発達障害・グレーゾーンっ子がプールの授業が嫌だと感じている時にできるお家での対応

 

まもなく夏が来ますね。夏といえばプール!発達障害・グレーゾーンのお子さんで、プールの授業に憂鬱になっている子はいませんか?持っている特性から不安を抱えているのかもしれません。適切に対応して、少しでも授業に前向きになれる方法をお伝えします。
 

【目次】

 

1.プールの授業が嫌だと言われて困っていませんか?

 
 
まもなく始まるプールの授業。お子さんは楽しみにしていますか?
 
 
水着の注文書やプールの授業参加に向けた調査表のプリントを見て、憂鬱になっているお子さんもいるかもしれません。
 
 
幼稚園や保育園の頃からプール遊びが苦手だったお子さんや小学校の大きなプールに不安を感じているお子さんにとってはプールの授業は「嫌だ」という気持ちしかないと思います。
 
 
しかし、小学校では毎年夏にはプールの授業があります。それも6年間も!

「プールが嫌だから、学校に行かない!」なんて言い出したらどうしよう?と不安に思うお母さんもいらっしゃるかもしれません。

 
 
だからと言って「入ってみたら楽しいかもよ!」なんて言ってみても、お子さんの気持が簡単に変わることは難しいですよね。
 
 
 
 
「プールの授業が嫌だ!」というお子さんにとって、無理にプールに入れることはかえって逆効果になることがあります。
 
 
特に、発達障害・グレーゾ-ンの子どもは
 
・感覚過敏がある 
・不安が強い
・嫌な記憶が残りやすい 
 
といった特性によりプールに苦手意識を感じる子が多いようです。
 
 
これらの特性はもともと持っているものなので、どうにかすぐに改善できるものではありません。
 
 
ですから、間違った対応をしてしまうとますますお子さんがプールの授業に対してネガティブな印象を持ってしまいます。
 
 
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2.発達障害・グレーゾーンの子どもがプールの授業を嫌がる理由

 
 
ここでは、なぜ発達障害・グレーゾーンの子どもがプールの授業を嫌がるのかについてお子さんのタイプ別にお話しします。
 
 

◆➀感覚過敏がある子ども

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは感覚過敏という特徴を持っている場合があります。
 
 
プールの授業に関しては
 
・塩素の匂いが苦手(臭覚過敏) 
・濡れた感覚が不快、苦手(感覚・触覚過敏)
・シャワーの水が痛く感じるまたは怖い 
 
などがあげられます。
 
 
感覚が過敏な場所に水が触れてしまったために不快や苦痛を感じたり、濡れた水が冷たかったなどが考えられます。
 
 

◆➁嫌な記憶が残っている子ども

 
 
・水が怖い
 
水に対してネガティブな印象を持っていることが多く、「突然、顔に水がかかって怖かった」「水が冷たくて嫌」などと訴えてきます。水に対して嫌な思い出や経験が、水に対してネガティブな印象を持たせ、強い抵抗を示すことになります。
 
 
・鼻が痛くなる
 
鼻に水が入った時のツーンとした痛みや耳に水が入ってしまった時のボワボワとした不快感は大人でも嫌なものですね。一度そういう経験があると、嫌な記憶がなかなかぬぐえません。
 
 
このように、発達障害やグレーゾーンの子どもはネガティブな経験や体験がいつまでも記憶に残りやすいのが特徴です。

上記の他にもお子さんが嫌だったと記憶に残っていることがあるかもしれません。

 
 
 
 

◆➂不安が強い子ども

 
 
・人がたくさんいて嫌(不安、恐怖)
 
プール授業の自由時間が恐怖だったりします。子どもたちはハイテンションでとっても楽しそうですが、周りの子に気を使って遊ぶ子というのはなかなかいませんよね。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもにとっては、突然ぶつかられたり、水の中に沈みそうになってしまったり、水しぶきが顔にかかったり…みんながいつもよりも興奮していて怖いと感じる子もいます。
 
 
・先生の指示が分かりづらい(不安)
 
発達に遅れや特性があると先生が一斉に出している指示を理解しにくいという事があります。
 
 
普段の生活で先生の指示が分かりづらいと感じているお子さんにとって、プールの授業で水の中に入って指示を聞くという事はハードルが高くなります。
 
 
去年の授業で先生の指示が分かりにくかったという思いをしたお子さんにとっては、不安を感じてしまうこともあります。
 
 
このように、お子さんによって嫌だと感じることは様々です。
 
 
他にもお子さんなりの理由があるかもしれません。
 
 

 
 
