発達障害のお子さんについてまわる祖父母問題。しつけ世代の対応に、ママも子どもも困ってしまうことありますよね?特性を理解してもらうのは、簡単なことではないと思います。祖父母を子どもの良き理解者にするための効果的な伝え方をお伝えしていきます。 |
【目次】
1.発達障害の育児にはつきもの!祖父母問題
皆さんのご両親(祖父母)は、お子さんへの理解はありますか?
発達障害やグレーゾーンの子どものママ達との会話の中でよく出てくるのは祖父母問題です。
毎日子育てしているママやパパですら、初めは我が子が発達障害だなんて認めたくなかったですよね?
それでも日々、一番近くで成長を見守ってきたからこそ、少しずつ受け入れて来られたのだと思います。
では、それがたまに会う、お爺ちゃん、お婆ちゃんならどうでしょう…
例えば実家にいる時に何か大きな問題が起こらなければ、全く理解してもらえないかもしれません。
ママは、なにかにつけてわがまま・甘やかしだと言われたり、なぜ発達障害になったのかと原因探しをされたり…
発達障害の特性を理解できていない祖父母は、一般的なしつけをするので、子どもはいつもと違う対応に不安にもなりますし、パニックにもなりかねません。
その結果、祖父母の家に行くことを嫌がってしまうこともあるのです。
このように、家ではお父さんとお母さんが、子どもの特性に合わせた対応をしているけれど、実家に行くと祖父母は真逆なしつけをしてくる。
こういった祖父母問題に頭を悩ませている人は、少なくないかもしれません。
そうなるとママも困りますよね。ママも子どもも、お爺ちゃん、お婆ちゃん、みんなが幸せになるためには我が子を正しく理解してもらい味方につけることが必要なのではないでしょうか?
では実際には、どのように伝えて理解してもらったらいいのでしょうか?
次項では、まず私と母との話をしたいと思います。
2.発達障害を受け入れられない実母との確執
私の娘は現在、小学校1年生です。母は娘のことが大好きで、感謝しきれないほど可愛がってもらっています。
娘が3歳前後になった頃、他のお子さんとは違う点に私は気づき、相談機関にお世話になり始めた頃のことです。
当時の母は、どうしても娘の現実を受け止められませんでした。目の前にいる可愛い孫に何かあるなんて思いたくなかったのです。
母は、相談機関に出向く私に対しても嫌悪感を示すようになり、良いとされる対応を伝えても協力を拒むときさえありました。
それでも私が娘に対し、発達障害の可能性を含めた対応していたときのことです。
「我が子を障害者にして楽しいわけ?そんなふうにしか子どもを見ることができないあなたがおかしい!」
と、感情が爆発した母が、怒りに震えながら私に言ってきました。
私はとてもショックで、数ヶ月もの間、母とは口も聞かず、連絡も取りませんでした。
認めたくない母の気持ちも分かります。娘の私に対して、あのような言葉を発した母も辛かったと思います。なんとか理解してもらいたい!
そんな気持ちからまずは母を味方につけるため、ただ伝えるのではなく、伝え方を工夫をすることにしました。
すると今では私の母だけでなく義理の両親も、みんなが娘の特性を正しく理解し、良き理解者になってくれました。
次項でその方法を、お伝えしますね。
3.伝え方次第!祖父母を良き理解者にする2つの工夫
発達障害というと、祖父母世代の感覚としては、このまま成長をしないのではないか?と極端な発想にもなりがちです。
しかし、そうではないですよね。発達障害のお子さんは、脳の特性により凸凹が大きいけれど、ゆっくり発達し成長していきます。
だから、今のまま…なんてことはないんです!それを前提で伝えましょう。
◆①効果的な伝え方
では一体どのように伝えたら、正しく理解してもらえるのでしょうか?
それは例えば、偏食の問題だとします。
「娘は口の中がとても過敏!だから、お医者様も柔らかい食感が苦手で食べられないんだねと言われてる。ずっと食べられないことはないから、食材を変えて食べられるものを探しているところなんだ」など。
・子どもの特性 ― 口の中がとても敏感
・第三者の見立て(医者・心理士・幼稚園の先生など)― 柔らかい食感が苦手で食べられないと言われている
・その対応 ―― 食材を変えて食べられる物を探しているところ
特性と対応だけで理解をしてもらうには難しいこともあります。
そこで第三者の見立てを入れ、この3つをセットにして伝えることで説得力を上げることができます。
それでも理解してもらえない場合は、「いつかはわかってもらえる」と無理に理解を求めないのも大事です。
お爺ちゃん、お婆ちゃんにも受け止める時間が必要なのだと、こちらが理解しましょう。
◆②祖父母、子どもの両方へのフォロー
まず帰宅したら、祖父母へは、
「温かく見守ってくれたおかげで、〇〇はとても安心して過ごせたと言っている。また遊びに行きたいって!」
と子どもが楽しく過ごせたこと、子どもへの理解に対する感謝を伝えます。
これを繰り返すことで、大切な孫のために良き理解者になろうと考えてくれるようになります。
そして子どもには、先ほどの偏食問題で言えば
「ちょと食べられなかったけど、おばあちゃん美味しそうなもの、たくさん用意してくれていて良かったね。愛されているね。」
と、どれだけ自分のことを考えてくれているのかを伝えます。
幼少期には、わからないかも知れませんが、少し周りを理解できるようになると、自分のことを大切に考えてくれるからこその対応だと理解できると思います。
ですから今では、どちらの実家に帰省しても、私たち親がお願いした対応を祖父母なりにしてくれているので、娘も混乱せずに過ごせています。
人見知りも強いのですが、今では両方の祖父母と会うのを毎回楽しみにしています。
周りの理解を得るには時間も労力も要しますが、大切なお子さんのために、一番身近な祖父母には良き理解者になってもらいたいですね。
祖父母問題に関しては、こちらの記事でも紹介しています。併せてチェックしてみてくださいね。
祖父母も伝え方次第で子どもの良き応援隊に!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)