発達障害のある引っ込み思案の子どもの中には外出することが苦手な子がいます。あまりに家で過ごしてばかりいると大丈夫かな?とママも心配になってきますよね。今回は外出不安のある子どもが自分の世界を広げて活動的になる関わり方をお伝えします。
【目次】
1.発達障害で引っ込み思案な子どもの中には外出不安のある子がいます
2.子どもが出かけたくないと思うにはそれなりの訳があるのです。
◆こだわりの強さ
◆環境の変化が不安
3.子どもの世界を広げてあげたいと思うママにおすすめの関わり方
◆外出したら楽しいことが待っているかも!と思わせる
◆先の見通しをたてる
◆小さな経験を繰り返し積む
1.発達障害で引っ込み思案な子どもの中には外出不安のある子がいます
発達障害、特に自閉症スペクトラム(ASD)の特性をもつ子どもは「おうちが大好き!」そして、「外出は苦手・・・」そんなことはありませんか?
お休みの日にお出かけしようと誘っても、「ママ1人で行ってきて~」とか、気がつくと家でゲームをしたりテレビを見てゴロゴロ過ごす時間がとっても長い!
そんな子どもの様子に心配になっているママもいらっしゃるかもしれませんね。
人と関わることが少なくて、将来引きこもりとかニートになってしまうんじゃないか?と実は私も心配していました。
と言うのも、わが家のASD傾向のある娘も引っ込み思案で外出不安があり、なかなか家からは出たがりません。
すぐ近くのコンビニですら、「ママが行ってきてよ」もしくは「やっぱり何もいらない」という様子でなかなか家から出たがりません。
何も怖いことなんてないはずなのに。
ただ出かけるだけなのに。
ただ出かけるだけなのに。
どうして、こんなに出かけるのが億劫になってしまうのでしょうか?
2.子どもが出かけたくないと思うにはそれなりの訳があるのです。
◆こだわりの強さ
いつもの自分の部屋であれば、自分の好きなものを好きな場所に配置して居心地のいい環境を作ることができます。
好きなタイミングでYouTubeを見たり、ゲームをしたりもできますね。
ですが、自分の場所にこだわりをもっていればいるほど、外での勝手が違う環境はストレスに感じてしまいます。
あえて外にでてストレスを感じるよりも、自分の好きにしていたい・・・というのは分からなくはないですが、こだわりが強い場合には、余計に出不精になりがちなのです。
◆環境の変化が不安
初めて訪れた場所や、慣れない場所では何がどこにあるか、誰でもすぐには分かりません。
周りを見回したり、聞いたりして情報を集め、意識しないでも自然と状況を判断して行動しているかと思います。
この、周りの状況を把握して判断するという処理能力が弱い発達障害の子どもにとっては、新しい場所、慣れない環境は何をどうしたらいいか分からない、とても居心地の悪い場所となります。
例えば、トイレに行きたくなったらどうしたらいいか、喉が渇いたときにはどうしたらいいか、いつもと違う環境の中で、その都度自分で判断し行動しなければいけません。
すると、焦ってしまったり、どうすればいいか分からずパニックになったりということもあるでしょう。
また、失敗したらどうしよう・・・と先に不安になってしまうこともあります。
もしも、そんなイヤな経験を積むと、慣れない場所には余計に出かけたくなくなってしまいますね。
3.子どもの世界を広げてあげたいと思うママにおすすめの関わり方
けれども、いつもと違う環境が苦手と家にばかりいては、人と関わる機会は増えませんし、社会性を身につけることも遅くなってしまいます。
ママとしては、なんとか行動力を上げたいと思いますよね。
ですが、無理矢理にも外出させるという荒療治は、NGです。
外出が好きではない引っ込み思案な子どもは、普段から行かなきゃいけない学校など、ちょっとしたお出かけだけでも一生懸命。
ですから、無理に外出を促されると余計にイヤになってしまいます。
では、どういうアプローチをしていったらよいのでしょうか?
◆外出したら楽しいことが待っているかも!と思わせる
外出をすすめるときの外せないポイントがあります。
それは、「子どもが好きなこと、興味があること」をやる。
これが1番重要です。
これが1番重要です。
例えば、
動物好きな子どもなら
「駅前の猫カフェに行こうと思うんだけど、一緒にどう?」とか
「駅前の猫カフェに行こうと思うんだけど、一緒にどう?」とか
アニメや漫画が好きな子どもなら
「○○の原画展が来てるみたい、行ってみない?」など
「○○の原画展が来てるみたい、行ってみない?」など
子どもがちょっと気になる、興味がある、行ってみたいかも!と感じるようなワクワクする提案をしてみてください。
そのときの注意点としては、「負担の少ない近場」そして「短時間」がおすすめです。
さらに、気心の知れた家族や仲のいいお友達が一緒だと楽しそう!と想像できる場合には、誰かと一緒に出かけることを提案するのもいいですね。
◆先の見通しをたてる
それでも、慣れない場所には抵抗感がある子もいるかもしれません。
ですから、外出先でどのような行動をしたらいいのか、先に見通しを立ててスケジュールを伝えておくと安心できます。
・○時になったら出発する
・遊ぶのは1時間くらい
・ランチは○○で食べる
・帰りの時刻は○時
・遊ぶのは1時間くらい
・ランチは○○で食べる
・帰りの時刻は○時
など、予定が見えていないときよりも外出することのハードルが下がってきます。
◆小さな経験を繰り返し積む
引っ込み思案の子どもにとっては、家の外に出た、ということ自体が子どもにとっては頑張った行動です。
ですから、その頑張った経験をさらに大きく自信にしていくために、子どもにとってハードルの低いちょっとした外出で「できた!頑張った!」という経験を積んでいきましょう。
例えば、
・欲しいおやつを買いに出かける
・近くに出かけておいしい物を食べる
・欲しいおやつを買いに出かける
・近くに出かけておいしい物を食べる
といった子どもの興味のある活動で、負担の少ない外出を少しずつすすめてみてください。
出かけられた時には、「疲れちゃったけど、頑張れたね」といった子どもの行動を認める声かけもしてみてくださいね。
外出が苦手な子も「出かけた」という経験が積み重なり、次の活動への自信となってきます。
いかがだったでしょう?
子どもにとって家が1番楽ちんで安全地帯、これ自体は問題ではありません。
むしろ、心の安定のためには重要です。
ですが、外出したがらない子どもも年齢を重ねてくると、気持ちのどこかで「このまま家にばかりいてはいけない、なんとかしたい」と感じています。
そんな子どもの世界を広げて行動力を身につけていくためにも、ママが少しの声掛けと背中を押すかかわりが大切となってきます。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)