息子は発達障害グレーゾーンの小学1年生です。ADHD傾向があり、着替えに時間がかかる、なかなかご飯を食べ終わらないなどと支度が遅いので、毎朝イライラします。「早くして!」と叱っても急いでやるどころかしまいには癇癪を起こすので、朝からヘトヘトです…。どうすれば朝の支度がスムーズにできるようになりますか?
小1・男の子のママ
朝は時間も限られているので、お母さんもついついイライラしてしまいますよね。そこで今回は発達障害グレーゾーンの子どもが、朝の支度をサクサク終わらせる秘訣を紹介します!
発達科学コミュニケーション
トレーナー 森あや
【目次】
1.支度が遅い発達障害・グレーゾーンの息子にイライラ!毎朝バトルを繰り返していた日々
2.どうして発達障害ADHDの子どもはマイペースなの?
◆エンジンがかかりにくい
◆見通しを持って行動することが苦手
◆気が散りやすい
3.朝の支度をサクサク終わらせる秘訣はコレ!
◆楽しみを用意する
◆やるべきことを見える化する
◆サポートをする
◆できていることを褒める
1.支度が遅い発達障害・グレーゾーンの息子にイライラ!毎朝バトルを繰り返していた日々
バタバタしがちな朝の時間。時間が限られているのにも関わらず、
・なかなか起きない
・着替えに時間がかかる
・なかなかご飯を食べ終わらない
こんな風に支度が遅い発達障害の子どもに「早く!」と言ってしまうお母さんも多いですよね。 特に小学生で朝の支度が遅いと登校時間も気になりイライラしてしまいますよね。
我が家にも注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向のグレーゾーンの小学1年生の息子がいるので、その気持ちはよく分かります!
かつての私は「早く着替えて!」「早くご飯を食べて!」と朝からイライラ。しかしいくら言ってもなかなかやらない挙句、登園前に癇癪を起こされ毎朝本当に辛い思いでした。
実はこんな風に「早く!」と声をかけることは、子どものやる気や自信を奪うだけで何の効果もありません。
発達障害ADHDの子どもが朝の支度が遅いのには、脳の特性が大きく関係しています。そのため「早く!」の一言では子どもはスムーズに行動できるようにはならないのです。
そこで今回はマイペースな子どもでも、朝の支度がサクサク進むようになる秘訣を紹介します。
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2.どうして発達障害ADHDの子どもはマイペースなの?
ではどうして発達障害ADHDの子どもは「マイペース」に見えることが多いのでしょうか?
ここでは主な理由を3つ紹介します。
◆エンジンがかかりにくい
発達障害の子どもは、エンジンがかかりにくいと言う特性があります。
脳の発達が未熟なために、やりたくないことに取り組むときには大人の何倍ものエネルギーを必要とするのです。
そのために、「早くしなさい!」と声をかけてもちっとも朝の支度が進まない…と言うことが起こってしまうのです。
◆見通しを持って行動することが苦手
発達障害の子どもは、見通しを持って行動したり、周りの状況に合わせることが苦手な傾向があります。
一見自分勝手に見えることが多いですが、実は自分が今やるべきことをきちんと理解できていないだけ、と言う場合もよくあるのです。
さらに発達障害の子どもは時間感覚がずれているために、時間の見積もりを間違えてしまうケースも少なくありません。
そのために、時間がないのにも関わらず、着替えもしないで遊んでいるなんてことが起こってくるのです。
◆気が散りやすい
発達障害、特にADHDの特性を持つ子どもは気が散りやすく、不注意な傾向があります。色々なことが気になって、1つのことに集中することができないのです。
そのために、着替えの途中で遊び始めてしまう…なんてことが起こってしまうのです。
つまり、支度が遅い発達障害ADHDの子どもをサクサク行動させるためには
・やる気を引き出して、自発的に行動できるような工夫をすること
・今やるべきことを明確にして、集中できるようにしてあげること
の2つが必要なんです。
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3.朝の支度をサクサク終わらせる秘訣はコレ!
では、支度が遅い発達障害ADHDの子どもをサクサク行動させる秘訣とはなんでしょうか?
