子どもがどもっている時、何かしてあげられることがないかと悩むことありませんか?色々試してみたけど効果がない。そんな時はママの呼吸を変えてみてください!ママの呼吸のリズムがお子さんに伝わり吃音が落ちつくことがあります。 |
【目次】
1.子どもがどもっている時、何かしてあげられることはないかと思いませんか?
幼児の頃に発症する発達性吃音には、波があります。
今日は頻繁にどもるな〜と思っていたら、数日間どもりにくい日が続き、「このままよくなるのかも?」と期待させたと思ったらまた頻繁にどもる日続く…。
ママの気持ちも一喜一憂して疲れてしまうかもしれません。
「発達性吃音には波がある!」と思って気楽に構えてください。半年ぐらいどもらなくなっていたと思ったら、久々にどもり始めるということもあります。
気長に、気楽に構えていただきたい。しかし、頻繁にどもっている時は、何とかしてあげたいと思いますよね。
「落ち着いて」、「ゆっくり話してごらん」、「一回、深呼吸して」などアドバイスされたこともあるのではないでしょうか?
これ実は逆効果なので今すぐやめてくださいね。それよりもいい方法があります。
2.どもっている時、一番されたくないこと
どもっている時、本人が一番されたくないことは「急かされること」です。
吃音(どもり)がある人は、一番と言っていいほど急かされることを好みません。急かされれば急かされるほどどもりやすくなるからです。
幼児でも自分がスラスラ話せなくて、言葉がつっかかったり、詰まって話しにくいな、という自覚はあります。
「早く言わなきゃ!」と感じる状況の時に、どもってしまうと子どもでもイライラします。そのイライラがさらに吃音を招き、どもりやすくさせていきます。
「早くして」、「早く言って」、「さっさとして」など直接的に急かすことがなかったとしても、ママがいつもパタパタとせわしなく家事をしていると、子どもであっても時間がないことを感じます。
幼児のうちはママに時間がないと感じると、「ママとの時間が足りない!」という危機感につなげてしまう子もいます。
その結果、わざとママを困らせるようなイタズラをしたり、ぐずってみたり、ママの注目を集めて、ママを止めようとします。
ママは一層忙しくなるだけなのですが、それが子どもの最大限の努力だったりします。
「急かす」というのは言葉だけではなく、態度からも滲み出るので、吃音(どもり)の子はママが忙しい時にどもりやすくなることがあります。
3.さとされるのも逆効果になる理由
急かすつもりはないからと、「落ち着いて」、「ゆっくり話してごらん」、「一回、深呼吸して」など子どもを落ち着かせようと、言葉でさとそうとすることがあるかもしれません。
しかし、これは2つの意味で逆効果です。
まず1つ目は、どもった時に話をさえぎられて、話し方のアドバイスをされると、「どもってはいけないんだ」、「どもらないように話さなきゃ」という意識を芽生えさせてしまうからです。
吃音の最大の悪化原因は「どもらないように話そう」とさまざまな工夫を重ねることです。
吃音に偏見を持たせないように話し方のアドバイスをするのは極力なくしていきたいことです。
2つ目は、「落ち着いて」と言っている時ほど、ママがイライラしていたり、カリカリしていることがあるからです。
言っている本人がいらついていたり、焦っていたら、その言葉は子どもには届きません。
「ママ、なんかイライラしてる…」と思われ、言葉そのものは何も意味を成さなくなりからです。
4.吃音(どもり)を落ち着かせる呼吸をママがする
どもっている子どもを落ち着かせたい時、ママにしてほしいことは、ママがゆったりとした呼吸をしてみせることです。
人は親密な間柄の人と一緒にいると、無意識のうちに同じ動作をしてしまうことがあります。
例えば向き合って食事をしながらおしゃべりをしている時、相手が水を飲むと、うっかり自分も水を飲んでしまうというようなことです。
相手の動き、雰囲気と一緒になる効果を利用します。
ママがゆったり深めの呼吸をしてみてください。吸うよりも吐く息の方が長めになるはずです。
子どもがどもっている時、ママがその呼吸を近くで見せてあげます。
上級テクニックとしては、まばたきや相槌の動きもゆ〜ったりして見せます。
自然とママの動きがゆったりし、子どもの時間感覚もゆったりしていきます。
話すための猶予があると感じると、焦る気持ちが落ち着き、余裕をもって話せるようになります。
娘の吃音がかなり悪化した頃、保育園に迎えにいくと朝よりもさらに吃音が増えているという時期がありました。
帰ったら早く家事にとりかからなければ寝かしつけの時間に間に合わない!という焦りはありましたが、吃音が悪化している日は、家に帰るとまずお膝に乗せて5分ほど娘とゆっくりする時間をつくりました。
私の呼吸を落ち着かせ、ゆったりモードに切り替えます。すると娘も少しずつゆったりモードになっていき、話すペースがゆっくりになって吃音が落ち着いていきます。
そんなことを繰り返すうちに娘は5歳1ヶ月の頃を最後にどもらなくなりました。
このテクニックは吃音や子どもだけではなく、癇癪を起こしたり、パニックを起こしている老若男女全員に使えるテクニックです。
私は病院に勤務している時、パニックを起こしている患者様、怒りを爆発させている患者様、傷心して心を閉ざしている患者様など多くの方に使ってきました。
また、パートナーや友人が落ち込んだ時に話を聞く際にも使えます。言いにくいことでも話しやすくなり、ついつい心の内を話してしまうので、相手はすっきりして元気になるという効果も得られます。
そんなことで?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、お子さんの吃音がひどい時、癇癪を起こしている時、うまくお話しできなくて困っている時など、少しずつ試してみてください。
ママのスキルが上がると効果を感じやすくなると思います。
▼吃音をおウチで子どもに気づかれずによくしたい方はこちらをお読みください!▼ https://www.agentmail.jp/lp/r/5903/54540/
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執筆者:おざわ つきこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)