ダウン症の子どもは、今何をすべきか気づけず自分のしたいことを優先してしまい、そのやりたいことを止められて人から指示されると動かなくなったりします。そんなダウン症の子どもが自分で考えて行動できるようになるママの声かけをお伝えしますね!
【目次】
1.ダウン症の子が指示に従えないことに悩んでいませんか?
ダウン症の子どもが
・休憩時間の遊びが止められず、その場でかたまってしまう
・交代ができず、動かない
・活動が終わりになってもその場を動かず、他のお友達の妨げになる
ということ、ありますよね。
お母さんや先生が注意して、正しいことを指示しても、さらに頑固になってその場から全く動かなくなってしまう…こんな子どもの様子に悩んでいませんか?
お母さんが真剣に怒っているのに、子どもには全然伝わらない。
それどころか、叱れば叱るほど、問題行動が悪化する…。
「自分で正しい行動が判断できない。人から指示されても動けない。どうすればいいの?」とお母さんは絶望感でいっぱいになりますよね。
実は、この「後から指示する」ことが、子どもの問題行動をエスカレートさせているということ、ご存知でしたか?
2.ダウン症の子どもが人の指示を聞けない理由
ダウン症の子どもは
・好きなことをしているときは他のことができない
・気持ちが乗らないことはできない
・初めてのことには慎重で固まってしまう
という特性があります。
自分がやりたいこと、好きなことを優先するので、問題行動も目につきやすいですよね。
ではなぜ、「後から指示」ことが子どもの問題行動をエスカレートさせてしまうのでしょうか?
それは、「後から指示」をされると、ダウン症の子どもはその指示を「嫌なこと」と捉え、気持ちが不安定になるからです。
嫌なことがあったということが心のブレーキになります。
それで、動けなくなってしまうのです。
私にはダウン症の5歳の次男がいます。
以前は、この子に対して指示が後手後手でした。
次男には事前に言っても想像できないだろう、わからないだろうと勝手に判断して、できてていないことをその場で指摘していたんです。
「靴がぬきっぱなしだよ」
「手を洗ってないでしょ」
と目の前で起こっていることをただ大きな声で叱るだけでした。
その結果、次男は、心が沈み、その場で座り込んで動かなくなることが続きました。
ダウン症の子どもは頑固といわれることが多いので、「これも性格だからしょうがないか…面倒だな」と私も落ち込んでしまいました。
自分からは正しい行動がとれないのに、注意してもできない。
このような状況に、「どうしたらいいの?」と私は悩み、つい口調も荒くなって、抱き上げて無理矢理やらせたりしていました。
今はまだ小さいけど、これが小学生になったら…、中学生になったら…もう、抱き上げることはできない…。
と不安が大きくなるばかりでした。
そこで私は、子どもの心にブレーキをかけないよう、困った行動が起こる前にやることを明確にすることにしました。
3.子どもが自分で行動するためにお母さんにやってほしい声掛けはこれ!!
子どもの困った行動が起こる前にやったことは、事前の声かけです。
例えば、子ども園から家に帰るときは、こどもと玄関に向かって歩きながら
母「家に帰ったら最初にやることは?」
子「靴揃える」
母「そうだね、次は? 」
子「トイレに行く」
母「それから ?」
子「手を洗う」
母「完璧~!!」
と、順を追って問いかけて、子どもに答えさせました。
もちろん、最初からこのように理解できていたわけではありません。
最初は、「靴をそろえる」「トイレに行く」という子どもが答える部分も私がささやいて、子どもにはオウム返しをさせながら定着させていきました。
帰ってからやることを事前に確認し、その後で玄関を開けるのがポイントです。
そして、人に指示されたからではなく、自分で考えて決めたと本人が認識することが大切です。
前もって自分の行動が分かると、子ども自身に心の余裕ができて安心につながります。
すると、子どもが自分で考えて行動するようになります。
安心できると、できることが増えるんですね。
そして、できた時には
「きれいに靴を揃えられたね!!」
「もう、トイレ済ませたんだ!!」
「ピカピカ!!完璧な手洗いだね!!」
など、たくさん褒めてみてください。
このやり方を繰り返したところ、1週間で事前確認をしなくても、自分で考えて帰宅後の行動がとれるようになりました。
小学生以上の少し大きなお子さんは、朝の出かける前に確認しておくと「よく一日覚えていたね~!!」とほめるポイントが増えますね。
お母さんが一歩先に子どもと一緒に好ましい行動を確認し、それを本人が気づいたように認識させる声かけ、ぜひ試してみてくださいね。
執筆者:松下かよ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)