自閉症の子どもに話しかけても無反応なこと、ありますよね。実はそんな自閉っ子も、声かけの仕方一つで、振り向き、行動に移せる方法があります。声をかけても反応してくれないお子さんの言葉の理解を補って動くきっかけとなる方法、ご紹介します。
【目次】
1.自閉っ子に呼びかけても無反応なのはどうして?
2.私の娘も声かけに反応してくれず、いつも困っていました
3.自閉症の子の言葉の理解を補って反応しやすくなる2つの声かけポイント
◆Point.1)目の前にいく
◆Point.2)短い言葉で話す
1.自閉っ子に呼びかけても無反応なのはどうして?
自閉症の子どもの特性として、呼びかけても無反応、目が合わないなどがあります。
特に好きな遊びに没頭していると、いくら声をかけても無視される!なんていうこともありますよね。
この状態は、お子さんが“自分に向かって話しかけられている”ということに気付けていないために起こるものです。
言葉の理解やコミュニケーションの成長がゆっくりな子ほど、こういった症状が現れやすくなります。
「そんな時どんな声かけをしたら良いでしょうか?」、というお悩み相談を受けることがあります。
人の声の重要性に気付けていないからこそ、声に注意を向けることができないのですね。
特に自閉っ子たちは目で見た情報処理が得意な子が多く、“テレビを見ている”など、目で見た情報を優先して脳内で処理しています。
ですので、「着替えるよ」と背中に向かって出したママの声はほとんど脳内で処理されないため、無反応となりスルーされてしまうんです。
2.私の娘も声かけに反応してくれず、いつも困っていました
私の娘は、自閉症スペクトラム障害で特別支援学級の4年生です。
3歳で自閉症の診断。知的障害もあります。言葉の理解がとてもゆっくりでした。
就学前までは、私の言っていることにも反応もなく…。
「靴履くよ」
「着替えるよ
など、短い言葉で分かり易く言っても振り向かないことも多々あって、困っていました。

私自身が大変だったことはもちろん、娘の人生をより良くしたいと思い、対応についてたくさん調べて試行錯誤してきました。
そんな中、出会ったのが発達科学コミュニケーション。
娘のため、娘の成長に必要なこと、大切なことを学び、それを実践する日々。
学びながらも工夫し、実践したことを記録し、研究を深めていきました。
3.自閉症の子の言葉の理解を補って反応しやすくなる2つの声かけポイント
なかなか反応してくれない自閉症の子が、パッと動く2つのポイントと対応についてご紹介します。
◆Point.1)目の前にいく
時間がなくて急いでいるママがやってしてしまいがちなのが、背後から肩を叩いたり、揺すったりすること。
これはパニックにつながることがあるので避けましょう。聞く耳を持てなくなってしまいます。
まず大事なのが、子どもの目の前に行って、話し始めることです。
目で見た情報を処理することが得意だからこそ、ママが子どもの視界に入ることで、「あれ?ママが何か言ってる!」と気づき、聞く耳を持ってくれます。
聞く耳を持つ。聞こうとしているから言葉の理解ができるんですね!
お母さんが視界に入っても、声掛けだけでは動けない場合、こちらを見ない場合もあります。
そのときは、靴、お洋服、スプーンなど実際の行動に関連する具体物を見せながら「〇〇するよ」と声をかけてみてください!
ママが笑顔で「やるよ~♪」と楽しそうな雰囲気で声をかけるのがポイントです!
ママの笑顔が視覚刺激になりますので、安心しますし、やってみようかなという気持ちを起こすきっかけとなります。
◆Point.2)短い言葉で話す
指示の声かけは短くシンプルに、が鉄則です。
「着るよ」「履くよ」と1語文で話しかけるか、「シャツ着るよ」「靴履くよ」と二語文で話しかけ、長くならないように気をつけます。
私は
靴を見せながら「靴履くよ」
服を見せながら「着替えるよ」
と、実物を見せながら話すことから始めました。
すると、「ああそれね」と言わんばかりに遊んでいたおもちゃをパッと手放し、靴を履こうと玄関に移動するようになったのです!
これを機会に、私は遊びに夢中な娘に何かをして欲しい時はいつも、実物を見せて声を掛けることで乗り越えてきました。

聞く力は特に幼児期に育てておきたいチカラ。なぜなら、学校に行くと、耳で聞いて動かないといけないことがたくさんあるからです。
2つの声かけポイントを使い続けて、言葉の理解を促しお子さんに聞く力をプレゼントしてあげてくださいね。
呼びかけても無反応だった自閉っ子が、ママの声かけに反応して振り向く。
そんなお子さんの成長を楽しんで見守ってあげてください。
参考にしていただけましたら幸いです。
自閉症キッズの子育てを楽しむヒントを多数お届けしています!
執筆者:今川ホルン
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)