来年度に小学生になる子どもの中には、学童に通う予定にしているご家庭もあると思います。発達障害・グレーゾーンの子どもが学童を「安全な居場所として」楽しく過ごすために、大切なポイントを押さえておきましょう! |
【目次】
1.学童ってどんな場所?それは「第2の○○○」なんです。
2.発達障害・グレーゾーンの子どもが学童での生活で重視すべきこと
3.「学童だけは行く!」学童で4年間過ごした我が家の体験
4.学童でのパニックを防ぐ!ここでも活躍のコミュニケーションブック
1.学童ってどんな場所?それは「第2の○○○」なんです。
共働きのお母さんの中には、就学予定のお子さんを学童保育に通わせる予定の方もいらっしゃるでしょう。
お子さんが学童でトラブルなく過ごせるかな、集団生活に慣れるかな…など、気になることはたくさんありますよね?
まず、学童保育がどんな場所かを確認してみましょう。
民間の学童保育は、施設によって設備やプログラムが違いますので、ここでは公営の学童保育(学童)について説明します。
学童保育とは、保護者の方が仕事などで昼間家庭にいない小学生のための「遊びと生活の場」つまり「第2のおうち」。学校での1日が終わり、下校して学童に行くときは「ただいま!」と言うのです。
学童に行くと、おやつを食べて宿題に取り組み、遊んで過ごしながら帰り支度をしてお迎えを待つ、といった流れで過ごします。
しかし、学童によっては100人近く在籍していて、教室も複数に分かれているところがあります。狭い教室に、多くの子どもたちが過ごしている場合もあります。
さわがしい環境が苦手で、疲れやすい発達障害・グレーゾーンの子どもにとっては、パニックになりやすい環境といえます。
まずは、お子さんが通う予定の学童に問い合わせ、見学して学童の様子を確認してみてください。学童の環境をお子さんの特性と照らし合わせると、必要な対応が見つけやすくなりますよ。
2. 発達障害・グレーゾーンの子どもが学童での生活で重視すべきこと
発達障害・グレーゾーンの子どもの学童生活で意識すべきポイントは、ただ1つです。
それは、子どもにとって学童が「安全な居場所」であることです。
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、学校生活で授業を受けたり、決められたルールを守って行動したりするなど、脳みそフル回転で頑張っています。学校での1日が終わるときにはヘトヘトでお疲れモード。
そこで学童で過ごす時は、第2のおうちとして楽しく安全に過ごせる場所であることが重要なのです。
学童では、子どもたちが楽しく過ごせるためのイベントや工夫が盛りだくさん!指導員も、子ども一人ひとりの特性や、習い事などの予定に合わせて対応しています。
学童に入る前には、指導員と新一年生の保護者とでヒアリングがあります。この時に、子どもの特性や習いごとの有無などを確認して情報共有をします。
学童でも、学校同様に保護者と指導員間でやりとりする連絡帳があります。気になる点があれば相談できますよ。
3.「学童だけは行く!」学童で4年間過ごした我が家の体験
ここで、息子を公営の学童保育に4年間通わせた、我が家のケースを紹介します。
息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのグレーゾーン。良く言えばムードメーカー、悪く言えばやんちゃが過ぎる子でした。学童の施設は小学校の敷地内にあり、学校生活が終わると自分で学童まで行きます。
学童では、好きなように本を読んだり、遊具で遊んだり、たまに宿題したり、レゴで遊ぶなど、思いっきり遊んで楽しくすごしていました。多少のトラブルはありましたが、学童へお迎えに行った時は、いつも楽しそうな笑顔でした。
学童のイベントも大好き!運動会のような体を動かすイベントは特に好きでした。私も、保護者としてイベントの手伝いをしながら、子どもを見守っていました。
ところが4年生のとき、学校でも家でも叱られすぎて、溜まった不満やストレスが爆発!登校をしぶりだし、ついには学校に行けなくなってしまったのです。
声をかけても「学校は嫌!絶対行かない!」と言っていた息子。しかし「学童だけは行く!」と頑なに言っていたので、学童だけでも通えるように指導員にかけあい、一定期間を学童のみで過ごしました。
当時の息子にとっては、学童が1番の「自分の居場所」だったのです。ピンチな状況でしたが、学童で過ごした時間が、ポジティブな思い出でいっぱいだのかと感動しました。
息子が学童が大好きだったのは、一緒に遊んでくれる上級生、「レゴ教えてー!」と駆け寄ってくる下級生、息子の良いところをたくさん見つけて褒めてくれた指導員がいたからです。
学童のみで過ごした2週間。学童の指導員との連携のおかげで、息子のストレスも和らいで登校しぶりも徐々に解消しました。その後は学童最後の日まで、無事に過ごすことができたのです。
4.学童でのパニックを防ぐ!ここでも大活躍のコミュニケーションブック
子どもにとって学童を「安全な居場所」として過ごすには、やはり学童の指導員とのコミュニケーションが重要です。
そのために1つだけ、知っておいてほしいことがあります。
学童にいる指導員は、有資格の方が1〜2人、その他はアルバイトの方です。アルバイトは入れ替わりが度々あるので、子どもの特性に合わせた対応が難しい場合があります。
そこで、指導員と確実に連携を取れるようにして、トラブルを未然に防ぐ。あるいはトラブルが起きても早期に解決するために欠かせないのがコミュニケーションブックです!
指導員やアルバイトの方が入れ替わったり、連絡帳や口頭で伝えにくい状況でも、コミュニケーションブックがあれば、指導員の間で情報を共有しやすくなります。
指導員によって接し方が違うことで、パニックを起こしやすい子もいます。パニックを防ぐ意味でも、指導員の間で対応を統一できるコミュニケーションブックは有効です。
大きな声や、狭い場所で落ち着けない場合の対応方法など、困りごとがあったときの対応の仕方が書かれてると、伝わりやすいです。
実際にコミュニケーションブックを指導員に手渡したとき、「こういうのがあると助かります!」と言われたのが印象的でした。特性のある子どもへの対応の仕方が分かりやすくなったと、のことです。
また、学童の行事の中には、保護者が準備や運営に関わる場合もあります。可能であれば参加して、指導員や他の保護者と話しやすい環境を作っておくと良いですよ!
学童からおうちへ帰るときは、学校や学童でのトラブルを家まで持ち込まず、子どももお母さんも心穏やかに過ごすこと。
子どもを学童に行かせるなら、1つでも多く「安全な居場所」を増やしてあげたいですね。
執筆者:渡辺みゆき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)