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就学相談で安心しないで!~発達障害の子どもの小学校入学はお母さんがプロデュース~

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発達障害のお子さんの小学校入学、何かと心配ですよね。就学相談を受けられた方も多いと思います。就学相談が終わったら一安心…ではなかったんです!就学相談が終わってからのお母さんの行動で、子どもの小学校生活が大きく変わるんですよ。
 

【目次】

 

1.就学相談で「ご家庭の判断に任せます」と言われたら?

 
 
発達科学ラボのこじまあつこさんは小学校2年生の男の子のお母さんです。
 
 
息子さんは幼稚園の頃から療育に通い、6歳のときに自閉症スペクトラム注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断がおりたそうです。
 
 
今回こじまさんに、就学相談や息子さんのこれまでの小学校生活を振り返っていただき、お話を伺いました。
 
 
今回は前編、就学相談について詳しくお伝えします。
 
 
後編はこちらです。
 
 
➖➖➖
 
 

――就学相談は受けていかがでしたか?

 
 
「通っていた療育では就学相談を受けることは任意だったのですが、受けました。
 
息は第1子で、私自身が小学校がどんな所か分からなかったので、相談できるところには相談して少しでも情報を得たいと思いました。
 
就学相談した結果、知的発達は平均の下で、学習に支援が必要ということでした。
 
言葉で説明することが苦手、緊張感や不安感の強さ、こだわりの強さを指摘され、通常級(通常学級、普通級)でも問題ないけれど、その場合は担任の先生からの理解とフォローが必要と言われました。」
 
 

――息子さんは通級も利用されているんですよね。それも就学相談で決まったのですか?

 
 
「それが、『通常級でも大丈夫だと思いますが、あとは親御さんの判断ですのでご家庭で話し合ってください』と言われて…
 
もしかしたら、支援級がいいと言えば支援級になったかもしれません。
 
結局、学校に見学に行き、通級のある学校にも見学に行って、『通常級と通級でスタートしてみよう』と決めました。
 
息子の場合は、入学前に通級の利用も決まっていたのですが、入学前でも入学後でもどちらでもいいとも言われました。こんな感じで、けっこう融通はききました。」
 
 

――ということは、学校見学は就学相談の判定会議の後で行かれたのですか?

 
 
「いいえ、就学相談と学校見学はほぼ同じタイミングでした。
 
私の住んでいる自治体は、就学相談は支援の対象によって締め切りが違っているのですが、一番早い締め切りが特別支援学校を希望する方なんです。
 
普通級か支援級か迷っている子は締め切りに余裕があるので、就学時健診よりも前に、親だけで見学に行きました。
 
その際は、他の見学者の方と一緒に特別支援コーディネーターさんや校長先生とお話しすることができました。
 
名前を憶えていただくこともできてよかったです。」
 
 
◆ポイント解説
 
就学相談のスタイルは自治体によって大きく異なることがあります。
 
 
こじまさんがお住まいの自治体は、ご家庭の希望を優先してある程度融通が利いたようです。
 
 
発達障害の子どもを持つ親としては、子どもにとって最適な学びの場を選ぶことができるのでありがたいですよね。
 
 
一方で、「普通級か支援級か迷っているから就学相談を受けます」という方は注意が必要です。
 
 
ご自身で答えを見つけられないまま就学相談が終わり、判定会議で「ご家庭で判断してください」と言われてしまったら…かえって混乱してしまいますよね。
 
 
就学相談は、小学校に関していろいろな情報が得られる場所です。
 
 
でも、情報を得ただけでは、「我が子にピッタリな学びの場」がどこなのか、という答えを見つけることはできないかもしれません。
 
 
得られた情報をもとに、我が子をどう支援したいのか具体的に考える必要があります。ときにはこじまさんのように、就学相談以外にも情報を求めに行くことも大切ですね。
 
 
 
 

2.目的を持って学校見学に行くと漠然とした不安が解消する

 
 

――入学までにどんな準備をされましたか?

