小学生の子どもにイライラが止まらない時は、いっそしゃべらなくてOK!イライラと叱りすぎは、子どもの発達に影響するからです。発達障害の息子にイライラが止まらず、子育てに疲れた私を変えた「しゃべらなくても子どもが育つ」子育て術をご紹介します。
【目次】
1.小学生の子どもにイライラが止まらない!発達障害の息子を叱りすぎた過去
2.子どもの発達のためにイライラ・叱りすぎを封印したいワケ
◆脳にダメージを及ぼす
◆ネガティブな記憶が強い
◆脳の発達を妨げる
3.小学生の子育てに疲れたら、「しゃべらない子育て」!
①口角を上げる
②非言語コミュニケーション
③スキンシップ
1.小学生の子どもにイライラが止まらない!発達障害の息子を叱りすぎた過去
発達障害があってもなくても、
何度言っても言うことを聞けない、気が散りやすい、朝の支度があまりに遅い。
こんな風にママの常識から大きく外れたしつけの効かない小学生の子どもに、
どうしてできないの?
なんで今なの?
どうしてやらないの?
と、イライラが抑えきれずに困っていませんか?
私も、自閉症スペクトラムの息子に対して、イライラすることは数えきれないぐらいたくさんありました。
(着替えてほしいのに)どうして着替えないの?
(急いでいるのに)どうしてここで立ち止まるの?
(車が来ているのに)どうして手をつないでくれないの?
元々短気な私は、普通なら○○するのに…と、5分に1回はイライラしていたかもしれないぐらいのイライラ母さんでした。
イライラした感情は子どもに向かいます。
子どもを厳しく叱ったり、怒鳴りたくなったり、手を出したくなったりすることはよくありました。
発達障害の子どもを育てているお母さんは、子どもの行動にイライラしながらも、それをぶつけないように必死にコントロールしている方が多いのではないでしょうか?
・叱りたくて叱っているわけではない
・やらかす子どもを見ていると、イライラが止まらない
・イライラしているのに、吐き出す場所がない
私はイライラを何とか自分の中に抑え込んで処理しなければいけなかったことに一番苦労していました。
どうしてイライラを抑え込まなければいけないのか?というと、読み漁った書籍には「子どもを叱ってはダメ!たくさんほめて!」と必ず書かれていたからです。
叱らないで子育てができれば理想的です。
でも、子育てに毎日イライラしている母親にとっては、「わかっているけどできない」と感じてしまうのではないでしょうか?
どうしていいかわからない。子育てに疲れた…。
そんな気持ちになってしまうのも仕方がなかったと思います。
2.子どもの発達のためにイライラ・叱りすぎを封印したいワケ
そもそも、どうして叱ってはダメなのか、理由をご存じでしょうか?
◆①脳にダメージを及ぼす
子どもを叱りすぎると脳に影響があることは、一般的に知られるようになってきました。
特に、言語や視覚・聴覚に関係のある脳部位にダメージを受けやすく、子どもを叱責しすぎることでコミュニケーション能力などに影響を及ぼすことは知っておきたいですね。
◆②ネガティブな記憶が強い
中でも発達特性がある子どもを、「叱ってはダメ!たくさんほめて!」という一文は間違いではありません。
発達特性を持つ子はネガティブな記憶をインプットしやすい特性があります。もともとこのネガティブな記憶は動物の本能である「危険回避」に基づいています。
この川でワニに襲われた!
この草は毒がある!
食べたら死ぬ!
こういった情報は、絶対に記憶しておかないと命にかかわります。
だからこそ、ネガティブな情報ほど忘れないようにしっかりインプットする必要があるんです。
赤ちゃんは言葉を話さず、泣くことだけで意思表示できますよね。発達段階の子どもたちは大人よりも動物に近い存在です。
だからこそ、ネガティブな記憶は強烈に記憶されることもあるんです。
今子育てしているお母さんには、絶対に知ってほしいこと。
それはお母さんがイライラして叱ったり小言を言ったりした記憶が、発達特性のある子にとっては「命にかかわるレベル」ぐらい大きなこととしてインプットされているかもしれないということです。
まさか子どもがそこまで深刻にとらえているとは思っていなかった…というお母さんも多いのではないでしょうか。
◆③脳の発達を妨げる
もしお母さんがことあるごとに叱り続けたとしたらどうなるでしょうか?
