学校外で発達障害の子どもの居場所を作る!ママの対応と放デイの活用法

発達障害の子どもが小学校に入学すると悩みごとはつきません。いろいろなトラブルが起こったとき、お母さんはどう対応しますか?実はやっちゃいけないNG対応があります!NG対応から発コミュに変えたら、子どもがこんなに変わったんですよ!
 

【目次】

 

1.発達障害の子どもの居場所づくり~放課後等デイサービス(放デイ)の利用~

 
 
発達科学ラボのこじまあつこさんの息子さんは現在小学2年生。幼稚園の頃から療育に通い、6歳のときに自閉症スペクトラムと注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断がおりました。
 
 
就学相談を経て通常級(通常学級・普通級)に通う息子さん。今回、こじまさんに就学相談から今までの小学校生活を振り返っていただき、お話を伺いました。全3回でお送りしています。
 
 
第1回は就学相談、第2回は学校での困りごとや通級での様子についてお送りしました。
 
 
 
 
最終回の今回は、この先の心配ごとや小学校入学を控える年長さんのお母さんへのメッセージをお届けします。
 
 

――今後一番心配なことは何ですか?

 
 
「息子はコミュニケーションが課題なので、同年齢の子の輪に入っていけるか、友達ができるか、トラブルにならないか心配です。
 
小学校に入学して友達の輪ができてくると、なかなか遊びに混ざれず家で過ごすことが増え、ほぼ自宅で妹、弟と遊んでいました。たまに友達と遊ぶときも、私ときょうだいがついていく状態でした。
 
そんな息子が心配で、友達と遊ぶ機会になればと思って、2年生に上がる春休みに遊び中心の放課後等デイサービス(放デイ)に通い始めました。
 
それまでは息子自身も友達と遊びたい気持ちはあるものの、輪には入っていけなかったのですが、放デイに入ってから友達ができてとても楽しかったようです。自分から『土曜日も行きたい!』と言ってきました。
 
それで、週2回から3回に日数を増やして通っています。放デイに通うにつれて自信がついたのか、学校のお友だちの話も少しずつするようになってきました。息子も明るくなり、言葉も増えました。
 
焦らなくて大丈夫だと思いますが、学校になれてきたら、家以外の居場所も一緒に考えてあげたらいいと思います」
 
 
◆ポイント解説
 
グレーゾーンのお子さんだけでなく、発達障害の診断があるお子さんも通常級で学ぶケースがたくさんあります。コミュニケーションに課題がある場合、学習にはついていけても、友だち関係でつまづくケースもあります。
 
 
どのように対応すればいいのでしょうか?
 
 
目立ったトラブルがなくても、子どもが友だちの輪に入っていけているのか、仲のいい友達はいるのか、気を配ってあげる必要があります。
 
 
重要なのは子どもが楽しく生活すること。友だちがいなくても学校が楽しい!という場合もあります。その場合はお母さんが無理に友だちとくっつけようとしてもかえって負担になるだけです。
 
 
こじまさんの場合は、息子さんの「友達と遊びたいけどうまくできない」という様子を察知して、学校ではなく放デイを利用され、とてもうまくいったようですね。
 
 
まずは学習面だけではなく、学校での生活面や友だち関係にも気を配ること。もしも友だち関係でうまくいっていないのであれば、担任の先生に相談することも大切ですが、学校以外の場所で居場所を見つけることもひとつの手です。
 
 
こじまさんの息子さんのように、デイに通って友だちと遊ぶ機会が増えることで自信がつき、学校でも少しずつ友だちとのかかわりが増えていく、ということもあります。
 
 
友だち関係も成功体験の積み重ねです。
 
 
こういう遊びをしたら楽しく遊べた、
こういう話をしたらノッてきてくれた、
など、小さな成功体験の積み重ねで友だち付き合いを学んでいきます。
 
 
そんな成功体験なしに、「友だちとは仲良く遊びなさい」とか「入れてって言えばいいじゃない」と子どもに言ってもうまくいきません。
 
 
どこで成功体験を積ませるのか?こじまさんのように学校外に場所を見つけるのもいいですし、教室の中でできるのであればもちろんOKです!
 
 
 
 
こじまさんもおっしゃっていましたが、焦って見つける必要はありません。でも、子どもの様子を見ていつでも行動できるように、担任の先生と連携したり、学校外の情報を集めたりして準備を進めていくと安心ですね。
 
 
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2.子どもを受け入れる体制づくりとは~発コミュで親子ともに変わった!~

 
 

―ー今年長さんのママに、就学についてアドバイスしたいことはありますか?

 
 
「母親は初めてのことだらけで不安だと思いますが、トラブルに対して先生と一緒にせめてしまうと子どもの居場所がなくなります。
 
私の場合、トラブルの真っ最中に一緒になって息子を責めてしまいました。
 
友だちは叩いちゃダメとこんこんと言い聞かせたり、『今日は座っていられたの?』『どうして離席するの?』と責めたりして…そんなことをしているうちに、息子は最悪の状態に突入してしまいました。
 
そのころに発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会って、親子ともに変わりました。ほめたり感謝したりすることが増えたので、子どもに自信がついてきました。
 
『やだ!だめ!むり!』とよく言っていたのですが、ちょっとチャレンジしてみようかということが増えてきました。
 
私自身も心にゆとりを持てるようになって、問い詰めることはしなくなりました。やはり家と母が安定して子どもを受け入れる体制ができているのが大事だと思います。」
 
 

――ありがとうございました!

 
 
◆ポイント解説
 
発達障害やグレーゾーンの子どもは、脳の特性のためにどうしても学校でうまくいかないことが出てきます。お母さんも先生も、どうしても「できていないこと」に目が行ってしまい注意する機会が増えてしまいます。
 
 
子ども自身も「できていない自分」に気づいているケースもあり、自分でも悩んでいるところに先生やお母さんからも責められると、どんどん自信を失ってしまいます。
 
 
こじまさんのお話からも分かるように、子どもに注意したからといって問題が解決するわけではありません。かえって学校でも家庭でも子どもが不安定になる可能性の方が大きいのです。
 
 
こじまさん自身は発コミュを受講され、注意したり責めたりする否定的なコミュニケーションから、ほめたり感謝したりする肯定的なコミュニケーションに大転換されました。その結果、息子さんが自信を取り戻してチャレンジする姿勢も出てきたそうです。
 
 
小学校入学は発達障害の有無にかかわらず、子どもにとってはそれまでの人生最大の環境の変化と言っても過言ではありません。できていないことがたくさんあるのはあたりまえ!そこを責め続けると、子どもは学校でも家でも居場所を失います。
 
 
子どもが「今日もお母さんに怒られるんだろうな…」と思いながら下校するなんて、イヤですよね!
 
 
できていないところはあえて目をつぶって、できたことをほめてあげましょう!今日も学校に行けた、というだけですごいことなんですよ!
 
 
もしも、「できているところなんてない!」「どうやってほめればいいの?」と悩んでいらっしゃるなら、こじまさんのように発達科学コミュニケーション講座を受講するのも選択肢のひとつです。
 
 
 
 
できているところをしっかりほめて子どもに自信をつけながら、家が子どもにとって居心地のいい場所にして、子どもの小学校入学を応援しましょう!
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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