母親と離れることが不安な不登校の子は放課後登校もひとりではハードルが高いのではないでしょうか。かといって無理に離れようとするのも実は意味がないことなのです。そこで母子分離不安障害の子がひとりで放課後登校できるアイテムをご紹介します。
【目次】
1.母子分離不安障害の子のお母さんの悩みは尽きません
2.意図的に子どもを突き離すことがNGな理由
3.娘から10分ずつ離れる作戦は無意味でした
4.ママと離れても安心!母子分離不安の子がひとりで放課後登校できるアイテムとは
1.母子分離不安障害の子のお母さんの悩みは尽きません
不登校になったきっかけは母子分離不安障害からというお子さんはわりと多いのではないでしょうか。
毎回一緒に学校へ付き添いすることは大変…
このまま母親がいないとどこにも行けない子になったらどうしよう…
このような心配を抱えておられる母子分離不安障害の子どものお母さん方の悩みは尽きません。なぜなら、母親である自分が一番に関係しているからです。
学校の先生は、子どもが不登校になっても生徒の成長を思って様々なご提案をしてくださるかもしれません。
授業中の登校が難しいなら…と、放課後登校をお勧めされることもあるでしょう。
不登校の子どもにとって、学校へ行くというハードルは放課後の方が安心感もあり、授業時間よりは周りの目は気にしなくていい時間帯かもしれません。
そして、親にとっても融通が利きやすい時間帯なので、一緒に放課後でしたら登校もしやすいですよね。
この記事では、母親と離れることへの不安が強い母子分離不安障害の子どもが、ひとりで放課後登校できるようになった過程と、そのきっかけとなったあるアイテムの活用術をお伝えしていきます。
2.意図的に子どもを突き離すことがNGな理由
母子分離不安障害とは文字通り、子どもが母親から離れることへ対して強い不安が生じることです。
原因は様々ですが、もしかするとこのような対応をしてしまう方もおられるかもしれません。
離れることが不安なのだから、離れることに慣らしていこう!
お母さんと一緒に居過ぎだから離れられなくなったのでは?だから、もう少し一緒に居る時間を減らしてみよう!
というふうに、子どもから逃げるように離れようとすることをしていませんか?
実は、母子分離不安障害の子どもにとってはこのような対応はNGなのです。慣れていくどころか、さらに不安を強化してしまう可能性もあるのです。
なぜなら、子どもが求めていることは不安の反対である安心です。
子どもが求めているならお母さんはできるだけ一緒に過ごす。
子どもが安心できるようにお母さんの行動の動きを伝える。
子どもが安心できるようにお母さんとの信頼関係を築く。
どうしてあげたら我が子が安心して過ごせるか?という考え方で、子どもの環境を整えてあげることが母子分離不安の子にとって、とても大切なことになります。
3.娘から10分ずつ離れる作戦は無意味でした
我が子の娘は、小学生3年生から母子分離不安障害になりました。当時は家の中でも四六時中、私を目で追っている状態でした。
私が洗濯物を干したり、お風呂に入ったり、トイレに行ったり、他の部屋に行く時も私の姿が見えなくなることが不安で仕方ない様子です。
このような状況でしたので、その頃は娘のクラスとは違う別室で私も付き添いをしながら母子登校をしていました。
娘は私が同じ空間に居るので安心して過ごすことができていたものの、先生にとっては見方が違いました。
これだけ娘は落ち着いて別室登校できているのだから、お母さんはもう来なくて大丈夫ですよという先生の独り合点になっていったのです。
私は、できるだけ娘の意見を聞きながら学校で当日どのように過ごしていくか一緒に決めながら1日1日を過ごしていきました。
しかし、娘が別室登校に慣れていけばいくほど、徐々に私は教室から追い出されるような先生からの圧のかかった空気になっていったのです。
そして私自身も、少しずつでも娘と離れていくことも必要なことだと思い、担当の先生の見解で事が進められていきました。
10分ずつ離れる時間を長くしていくような感じで徐々に時間を広げていきました。すると、どうなったかと思いますか?
一時は娘は私がいなくても順調に過ごせるようになっていったのですが、最終的にその別室へ登校することも拒否するようになっていきました。
今でこそ気づけるのですが、当時は娘の本当の気持ちや考えを尊重するのではなく、勝手な判断で先生や私は娘を試すかのような行動をしていたのです。
その後も母子登校スタイルを試行錯誤してきたのですが、最終的には娘と私は学校に行かないという選択をとることにしました。
そして、その後不登校生活の中で、私が居なくても放課後に自分の意思で登校をできるようになったのです。
最近の学校の取り組みを上手く活用していくことで、安心して放課後登校をできるようになりました。
そのアイテムについて、これからご紹介させていただきます。
4.ママと離れても安心!母子分離不安の子がひとりで放課後登校できるアイテムとは
放課後登校を試す前に、基本的な母子分離不安障害の子どもの対応の仕方が間違っていると先程の私の経験のように上手くいかないものです。
まずは、こちらの記事でやってはいけない対応をご紹介していますので参考にしていただけたらと思います。
このように、子どもへの対応を整えている状態になると、親子の信頼関係も築けていることと思います。
では、お待たせいたしました!私が学校と協力することで付き添いなしで娘が放課後登校できた時に使ったアイテムとは何かといいますと
Zoomです!
娘が放課後に教室へ行っている間、ずっとオンラインで自宅と教室を繋げた状態で過ごしたのです。
娘は友達と一緒に学校の教室まで行くことができ、教室へ到着すると担任の先生のパソコン画面で私が待っているのです。
母子分離不安障害の子は、母親と離れている間にお母さんがどこで何をしているのかを把握していないと不安が強まってしまいます。
ですが、母親の私がパソコン上に居ることで会話もでき、私の様子も全て見ることができるので安心して過ごすことができました。
もちろん、私にとっても娘とお友達の様子を画面上から見ることができることはとても安心できましたし、娘の状況を把握できることで多くのメリットがありました。
このように、学校へスマホを持ち込んではいけないような状況でも、子どものことを理解して協力してくださる先生は色んな案を取り入れてくださると思います。
学校でもオンライン化が進んでいる今だからこそ、活用できるアイテム!
離れていてもオンラインで繋がることができるアイテムは、母子分離不安障害の子にとって、とても心強いツールだと実感した体験でした。
もしも、我が子もそれなら大丈夫そうかも!と思われた方は先生へ提案してみてはいかがでしょうか。
上手く学校を活用させてもらうことで、自立のステップを踏んでいくこともアリかもしれませんよね。
他にも母子分離不安障害の子どもが自立していく対応を配信しています!
執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)