あれもダメこれもダメ…と、子どもは「してはならないこと」で記憶が埋め尽くされ、どうしていいのか分からなくなってしまいます。
発達特性の有無に関わらず、怒られないよう大人の顔色をうかがったり、失敗を恐れて初めてのことにチャレンジできなくなったりするのはこのためです。
脳の発達に必要なのは「経験」です。新しい体験をすればその分脳は発達していきます。その体験は「行動する」ことで獲得できます。
どうしたらいいのか分からなくなってしまった子が、新しい体験に出会えるか?答えはNOですよね。すると、自分で考えて行動する力が育ちません。
子どもの発達を加速させるためには、新しい体験をするためにどんどん行動することが必須になります。
だからこそ、お母さんが感情的に叱ることで子どもが自信を失くすのは避けてほしいんです。
お母さんがイライラすることを封印してほしいワケはここにあります。
3.小学生の子育てに疲れたら、「しゃべらない子育て」!
イライラを封印してほしい、とお伝えしました。
お母さんの中には「そんなこと言われてもイライラする時はどうしようもないでしょ!」と思われる方も多いかもしれません。
実際はその通り!イライラは感情です。湧き上がってくる感情を消し去ることはできません。
イライラするのは仕方ない、と割り切ってOKです。
だけど、子どもにイライラが伝わってしまうのは卒業しましょう!
そこでオススメしたいのが「しゃべらない」子育て術です。その方法をご紹介しますね。
◆①口角を上げる
イライラで気を付けたいのは、言葉に出さなくてもイライラしていることが雰囲気で伝わってしまうこと。
ただ叱らなければいいというものでもないですよね。
ここがポイント!反対に雰囲気さえ穏やかならイライラは伝わりにくいといえます。
お母さんの笑顔でその雰囲気を作れちゃいます! 口角を上げて歯を見せていれば、雰囲気が穏やかになります。
表情筋のトレーニングだと思って頑張ってみてください。
◆②非言語コミュニケーション
私は、口を開けば文句のオンパレードになりそうな日は、ほぼしゃべらずに乗り切っています。
息子が何か話しかけてきたら大きくうなづいたり、ハンドサインやジェスチャーで乗り切ります。
いいことをしたときは、グッジョブサインやOKサイン、拍手。
やめてほしいことをしたときは、首を振る、×サイン。
やってほしいことは、指差しや動作。
しゃべらなくても意外と伝わるものです。
そして、子どもに気持ちが伝わることで私自身もイライラが落ち着いて冷静になれるのです!
私がしゃべらないからと言って、息子の発達によくない影響があるとは思いません。
あらかじめ「お母さん、今日は頭が痛くて話せないの…ごめんね。」と言っておけば、「じゃあ○○してあげる!」と率先してお手伝いしてくれることが多いです。
また、しゃべらないことで、息子は私の意志を読み取ろうと私の表情やジェスチャーを注意深く見てくれます。
これが、人の気持ちを読み取るのが苦手なASDの子どもにとって自然に非言語コミュニケーションのトレーニングになっていると感じます。
コミュニケーションの基本は会話のキャッチボールだと思いますが、たまにはしゃべらない日があっても大丈夫だと自信を持って言えます!
◆③スキンシップ
しゃべらない分、スキンシップを多めにとることを意識します。
スキンシップをすると愛情ホルモン「オキシトシン」が分泌されて幸福感が高まり、不安やストレスが軽減されます。
しゃべらなくても、視覚や触覚で子どもに愛情と安心感をしっかり届けましょう!
絶対に避けたいのは、「今日、お母さんなんかイライラしてるな…」と子どもがビクビク過ごすこと。
子育てに疲れてイライラしても、イライラを気づかせないワザをぜひ身に着けてくださいね。
他にもイライラを乗り切る方法はたくさんあります。
ADHDタイプの子どもの行動にイライラ!した時に乗り切る方法はこちら
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発達障害の子どもにイライラ!したときの対処法はこちら
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併せてお読みいただき、ご自身にピッタリな方法を見つけてくださいね。
しつけが効きにくい小学生にイライラしない方法が分かります!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)