薬剤師×パステルっ子ママが語る!脳を安全に発達させる言葉のサプリメントとは?

発達障害があるお子さんへの薬に関する不安や悩みを持つママもいるのではないでしょうか? 現役の薬剤師でもある発コミュトレーナーの堀井さんは、予防医学は子育てにも当てはまると言います。それは一体どういうことなのか、具体的なお話を聞いてきました。
 

【目次】

 

1.発達に悩みを抱える親子における予防とは?

 
 
発達障害…特に注意欠如多動性障害(ADHD)傾向があるお子さんを持つお母さんであれば薬を勧められて服用させたり、検討中で悩まれている方もいるのではないでしょうか?
 
 
”いつまで飲ませてたらいいの?”
”うちの子にも投薬って必要なの?”
 
それを考えるのに専門性も必要ですし、不安が尽きないテーマです。
 
 
今回は薬剤師でありながら、発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)をはじめてたった3ヶ月でご自身の息子さんの激しい癇癪を落ち着かせた経験を持つ発コミュトレーナーの堀井則子さんにお話を伺いました。
 
 
薬のスペシャリストの堀井さんですが、パステルっ子の息子さんが大きく変化したのは薬よりもコミュニケーションの力だったと言います。
 
 
子育てにも「予防」の考え方や「こんな可能性があるんだ」と希望が見えるお話を沢山聞くことができました。
 
 
今回はその1回目のインタビューです。
 
 

2.子育ても対処療法より予防マインドで!

 
 

ーーーーーーまずは自己紹介からお願いします

 
 
「 予防の言葉が子どもの自信をつくる!キレる・落ち着きのない子の困りごとを叱らずに予防する言葉のサプリメント・薬剤師であり発達科学コミュニケーショントレーナーの堀井則子です。
 
すぐカッとなって癇癪や暴言を繰り返す負けず嫌いで反抗してくる落ち着きがなくてソワソワ…こんなお子さんにママもイライラ。叱ってしまって辛い!と悩んでいませんか?
 
こんな困りごとをママの言葉と対応を変えるだけでお子さんはたった3ヶ月で驚くほど素直になることができます
 
言葉は心の栄養です。ママの毎日の言葉一言一言が子どもたちの脳と心を作ります。
 
今は予防医学の時代。病気や歯、美容に至るまで一度トラブルが起きてしまってからの対応では時間がかかったり、完全に治すことが難しい場合があります。
 
そしてそれは子育ての場合も同じで、大人になって社会に出てトラブルになってからでは遅いんです。
 
なぜなら、今この時も子ども達の脳は成長・発達し続けているからです。
 
今はたくさんの効果のあるお薬も出ていますが、発達に関するお薬はすべて対処療法にしかなりませんし、発達を促す薬っていうのも存在しません。
 
しかし、子ども時代の今の間であれば、薬ではなくママの毎日のコミュニケーション。『言葉のサプリメント』で脳を無害で安全に発達させることができるんです。」
 
 
 
 

ーーーーーー予防するという考え方はやはり薬剤師さんだからこそ重要性を実感しているところですか?詳しく教えてください!

 
 
「発コミュに出会うまでは、その病気の予防っていうことはすごく概念としてはあったんです。
 
けれども、自分自身も子育ての中で予防していくことは、そこまで思いつかなかったんです。
 
けれども発コミュで色々学んでいき、特にカッとなりやすくて衝動性があったりとか不注意がある子、いわゆるADHDグレータイプ。
 
それにすら気付かれないようなお子さんは、なかなか自己肯定感が得られず、支援も受けられず、どんどん叱られるだけで終わってしまう。
 
自己肯定感がつかなくて自信をなくしていくのを防ぐには”予防”がすごく大事だと感じています」
 
 

ーーーこの悪循環を止めるためには、どうすればいいですか?

 
 
「なかなか一回では終わらないと思うので、常に子育ての上で予防していくのがやっぱり大事かなと思ってます。
 
また叱られたり怒られたりすることで脳を傷つけるということにつながります。
 
すると成長を妨げてしまうので、日々の予防・小さな予防を積み重ねることで、大人になった時、社会に出た時に繋がるのかなって思っています。
 
パステルっ子は、ネガティブな記憶を溜めやすいっていうところがありますが、それをいかに溜めないかっていうところもポイントだと思っています。
 
ネガティブな記憶とか、怒りっぽい子の攻撃性っていうのは、ストレス因子になるので、脳とか心、体さえも、疲れさせてしまうと思うんですよね。
 
カッとなりやすい、衝動性のある子こそが、脳の考えるための前頭前野を成長させて欲しいと思っています。
 
そのために原始的な部分の大脳辺縁系をいかに落ち着いていられる状態にするか。
 
子ども自身が心地いい状態を認識して持っていけるように、いかに周りとかママがサポートしていくことが大事だなと考えています
 
 

3.毎日の行動のひとつひとつが全部予防につながる

 
 
前章で予防することが大事であると教えてくれた堀井さん。
 
 
そして、誰しもがお子さんに難題が起こる前に対処したいと皆さん当たり前に思うのではないでしょうか?
 
