「間に合わない!早くして!」これ、言ったことのないママはいないと思います。なぜなら子どもの脳は未熟だから。大人と同じようにできないのは当たり前なんです。どんなサポートをしてあげると、子どもが動けるようになるのか、ヒントをお伝えします。
【目次】
1.時間に間に合わなくて叱る日々
朝は毎日戦争です!
そろそろ準備を始めないと出発時間に間に合わなくなる時間でも、子どもが自分から準備を始めるのは難しいですよね。
娘も幼稚園時代、もうすぐ家を出ないとバスに間に合わない時間なのに、まだ準備もしていないのに塗り絵を始めようとしたりすることがよくありました。
今思い出せば可愛いのですが、子どもの脳の仕組みを知らなかった頃は、イライラしてしまっていました。
2、子どもと大人で異なる時間感覚
幼児のお子さんはまだ時計が読めなかったり、時間感覚が身についていなかったりすると、悪気なくついつい時間を意識せずに遊んでしまいます。
時間感覚は9歳、10歳以降に大人と同じ感覚になるといわれています。
ですから、これは注意したり叱ったりしても、仕方がないことなんです。
また、「時計が読める」のと「時間感覚が身についている」のは別物だということも、大人が勘違いしやすいポイント。
時間の量を見積もるのは高度な能力ですから、「時刻が分かっているのに、なんでできないの?」とイライラするのは早計です。
幼児に、「いつも見てるのに、なんで自転車に乗れないの!」とは叱りませんよね。
どちらも、扱い方をまだ知らない、というだけのことです。
子どもの脳は未熟ですから、なにをするにも大人の数倍の時間がかかると思ってください。
また、最後までやり遂げる、ということも難しいのです。
そもそも、何をすればよいのか理解できていない場合もあります。
「もう出かける時間だよ!」
大人なら、これを聞いたら「あ、支度しなきゃ」となりますが、子どもの未熟な脳では、いま何をすればよいかというところまでは処理できません。
出かけるために、何をしなくてはいけないか。
まず、「今していることをやめてから」、出掛けるための準備を始める必要があるのです。
発達凸凹の特性を持つ子どもは、興味のあることには夢中になりますが、興味がないことには、見向きもしません。渋々でも、取り組めたらハナマルなんです。
今していることを途中でやめるというのは、大人が想像している以上に、とてもハードルが高いことなのです。
まして、やめた先に待っているのが、子どもにとってつまらないことだったとしたら、動きたくなくなるのも当然。
だからこそ、イライラするよりは、お母さんの声かけで時間感覚を育てるサポートをしてあげて、園生活や習い事など、時間通りスムーズに行けるようにしてあげたいですね。
3、子どもが動きたくなるのは、こんな声かけ!
これらを踏まえて、子どもが時間を守って準備をするための声かけを2つお伝えします。
◆①予告をする
もし、もうすぐ準備をする時間なのに折り紙をしていたら、「折り紙上手だね、じゃあそれ折り終わったら準備しようね」。
もし、テレビを見ていたら、「テレビ面白そうだね。その回が終わってからで良いから、終わったら準備しようね」。と伝えてあげてください。
急にやめさせられるより、今やっている事を認めてもらえたと感じると、子どもの気持ちにゆとりが生まれます。
また、子どもがしていることを実況中継したり、肯定したりしながら予告をすることで、子どもの反発心を抑えてあげられます。
していた事をやめた時は、「よくやめられたね、さすがだね、かっこいいね」と褒めてあげてください。
◆②子どもに選ばせる
準備をするために動き出そうとしたけれど、面倒臭そうにしてなかなか動き出せない時は、
「一人で着替える?それともママと着替える?」
「一人で荷物準備する?ママも一緒に手伝おうか?」
「先にトイレに行く?それとも全部準備終わってから行く?」
など、どちらを選んでもOKな選択肢を提案してあげましょう。
選ばせてあげることで、強制されてやるのではなく、自分の意思を尊重されたと感じるので、子どもは動いてくれやすいです。
私の声かけ一つで、娘に自信がどんどんつき、自分から動ける子になっていっていることを実感しています。
子どもたちは園や習い事、さらに小学校受験をする子たちはお受験の塾や模試などもあって、毎日忙しく頑張っていると思います。
子どもたちが笑顔いっぱいで過ごせるように、周りにいる大人がたくさん力を貸してあげてほしいなと思います。
時間を守れるようになる声かけの秘訣、ほかにもご紹介しています!
執筆者:藤井ハナ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)