 
 
「子ども自身は、就学前健診と入学式の前日の2回学校に行きました。
 
学校公開デーに行きたかったのですが、地域のお知らせが回ってきたときにはもう終わってしまっていたんです。
 
就学相談のときに見学や下見を希望しますか?と聞かれたので希望する旨を伝えておきましたら、入学式の1週間ほど前にコーディネーターさんから電話をいただきました。
 
入学式の会場準備ができた状態でリハーサルをして、担任の先生がクラスの案内についてくれました。
 
また、登校の練習をしました。集団登校なので、登校班の集合場所を教えたり、実際のルートを歩いてみたり、ということを何回かしました。」
 
 
◆ポイント解説
 
お子さんと学校見学を予定されている方も多いと思いますが、何度も行けばいいというものでもありません。
 
 
どういう目的で見学に行くのか考えてみましょう。
 
 
こじまさんは、一番最初はお子さんは連れず、ひとりで見学に行かれたそうです。
 
 
これは学校側からしっかり話をきき、子どもの学びの場を検討するための情報を得るため。こういう目的の場合は、お子さんを連れていくと気になってしまって十分話を聞けない可能性がありますね。
 
 
情報を得るために見学するのか、子どもの心の準備のために見学するのか、目的を分けてみるといいでしょう。
 
 
目的をしっかり持つと、「〇回しか行けなかった…」と落ち込むことも、「〇回も行ったのにまだ不安なんです」と漠然とした不安が払しょくできない、ということもなくなるはずです。
 
 
また、もう9月が終わります。就学前健診までに見学したいと考えていらっしゃる方は時間が限られています。
 
 
行事や学校公開デーの情報を見逃さないように気を付けてください。必要であれば、学校に個別対応をお願いできないか問い合わせてみましょう。
 
 
 
 

3.就学相談で安心しないで!発達障害の子どもの入学をスムーズにするためのお母さんの行動とは

 
 

――就学相談から小学校入学を振り返って、どんなことを感じましたか?

 
 
「教育委員会で受けた就学相談と、通常級の対応と、通級の対応、実はまったく連携がなかったんです。
 
就学相談を受けた子どもの名前はリストアップされているようなんですが、先生からアクションを起こしてくださるわけではないようで、自分から動く必要がありました。
 
私の場合は、担任の先生とコーディネーターさんとスクールカウンセラーさん全員に同じ日に時間をとってもらって、就学前健診の情報や検査結果をまとめてお渡ししました。
 
就学相談で伝えられた入学後の課題も、担任の先生は全くご存じなかったですね。
 
就学相談のときに担当してくださった教育委員会の先生も、人事異動でいらっしゃらなくなってしまう可能性があります。
 
実際に今年人事異動があって、教育委員会と学校との連携がうまくいっていかなったようです。新入生のお母さんで見学を希望したのに連絡が来なかった!と怒っていらっしゃる方もいました。
 
就学相談を受けたからといって、情報がきちんと学校側に伝わっているとは限らないので注意が必要です!
 
結局のところ、子どもの情報をしっかり持っているのはお母さんだけになります。
 
支援や連携体制は地域によっても学校によっても違うと思います。
 
とにかく、就学相談をしたから、子どもの情報やこちらの希望が伝わっているだろうと思って『待っている』のはダメです!
 
ちょっとでも『アレ?』と思ったら遠慮せずガンガン問い合わせをしないと後回しにされると思います。」
 
 

――ありがとうございました!

 
 
◆ポイント解説
 
就学相談しても学校に情報が渡っていないケースがあるという貴重なお話を伺うことができました。
 
 
情報が渡らない理由は1つではありません。
 
 
担当者の連絡し忘れや、人事異動の際の引継ぎ忘れといった事務的なミスだけではなく、個人情報保護の観点から意図的に渡していない可能性もゼロではありません。
 
 
就学相談を受けられる方は、情報がどの程度小学校にわたるのか確認しておきましょう。
 
 
ただし、就学相談が実施されてから小学校入学までは半年程度の時間があります。
 
 
その間もちろん子どもは発達していきます。就学相談のときに心配だったことが入学時には問題なくなっていることだってあるはずです。
 
 
就学相談をしたら安心して入学をただ待つのはNG!
 
 
こじまさんのように、お母さん自ら教育委員会と学校の橋渡しをしている方もいらっしゃいます。
 
 
もしも就学相談したから学校には伝わっているだろう!と思って何もしなかったら…?
 
 
入学早々、「こんなはずじゃなかった!」と嫌な思いをすることになりかねませんし、子どもが学校になじめずにつらい思いをすることになるかもしれません。
 
 
子どもの小学校入学をスムーズにするための情報をすべてを持っているのはお母さんだけです!
 
 
お母さんが子どもの入学をプロデュースしましょう!
 
 
インタビューの後編はこちらです!
 
 
 
 
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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