どもること(吃音)を悩んだ子がママに相談したくなるママの日頃の対応

どもること(吃音)についてサラリと話せる空気はありますか?吃音に気づかせないように極力触れないようにしていませんか?実はそれ勘違いです。子どもが吃音を悩んだ時に、ママに相談しやすいよう日頃の対応が大切です。
 

【目次】

 

1. 吃音についてサラリと話せる空気はありますか?

 
 
大人になって吃音に悩み、専門機関に相談に来た方の中には、親に吃音の相談をしたことがないという方が一定人数います。
 
 
実際には吃音について相談しようとしたことはあるそうなのですが、その都度親にはぐらかされた、なんとなく話題にしてはいけないような空気だった、という理由で相談にならなかったそうです。
 
 
なぜそのような空気になったのでしょう?
 
 
親御さんに確認すると、お子さんが幼児期に吃音を発症し、医療機関に相談した際に、
 
 
自然と治る子もいるから、神経質にならないで。気にしないで放っておいてください。
 
 
というアドバイスを受け、吃音には触れない方がよいと思われていた方が多いようです。
 
 
我が家の娘は3歳になってしばらくしてから吃音を発症し、4歳の頃が一番のピークでした。
 
 
話すたびにどもる娘に、保育園のお友達が吃音を真似したり、なんで同じことばかり言うのかピュアな質問をぶつけていました。しかし、娘は貝のように黙り込むばかりで、うまく対応できていませんでした。
 
 
   
 
 
よくないのは、お友達から指摘されることよりも、そのことについて誰かに助けを求めたり相談する様子がなかったりすることでした。
 
 
我が家にも吃音についてサラリと話せる空気がありませんでした。
 
 
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2.吃音について自然と話せる空気が必要な理由

 
 
吃音が出ても、話し方の工夫を教えたり、言い直しをさせたりすると、無意識のうちに吃音は隠さなきゃいけないんだと誤解してしまいます。
 
 
吃音に対する偏見が芽生えると、どもる度に自分はダメな人間なんだと自己肯定感が下がってしまうので、吃音は無視して、話の内容に集中してほしいのは間違いありません。
 
 
ただし、吃音そのものがないかのように無視してください、という訳ではありません
 
 
この対応は「はれ物に触る」という対応になってしまいます。
 
 
 
 
吃音っ子は、なんとなく自分が「はれ物」扱いされていることを敏感に感じます。そして、吃音をはれ物扱いし、家庭内で一切触れないという態度をとると、吃音でいじめられたり、つらい経験をした時、ママに相談できなくなってしまいます。
 
 
子どもが悩んだ時はすぐに相談してほしいですよね。傷が深くなる前に園や学校の先生と連携して早めに対処できることもあります。
 
 
吃音について相談できなかった成人の方の中には、吃音という症状そのものが何と表現するものなのか、「吃音」という名前があることすら知らず、一人孤独に悩んでいたという方もいます。
 
 
吃音っ子を孤独にしてはいけません。
 
 
 
 
吃音が原因で子どもが傷付いたら、ママと家族が癒して前に進める力を授けたいですよね。
 
 
だから吃音についてサラリと話せる空気が家にあることが大切なのです。子どもが困った時にママに相談できる空気が家にある子は救われます。
 
 

3.娘が自分でお友達に吃音を説明できるようになった仕掛け

 
 
我が家の家族には吃音が出ても無視して話の内容に集中するよう対応方法を伝えていたのですが、夫は言葉が詰まって苦しそうに話す娘を見ていられなくてたびたび、
 
 
「落ち着いてゆっくりしゃべってごらん」など、会話を中断させるようなことがありました。
 
 
そんな時には夫に説明するかのように、「言葉が増える子どもの時期にはどもっちゃうこともあるんだよね。」とサラリとがいる前で話していました。
 
 
ある時、遠くに引っ越した幼馴染と久々に再会して遊んでいる時、 幼馴染から「どうしてさっきから何度も同じこと言うの?」と聞かれることがありました。
 
 
すると、娘は自分から「言葉が増える子どもの時はどもっちゃう子もいるんだよ。」と説明したのです!
 
 
お友達も「へ〜、そうなんだ。」とあっさり受け止めてくれて、私もそのお友達のママも目をうるませることがありました。
 
 
その数秒の会話があった後、二人は吃音のことを話題にすることなく、いつも通り楽しそうに遊んでいました。子どもの順応性の高さ、娘の成長を感じた体験になりました。
 
 
 
 
吃音についてサラリと話せる空気ができたおかげで、娘は吃音に偏見を持たず、自分で対処するスキルを身につけてくれていました。
 
 
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4. 吃音について正しい知識をサラリと散りばめる

 
 
吃音についてわざわざ丁寧に解説したり、教えたりする必要はありません。
 
 
親戚や友人から子どもの吃音について尋ねられたり、触れられた時に、ママは辛いかもしれませんが、そんな時がチャンスです。
 
 
「言葉を覚える時期にはどもる子もいるそうです。」と余裕の笑顔で交わしてください。そんなママの余裕を子どもは感じ
 
「私、どもってるらしいけど大丈夫なんだな」
 
と感じ取ります。吃音があっても、どもっても大丈夫なんだ、別にいいんだ、と思わせてください。
 
 
子ども自身からどうして自分には吃音があるのか尋ねられたら、先述の通り、
 
 
「言葉が増える時にはどもる子もいるんだよ。その内よくなるから大丈夫だよ。」
 
 
と余裕の笑顔で伝えてください。
 
 
また、吃音が理由でいじめられたり、傷付いた時は、しっかり子どもを抱きしめて、
 
 
そんなこと言われて嫌だったね。わざとどもってるわけじゃないのにね。言葉が増える時期はそうなる子もいるのにね。でも、大丈夫。きっとよくなるからね。」
 
 
とさらりと慰めてください。吃音を責めたり、ママがこんなふうに産んでごめんねなどと言わないでください。
 
 
ママのせいでもないからです。ママが傷ついていることを感じると子どもはどもるたびに罪悪感を感じるようになります。ママが吃音に対して正しい知識をもってくださいね。
 
 
 
 
吃音については、世の中はまだ誤解がいっぱいです。親の育て方がよくないなど言われる方もいます。
 
 
しかし、幼児期から徐々に発症した吃音は決してそういうものではないので、誰かに指摘され、動揺したとしても子どもの前では余裕の笑顔をみせてください。そして、吃音の話題が出た時、さらりと吃音の正しい知識をちりばめてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:おざわ つきこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
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