 
衝動性が強い子は予防しようと思っても、すでに事が起こってしまってるって言うことがとても多く、お母さん自身も、「また、やっちゃった…」と自信なくしてしまいがちなところだと思います。
 
 
風邪を引かないようにしたいから、手洗い・うがいを頑張るといったように、発達に困りごとを持つお子さんの具体的な”予防策”はあるのか?
 
 
さらに深掘りして聞いてみました。
 
 

ーーー見張ってるけど止められないような本当に衝動性が強いタイプの子は、どうやったら予防できると思いますか?

 
 
「うちの子が見てて本当にそうだったので、もうぱっと怒ってしまったりとか、行動してから言ってては遅いですよね。
 
 もう本人自身も止められなかったりとかするので。
 
 だからこそ普段の関わりで褒める・肯定することをしていくと、出来るようになってくるんですよ。
 
それはすごく我が子で感じたので、日常的に肯定していく褒めでその行動を定着させていくのが、予防につながるってところですね。
 
 予防するために何かを新しくするというよりも、日々の日常的なお母さんの関わりですね。
 
 肯定的な関わりが、予防にそのまま繋がってると考えています」
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
どうしても「その行動が起こらないように…」みたいな良くない行動だけに目を向けて、それを解決しよう、どうやって解決しようって思いがちですよね。
 
 
しかし、大事なのは”困ってる部分にフォーカスするんじゃなくて、できてる時に注目する”
 
 
困りごとが起きてない他の時間を使って、褒めの力で脳を伸ばし予防にしていく。
 
 
そこの時間で脳が伸びるからちょっとずつ衝動性が治まっていくっていうことです。
 
 
1日にしてならずなので、地道な作業にはなると思います。
 
 
しかし、本来の予防・発達で言う予防としてはそれが1番の近道だと言うことを感じました。
 
 

4.行動面の困りごとが大きい子が持つポテンシャル

 
 
ADHD傾向がある子の子育てをしていると、お友達に手を出したり、カッとなって周りに迷惑かけてしまう、飛び出して命の危険があるなどで気を張る日々…。
 
 
気づけばぐったりと疲れてしまってるママも多いのではないでしょうか?
 
 
同じADHD傾向のお子さんを持つ堀井さんは、発コミュ式での関わりで激しい癇癪という困りごとがなくなっただけではなく、さらに嬉しい効果があったそうです。
 
 

ーーー衝動性による困りごとが収まっていくために必要なことについて教えてください!

 
 
「そうですね。考えられないからパッと行動しちゃうところがあると思います。
 
ですから、いかに落ち着いてる時にそこを発達させるか。
 
衝動性でワー!となってる時は今考えなさい!』って言ったって考えられないと思います。
 
いかにリラックスして落ち着いて気分がいい時に、考える思考の回路を発達させるかが、予防にも繋がりますよ
 
 

ーーー今、子育てに悩んでるお母さんは全部逆の事やっちゃってると思います。

 
 
「うちも前はそうだったから良く分かりますよ!
 
困りごとが起きないようにめっちゃ監視してました。
 
”起きないように、起きないように、起きないように”…って。
 
で、起きたら先回りして監視して止めて、それでもうまくいかなかったら落ち込んで子どもを怒って…
 
『ちょっと考えて行動しなさいよ!』ってワー!っと言っている最中に言っちゃう。
 
お母さん自身も、カー!っとなってるとそこまで考えられないと思うんです。
 
だからこそ大事なのは、やっぱり本当に落ち着いてる時に、いい時に目を向ける
 
その目を持たないと、予防っていう根本的なところ、本質的な考え方が最終的によく分からないままになってしまうかもしれないですね」
 
 

ーーー話は変わりますが、グレーゾーンも含めてADHDの子どもたちのすごいところってなんでしょうか?

 
 
「行動面の困りごとが大きい子ってママはすごく辛いけど、怒りのエネルギーとかネガティブなエネルギーがそっくりそのまま発達にシフトできるんです。
 
そう考えたら、本当に成長度合いは大きいです!
 
だからすごく見てて面白いと思います。お子さんの変わりっぷりがやっぱり大きいので。
 
なんで今までこれを教えてくれなかったんだーって本当、なりました。
 
『うちの子、すごい!』って絶対思えると思います!」
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
行動面での困りごとが大きい子は行動するっていうベースはもう充分すぎるほど育ってるようなタイプとも言えます。
 
 
それをどういう方向性に持っていくのかがポイントとなります。
 
 
その困りごとがなくなるだけでも全然違う上に、その困りごとで使ってた大変なエネルギーが今度は発達に使われてバーンって伸びていくのです。
 
 
ママは本当に大変だと思いますが、このエネルギーの高さがそのまま成長になると希望を持って対応して欲しいです。
 
 
次回の記事では、そんな行動面での困りごとが大きかった堀井さんご自身の子育てについてお伝えします。
 
 
 
 
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執筆者:すぎたなお
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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