ダウン症キッズの育児をはじめると生まれたてのころから筋緊張が低いことに気付くと思います。体が動かしにくいと意欲の低下に繋がり、どうせだめだという諦めに繋がります。この悪影響を大人に持ち越さない心のばねの育て方をお伝えします!!
【目次】
1.ダラっとしたダウン症キッズに口うるさく注意してしまった結末
ダウン症のお子さんに
「背中しっかり伸ばして!」
「口をしっかり閉じてね」
なんて言ってしまったこと、ありませんか?
私はダウン症の息子にガミガミ言ってしまっていました。
もちろん筋緊張が低いことは知識としてありましたが、それが本人にとってどれほど大変なことなのか理解していなかったのです。
むしろ、息子は気づいていないから私がしっかり子どもを注意して悪いところは直さないとと、一層口うるさくなっていきました。
次第に、息子は自分から動く、自分からやってみることが減っていきました。
代わりに人にやってもらうことが上手になり登園バックも私に持たせ、靴も履かせてと言い、疲れたら抱っこを要求し、ますます行動が減っていきました。
私がガミガミ言ったり、無理に直そうとしたばっかりに、息子は気力を失い、人にやってもらった方が楽だと思うようになっていったんです。
2.ダウン症キッズが上手に体を使えない理由
筋力という言葉には馴染みがあると思いますが、筋力が筋肉の力のことなのに対し、筋緊張は筋肉の張りの状態のことをいいます。
私たちの筋肉は安静時でも一定の緊張(張り)を保っていて、無意識にコントロールされています。
特別に力を入れなくても真っ直ぐに姿勢を保って立っていられるのは、立位に関係する筋肉(筋力と筋緊張)のおかげです。
逆に、筋緊張が低いと何気ない姿勢保持や歩行などの運動でも過剰な努力が必要となり、とても疲れやすくなるんです。
ダウン症の子どもたちが疲れやすいのも筋緊張が低いことが関係しています。
だらけで姿勢を崩しているのではなく、低い筋緊張によってよい姿勢を長く保つことが難しいため 、ダラダラしているようにみえてしまうんですね。
健常の人の筋肉が張っているばねとすると、ダウン症のある人は緩んだばねというかんじでしょうか。
体を動かしにくいことは意欲の低下をもたらし、やってもだめだとあきらめやすくなります。
また、人との関係にも影響し、せっかくもっている“人との関係を楽しむ力”がうまく発揮できなくなります。
では、どうしたら、心も体も意欲的に動くようになるのでしょうか?
次項でお伝えしますね。
3.動くのが嫌いな子どもが体を動かしたくなる心のばねの育て方
ダウン症の息子の筋肉の緊張が緩んだばねなら、心を弾ませよう!心のばねを育てようと声かけを変えました。
体が動かしにくい、動くのが大変という本人の自分の体に対するイメージを変えるためです。
例えば、息子が体のバランスが取れずに転んでしまった時、
私は
「顔をぶつけなかったね、運動神経いいね!!」
「今の転び方、運動神経いいね!!」
「さっと、手が出たね、運動神経いいね!!」
と、いい面、できていることを見つけてあなたは運動神経がいいんだよと、繰り返し伝えました。
すると、転んでもすぐに起き上がるようになり、今では転んだあと「運動神経いいでしょ」とニコッとしてきます。
息子は自分は運動神経がいいんだと自信を持つとどんどん行動が増え、姿勢も良くなっていきました。
なにより、心がワクワク弾んでいる場面が増えたんです。
筋緊張が低いからといって体の面から根性で改善しようとしてもダウン症キッズの場合はうまくいきません。
それよりも、ママは、子どもの心のばねを弾ませる声かけをして自分の体を自分で動かす楽しさをお子さんに伝えてみてくださいね。
ダウン症キッズの子育てのヒントがたくさんあります!
執筆者:松下かよ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)