アスペルガー傾向のお子さんにとって、年長児の2学期は試練のとき。なぜなら就学準備への意識づけが始まったことで、園でのルーティンの変化がある時期だから。この変化を乗り切るために、おうちではこだわりを共有する付き合い方で対応をしていきましょう。
【目次】
1.ルーティーンを崩したくない、アスペルガータイプの幼児
2.アスペルガータイプの年長さんにとって2学期以降は荒れやすい時期
3.MYルールをOURルール化!おうちで思いやこだわりを共有してストレスケアを
1.ルーティーンを崩したくない、アスペルガータイプの幼児
自閉症スペクトラム(ASD)の中でもアスペルガー傾向のお子さんの中には、日常の細かい部分をルーティン化して身につけていることがあります。
例えば、朝起きてからの動き。
決まっていることを、決まっている順番でやることで身につけてきた場合は、その流れで進めることが鉄則です。
そのため、そこを崩さないように徹底されているママも多いでしょう。
幼稚園でも、通ってきたこれまでの年月の間に、しっかりとルーティン化することでこなしてきたことも多いはずですから、登園してからの動きは変わらないことが望ましいです。
ところが、行事の多い2学期にはそれが崩れがちになります。
運動会に向けた一連の活動の中で、ストレスを抱えた子どもも多いでしょうし、劇遊びの発表会などの行事が近づくと朝イチでホールに集合…なんていうイレギュラーなことまで。
その上、年長さんは、2学期終盤以降に就学に向けた動きが加わってくるのです。
2.アスペルガータイプの年長さんにとって2学期以降は荒れやすい時期
10月〜11月には各学校で就学前健診が行われていることと思います。
お母さんたちも子どもたちも、小学校入学を急激に意識するようになりますね。
幼稚園でも、その方法は園によって大きく異なりますが、就学を意識し活動に取り入れられることが増えてきます。
実際に私が勤めていた公立幼稚園でも、年長の秋頃からは、「学校ごっこ」などと称して集まって出席確認をしたり、学級の活動を取り入れたりすることを増やすことがありました。
そんな風に生活が変わると、アスペルガー傾向の子どもは、見た目には落ち着いて流れに沿って動いているように見えても、少しずつストレスを蓄積していることがあります。
突然の行きしぶりが始まったり、おうちで癇癪になったりすることもあります。
あからさまに就学準備をしているわけではなくても、目に見えない形で準備が始まっていきますから、ストレスが蓄積する可能性は十分にあります。
こだわりのある子だな、変化に弱いかも…と我が子を認識している場合は、注意が必要です。
3.MYルールをOURルール化!おうちで思いやこだわりを共有してストレスケアを
では、就学準備を意識し始めるこの時期の、急激な変化をどのようにして乗り切っていけばいいのでしょうか。
園の先生へ子どもの状況を知らせ、配慮してもらうことも大切なことではありますが、園では必ずしも自分のルールに従って周りが動いてくれるというわけではありませんから、周りに合わせることも必要になってきます。
だからこそ、おうちでしっかり対応して、ストレスケアをしてあげて欲しいのです。
おうちでは意識的に我が子のMYルールにママが乗っかってあげてみてください。
お子さんのルールにママも沿ってあげることで、お子さんのことを肯定しているサインを送るのです。
具体的には、例えば、朝の支度の順番をママも同じ順番にして、その一つ一つを進めながら「同じだね」と声をかける。
お風呂で身体を洗う順番を言語化してあげて、ママもその通りにする。
その繰り返しです。
それまではその子だけのMYルールだったのが、共有することで親子のOURルールになります。
そして、もし幼稚園の担任の先生との関係が良好なのであれば、学級でも取り入れてもらえると周囲が認めてくれているという肯定の気持ちが伝わりますね。
身近な親しい人とのルールの共有を通して、楽しくルーティン化したり人との関わり方、付き合い方を学んでいくチャンスにしてみましょう。
変化の激しいこの就学準備の時期のストレスを、おうちでしっかりケアしてあげてくださいね。
▼環境変化による子どものストレスが心配…そんなママへ。
不安で荒れやすい子に立ち直るチカラを授ける方法をこちらの無料書籍でお伝えしています。▼
▼集団生活がストレス!という子どもを褒めて伸ばせるママになる!動画で学べるヒーローズダイアリー▼
アスペルガータイプのお子さんを伸ばす声掛けや対応をご紹介しています!
執筆者:はらしおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)