと、そんなことはありません。
 
 
具体的にどのように対応していけばよいか、次にみていきましょう。
 
 
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3.癇癪をなくすカギは、コミュニケーション!

 
 
では癇癪についてお悩みの場合、具体的にどのように対応したらよいでしょうか。
 
 
順にみていきましょう。
 
 

◆①癇癪が起きてしまったときの対応~さあ!どうする?!~

 
 
癇癪が起きてしまったときは、まずは子どもの身の安全を確保しましょう。
 
 
そして、癇癪は長く続くこともあり、親のストレスにもなりがちですが、できる限り子どものペースに飲み込まれないことが大切です。 
 
 
怒ったりネガティブな対応をすると、さらに癇癪が悪化しますので、スルーする必要があります。
 
 
「ママは、あなたの行動を気にしていませんよ~」の態度を徹底しましょう。
 
 
子どものペースに飲み込まれないためのコツには、次のようなものがあります。
 
 
・新聞を読む、家事をする、植物の手入れをするフリ、次にやることの準備など。
 
 
癇癪が始まったら、まずは冷静に、「嫌だったんだね」ということを、受けいれ共感してあげましょう。
 
 
そして、自分で落ち着くことができたら、すかさず褒めることが大事です!!
 
 
褒めることで、自分で落ち着けることは良いことであると認識し、自信をつけさせることができます。
 
 
そして、自信のパワーで、他の良い行動も自然と増えてくるのです。
 
 

◆②癇癪を起こさない工夫~未然に防ごう!~

 
 
癇癪は習慣化する部分もありますので、なるべく起こさせないことが重要になります。
 
 
そのためには、癇癪を起こす原因となりうることを、なるべく避けたり、対策を持っておいたりします。
 
 
例えば、次のような対策となります。
 
 
・急な予定変更が苦手で癇癪を起こす可能性が高い場合であれば、必ず事前に予定を伝えるようにする。
 
・感覚過敏によりざわざわしたところが苦手で、癇癪を起こす可能性が高いのであれば、そのような場所を避けて一人になれる場所を常に確保したり、イヤーマフを準備しておいたりする。
 
 

◆③癇癪が起こす必要のない脳に発達させる~根本から治そう!~

 
 
幼い幼児は、自分の気持ちを言葉で相手に説明したり交渉したりすることはまだ十分にできないため、それを癇癪としてあらわしているとお伝えしました。
 
 
ですので、自分の気持ちをきちんと把握して、相手の状況をみて自分の気持ちを言葉にして伝えることができるようになれば、癇癪を起こすという手段を使わなくてもよいはずなのです。
 
 
 
 
そして、そのようになるために必要なのは、脳を発達させることで、それが可能になるのが「発達科学コミュニケーション」です!!
 
 
発達科学コミュニケーション(発コミュ)とは、脳科学的な知識をベースに、子どもとの肯定的なかかわりを徹底することで、子どもの脳を発達させ、困りごとをなくしていくコミュニケーションです。
 
 
具体的には、子どもを褒めたり、認めたりする声かけ、感謝する声かけ、一緒に楽しむコミュニケーション、スキンシップなど肯定することを徹底していきます。
 
 
このようにすることで、子どもは親との間でさらに安心感が生まれ、そこから自信が生まれてきます。 
 
 
肯定の声掛けには、次のようなものがあります。
 
 
・褒める…「頑張ったね、上手にできたね、早いね、やったね、すごいじゃん!」
 
・感謝する…「お皿を運んでくれて、ありがとう!」「ごみを拾ってくれて、ありがとう!」
 
・スキンシップ…肩や背中に触れる、ハイタッチ、物の受け渡し
 
 
そして自信が生まれることで、相手の話を聞けるようになったり、自分の意見を言えるようになったりするのです。
 
 
そうすると、何か不満な状況があっても、相手に自分の気持ちを伝えることができるので癇癪という手段が要らなくなります。
 
 
そして、ある日、「あれ、最近全然癇癪が起きてないな」と気づくのです。我が家がまさにそうでした。
 
 
発達コミュニケーションを実践されたママからは、早くて一カ月ほどで変化を感じ、三カ月ほどで癇癪がなくなったという報告が多くあがっています。
 
 
癇癪の改善は、癇癪自体をどうするかよりも、癇癪を起こしていないときの日常のコミュニケーションをどうするかにかかっているとも言えそうです。
 
 
地道な方法とも言えますが、これは癇癪以外にも、発達の凸凹に関連して生じる様々な問題への解決策にもなります。
 
 
どの問題も、子どもに安心感や自信を与えることが解決の糸口になるからです。
 
 
癇癪が多かったり困りごとがある子どもの子育ては、大変ですよね。しかも、いつまで続くのか不安…
 
 
うまくいかなくて、どうしようもなくなった時は、ママ一人で抱え込まず、専門機関に相談することを考えても良いでしょう。
 
 
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所
・放課後等ディサービス
・発達障がい者支援センター
・医療機関 等
 
 
ですが基本は、日ごろからの子どもとの肯定的なコミュニケーションを徹底すること!!
 
 
これにより、癇癪にサヨナラし、さらに良い関係を築いていくことができます!!
 
 
平和な生活が、きっと待っています♪
 
 
 
 
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執筆者:三島希美
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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