それは
・楽しみを用意する
・やるべきことを見える化する
・サポートする
・できていることを褒める
の4つです。それぞれ順番に見ていきましょう。
◆楽しみを用意する
まず最初に必要なのは、発達障害の子どもが自分から動きたくなってしまう仕掛けを作ることです。
例えば
・朝食に子どもの好きな果物やおかずを出してあげる
・支度が早く終わったら、動画を1つ見てもOK
など子どもの好きな食べ物や活動を使って楽しみを用意してあげましょう。
こうすることで、子どものエンジンがかかりやすくなりますよ。
◆やるべきことを見える化する
発達障害の子どもは自分で見通しを立てたり、周りの状況に合わせて行動することが苦手です。
そこでやってほしいのが、やるべきことを見える化することです。実は発達障害の子どもは大事な情報は目で見えるようにしてあげた方が理解しやすい傾向があるのです。
そこでオススメなのはホワイトボード。例えば
・着替えをする
・ご飯を食べる
・歯磨きをする
・トイレに行く
などと、朝の支度の一連の流れを書きます。そしてそれができたら、横に1つずつマグネットを貼って何ができたのかを分かるようにしてあげるのです。
そうすることで、今やるべきことがわかる、成果が見えることでやる気が出ると言う2つの効果があります。
ただしここで注意してほしいことがあります。
それはホワイトボードに書く項目の数と難易度に気をつけてほしいということです。
なぜなら、目標が高すぎるとなかなか達成することができず、子どもは自信を失うことになってしまうからです。
記入する項目は
・レベル1(子どもが当たり前にできる行動)→3つ
・レベル2(言われればできる行動)→2つ
・レベル3(たまにできる行動)→1つ
が基本。
お子さんの普段の行動をよく観察して、記入する項目を考えてくださいね。
ちなみにレベル1(子どもが当たり前にできる行動)の項目に
・動画を見る
・漫画を読む
・好きな飲み物を飲む
など、「子どもの楽しみ」を1つ入れておくと、支度がスムーズになりますよ。
また、ホワイトボードがあってもADHDの子は不注意傾向があるので、1つ1つ確実に支度をこなすのは少し大変です。
取り組むときは、
「もうマグネットが1つ貼れたね!」
「あと少しでコンプリートだね!」
などとお母さんの声かけでやる気を引き出してあげてくださいね。
◆サポートをする
先ほどお話ししたように、発達障害の子どもはエンジンがかかりにくい、気が散りやすいなどの傾向があります。
そのため、お母さんのサポートで支度に取り組みやすくしてあげる必要があるのです。
例えば
・「手伝ってほしいことがあったら言ってね」と声をかけておく
・前日の夜に着替えを枕元に置いておく
・ご飯のときに歯ブラシも食卓に置く
などの方法があります。
特にADHDタイプは時間感覚が育っていないケースが多いので、時計を見えるところに置き、
「○分までに着替えをしようね」
「時計の長い針が6に来るまでにご飯を食べ終わろうね」
「時計の長い針が6に来るまでにご飯を食べ終わろうね」
などとお母さんが声をかけて、時間を理解しやすいように工夫することが必要です。
◆できていることを褒める
そして発達障害の子どものやる気を引き出すのにとても効果的なのが、できていることを褒めることです。
例えば、
「ちゃんと目を開けれたね!」
「着替え始めたんだね!」
「トイレに行けたね!」
などの声かけです。
さらに、子どもに集中して1つのことに取り組ませたいときはこまめに褒めて、今やるべきことに注意を向けさせることがポイントです。
例えば着替えだったら
「パジャマが脱げたね!じゃあ次は靴下を履こうね!」
「靴下はけたね!じゃあ次はシャツを着ようね!」
などとこまめに褒める+次にやることを伝えることで、気が散るのを防ぐことができるんです。
こんな風に、「早くして!」ではなく正しい対応をすることで、朝の支度がぐっとスムーズになるんですよ。
さて、以前は朝の支度がなかなか進まず、挙げ句の果てに癇癪を起こしていた我が家の息子ですが、小学生になった今では毎朝穏やかに過ごせるようになりました。
朝の一連の行動が習慣化したため、ガミガミ言わなくてもスムーズに支度を終わらせることができるようになったのです。
いかがでしたか?朝の支度が遅い発達障害ADHDの子どもをサクサク行動させる秘訣は、
・楽しみを用意する
・やるべきことを見える化する
・サポートする
・できていることを褒める
の4つです。
「自分でできた!」と言う成功体験を積み重ねていくことで、子どもはスムーズに支度ができるようになっていきます。
いかがでしたか?相談者さんもぜひ取り入れて、小学生のお子さんと朝の支度でイライラしない笑顔の朝の時間を過ごしてくださいね!
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執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)