小学校に入ってから、次の日の支度や持ち物の準備ができない子どもに困っていませんか?準備とひと言で言ってもやることはたくさん!発達でこぼこキッズにとっては、とても難しい作業です。学校準備が習慣化するまでの対応をわが家の例を参考にお伝えします。
【目次】
1.学校の準備ができない子どもの成長を諦めなくて大丈夫!
2.支度ができない理由は脳の特性にあります
3.小学校の持ち物準備が習慣化する方法
◆初めの一歩のサポート
◆一緒に準備
◆ご褒美
4.時間の余裕が心の余裕に!やりたかったことを始めました
1.学校の準備ができない子どもの成長を諦めなくて大丈夫!
何度も注意して言っているのに、明日の持ち物など、学校の準備や支度ができない子に悩んでいませんか?
この子はもうこのまま支度ができない大人になってしまうんじゃないか。そんな風にお子さんの成長を諦めかけている全国のママパパにお伝えしたいことがあります。
それは、子どもの成長を諦めなくって大丈夫だということ。
発達を学んでいくことでお支度が難しい理由が分かると、その子その子に合った「できるようになる作戦」を考えられるようになります!
実は私も、うちの子はできないだろうな…と思い込んでいた一人でした。その理由は、幼稚園の頃の息子の様子にありました。
・帰ってきたら手を洗う
・トイレのあとはズボンをはく
・ご飯のあとははみがきをする
など、一般的にできるようになると言われている年齢のときに、そういった基本的な生活習慣が身に付かずにいたのです。
それも、何度も言い聞かせているのに、です。
周りの子を見ていたら、自然とできるようになっていたり、ママが声をかければサッと動く。息子とのギャップを目にするたびに「なんでうちの子はできないんだろう」と何度も悲しい気持ちになっていました。
息子が幼稚園時代に発達科学コミュニケーションに出会い、発達のことを学んでいく中で、息子の行動のナゾが理解できるようになりました。
お支度は息子にとって高度なこと、息子に合った声かけをすることで動けるようになることを実感しました。
そこで小学校に上がってから作戦を練って取り組んでいくと、なんと一人で準備ができるようになったのです!
お支度が難しい子にはもしかしたらできない理由があるのかもしれません。ですが、できるようになる方法もあります。
そこで、この記事ではそのワケと対応についてお伝えします。
2.支度ができない理由は脳の特性にあります
学校の支度や持ち物の準備が難しく感じるタイプの子がいます。
具体的には、行動のエンジンがかかりにくい子、不注意の特性を持っている子、ワーキングメモリの働きに苦手さがある子、行動が記憶に定着しにくい子です。
そのようなタイプの子は、
準備を始めることができない
準備の途中で気が散ってしまう
持ち物リストの中身を見落とす
作業の途中に何をするのか忘れてしまう
何度やっても覚えられない
このような脳の特性を持っています。
主に発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)の特性傾向を持つ子に多くみられます。
さらに、お支度とひと言で言ってもその行動を細かく分解すると
・ランドセルをあける
・連絡帳を出す
・連絡帳の内容を確認する
・確認しながら(覚えながら)持ち物を探す
・持ち物をランドセルに入れる…
など、書き出すと実はこんなにも作業があるのです。
こういった作業には、ものごとを始めるスイッチと、最後までものごとを遂行する力が必要になりますが、脳の特性によっては難しいこともあるのです。
このように、作業の多さと脳の特性で、持ち物準備や支度は子どもにとって実はとても高度なことなのかもしれません。
3.小学校の持ち物準備が習慣化する方法
わが家では、息子が自分で持ち物の準備が定着するまでには相当の労力と時間がかかるだろう、と想定していたため、しっかり戦略を練って対応をしていました。
具体的にやったことは3つ。
◆初めの一歩のサポート
◆一緒に準備
◆ご褒美(褒める)
ひとつずつ説明していきますね。
◆初めの一歩のサポート
行動のし始めは脳に負荷がかかるので、初めの一歩は私が手伝いました。
ですので、ランドセルをあけるのは母の役目!
息子が手持ち無沙汰になった瞬間か、おやつを食べたりテレビを観てゆっくりしたあとを狙って、笑顔でゆっくり「さて、明日の準備しようか~!」と声をかけながらランドセルを開け始めました。
◆一緒に準備
先ほどお話した分解した作業全てを一人でこなすことは難しいため、半分は私がやってあげると決めて息子の行動を促す質問をして一緒に作業をしました。
例えば、
「連絡帳を読む方とそれを聞いて準備するの、どっちがやりたい?」
「ハンカチ用意するのと給食袋セット作るの、どっちがいい?」
質問のポイントは、「やるの?やらないの?」ではなく、「どちらの選択肢でも何かしらやる」ことを提案することです。
連絡帳を読む方ばかりが続いているなと感じたときは、「今日は昨日と反対にしない?」と提案したり、「お母さん鉛筆削るの好きなんだよね~やってもいい?」と楽しみながら準備することを意識しました。
また、準備の流れをメモに書いたり、手順が視覚的に確認できるものを活用するとスムーズな場合もありますよ。
◆ご褒美(褒める)
ひとつの作業が終わるごとに、「できたね!」と笑顔やグッジョブサインで褒めていきました。
そして、「準備バンタン!明日の○○くん(息子)がありがとうって言ってるね~!」と繰り返し伝えていました。
言葉のご褒美をかけ続けることで、「準備をすると良いことがある」と脳が学習します。
この習慣を続けること1年…気づけば自分で準備ができるようになっていました!
小学校4年生になった今では、学校の持ち物準備だけでなく、宿題を自分から計画的にできるようになったり、学校以外の準備も一人でできるようになりました。
作業の負荷を減らし、一緒に準備し、できたね!と褒め続けることが、行動の定着につながったようです。
4.時間の余裕が心の余裕に!やりたかったことを始めました
一人で準備ができるようになった今は、私の自由時間が増えました!
今までは、息子が学校から帰ってきてから寝るまでは家に居て息子の様子を伺いながら一緒に準備をする生活でした。
現在は午後になると学校の放課後ボランティアに行くなど、やってみたかったことにチャレンジできるようになりました!
息子については、毎日きっちり準備やっています!や、忘れ物はありません!と、100%完璧になったわけではありません。
ですが、手取り足取り一緒にやってあげるということがなくなったため時間にも心にも余裕ができました^^
あのとき息子の特性を悲観したままで終わなかったから、「できない」が「できた!」に変わる瞬間の感動を味わうことができたと思います。
息子のようなタイプの子どもは行動習慣が身に付くまでに時間も労力もかかるかもしれません。ですが、正しくコミットした分しっかり結果はついてきます。
子どもの成長をあきらめずに、楽しく賢く戦略的にサポートしていきましょう!
子どもの困った行動は、理由を知って対応するとうまくいく!発達の知識や声かけのテクニックを配信中
執筆者:ひきのなつき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)