まずは、お子さんの不安な気持ちに寄り添い、耳を傾けてその不安を受け止めてあげてください。
 
 
「鼻に水が入るとツーンとするよね。お母さんもアレ苦手なんだ…。」
「耳に水入るとモワモワして嫌だよね…。」 
 
 
なぜ嫌なのか?どんなところが苦手なのか?聞いてあげ、お母さんが共感することで子どもは落ち着きます。 
 
 
私も小さな頃は水が苦手で、毎年プールの授業がある日は憂鬱でした。 
 
 
 中耳炎になって見学をすることが多かったので、中学校卒業までに泳げるようにはなりませんでした。ですから、高校の志望理由は「プールの授業がないこと」でした。
 
 
うちの両親はそんな私の気持ちをちゃんと受け止め、理解してくれ、志望校にも何も口出しはしませんでした。
 
 
お母さんたちにもぜひお子さんの気持ちを受け止めてほしいと思います!
 
 
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3.お家でトライ!プールの授業に前向きになれる対応

 
 
プールの授業に何が何でも参加しなければならないかと言えば…そうではないと思います
 
 
しかし、友達が楽しそうにプールに入っているのを「いいなあ」と見ているより、本当は自分も入りたいと思う子もいるのではないでしょうか。
 
 
本当は入りたいけど、抱えている特性から一歩踏み出せないお子さんの背中を押して前向きになる方法をお伝えします。
 
 

 
 

◆➀感覚過敏のある子ども

 
 
感覚過敏のある子は、ゴーグルの締め付け感に抵抗を示すこともあるかもしれません。学校では、ゴーグル着用が必須のところもあります。
 
 
まずはゴーグルを嫌がらないかどうかも確認しなければいけません。 ゴーグルがOKであれば、ゴーグルを着用しながら、お子さんと一緒にお風呂に入って水鉄砲などで水遊びをしてみてください。
 
 

◆➁水が顔につくのが苦手な子ども

 
まずは水になれることから始めましょう。しかし、水が苦手と言っても、どんなことが苦手かは一人ひとり違います。
 
 
・顔にかかるのが嫌
・シャワーは嫌 
・顔をつけるのが怖い 
 
などが考えられます。 
 
 
それぞれの苦手にしていることを スモールステップで少しずつ進んでいきましょう。 
 
 
例えば… 
 

➀顔が濡れるのが嫌なお子さんには、濡れたタオルで顔を拭くところから始めてみる
 
➁自分で手にすくった水を顔につける 
 
➂顔に水が付くのに抵抗がなくなったら口だけ水に入れてブクブクしてみる 
このように、少しずつステップを踏んで、顔が濡れても怖くないよと遊びながら教え、水へのネガティブな印象を薄めていきます。
 
 

◆➂もぐることが怖い子ども

 
 
まずは息を止める練習です。水が嫌な理由は、鼻がツーンとするからという子も多いはず。
 
 
ここでもスモールステップです。
 
 
「鼻をつまんで息を止めてみます」(水につけずに)
 
「鼻をつままず息を止めます」(水につけずに)

「息を止め、水に顔をつけてみる」(ほんの一瞬)

 
 
スモールステップをクリアするたびに、お母さんは「やった〜!できたね!」などと褒めてあげてくださいね。
 
 
プール嫌いの克服ポイントは「スモールステップ」です。本人に無理強いすることは逆効果です。
 
 
1年生では、水を怖がらなければOK!
 
 
2年生では、3秒顔がつけられればOK!
 
 
と、お子さんのペースに合わせて、ほんの少しでも進歩がみられたら、しっかり褒めてあげてくださいね。
 
 
必ずお父さんお母さんが見守りながら練習してくださいね。(水のなかでパニックになると危険です!)
 
 

◆➃水以外に不安なことがある子ども

 
 
「 人が多くて嫌だ」「先生の指示が分かりにくい」など何に不安を感じているのか教えてくれたことをそのまま受け止めましょう。
 
 
そして、その旨を先生に伝えましょう。
気持ちを受け止めてもらえたことや先生が分かってくれたことで、不安が和らぎ挑戦してみようと思えることもあります。
 
 
また、無理に入らなくても大丈夫と先生から了承を得ることや先生の協力を得て個人的に配慮してもらいながら参加することができるかもしれません。
 
 

 
 
いかがでしたか?
 
 
それぞれのお子さんが苦手としているところに寄り添って、できるところは少しずつお家で練習してみましょう。
 
 
どうしてもできない場合もあるでしょう。
 
 
私のように泳げなくても、大人になって特に困ることはありません。無理に克服しようとしなくても大丈夫です。
 
 
子どもの「苦手や嫌なこと」に耳を傾けて、「大丈夫」というおおらかな気持ちで寄り添ってあげてくださいね。
 
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執筆者:深井淳子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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