嘘をつかなくてはいけない状況に追い込んでいませんか?子どもが思わず守りたくなる約束の作り方

 

どうしてもゲームがしたくて嘘をついてしまったお子さんに、どんな対応をしていますか?北風のように、𠮟りつけて嘘をつかないようにさせますか?それとも太陽のように、嘘をつかなくても良い環境を作ってあげますか?悩めるママに、ヒントをお伝えします。
 

【目次】

1.約束が守れないかんしゃくっ子を責めるのは逆効果!
2.約束が守れない子どもは正直者!?
3.「守りたくなる」約束ってどんなこと?

 

1.約束が守れないかんしゃくっ子を責めるのは逆効果!

 
約束を守れなくて毎日、ゲームや動画の制限時間の事で叱ってばかりです…。
 
 
私の行っている個別相談や講座では、発達凸凹キッズやグレーゾーンのお子さんを持つママたちから、こんなお悩みのご相談が多数寄せられます。
 
 
今日は、子どもが約束を守れない時、嘘をついてごまかす時の、対応方法について、私の生徒さんの事例でお話しさせていただきますね。
 
 
生徒さんのYさんは、息子さんのちょっとした嘘に悩んでおられました。
 
 
その嘘の内容としては、「時間制限を超えたので、一旦はゲームをやらないと約束したのに、本当は隠れてゲームしていた」というもの。あるあるですよね…
 
 
家族の中で他にやる人はいないのに、僕じゃないと言い張る。
 
 
それに対してパパがブチ切れてしまい、証拠を突きつけて認めるまで責めてしまった。
 
 
どうしたら良かったのでしょうか。
 
 
そんなことをご相談いただきました。
 
 
このYさんの息子さんは、ママが発コミュ受講スタート後、段々と順調に宿題なども自分からできるようになってきていたところでした。
 
 
嘘はついてはいけない。これは大事なことだと、私も思います。
 
 
けれど、今回のケースは最初から嘘をつくつもりで親を騙そうとしたというよりはゲームをやりたい一心で軽率な行動をとってしまった。それが見事にバレた。
 
 
かなり焦ったでしょうし、とっさにマズい!と思ってごまかそうとしたんですね。
 
 
それが、ゲームのための小さな嘘を、両親から逃げ場なく責められた事で、一旦良くなっていた暴言まで復活してしまい、とうとう宿題もやらなくなってしまったのです。
 
 
 
 
嘘はどんなことがあっても絶対にいけない!
 
 
だから子どものうちに嘘をつくことだけはキツく叱らなくては!!!!
 
 
そう思う方もきっとおられますよね。
 
 
これは発コミュを学ぶ前の私も、心の底から信じて、言い続けてしまった事でした。
 
 
その結果どうなったか?
 
 
娘は私に叱られる事が嫌で、叱られないように嘘をついてごまかしたり、正直な気持ちを言えなくなりました。
 
 
もともとは素直で正直だったのに、どんどんつまらない嘘をつくようになりました。
 
 
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2.約束が守れない子どもは正直者!?

 
 
約束が守れなくて泣いたり怒ったりする子どもは、嘘つきじゃなく正直者なんです。
 
 
自分の気持ちに正直ですよね。
 
 
そこをうまく引き出しながら、発達凸凹キッズが約束を守れるようになるコツはママのかける言葉の中にあります!
 
 
嘘をつくことは悪いこと。
 
 
それは否定されることではないです。
 
 
ただ、子どもが嘘をつかなくてはいけない状況がどのようにして生まれたのか?
 
 
ここを、大人は考えてあげることができるのではないか。私の反省からもそう考えます。
 
 
先ほどご紹介したYさんにもこのお話をさせていただきました。
 
 
するとYさんは、息子にとっては、約束させた内容がハードルが高い事だったのかもしれません。
 
 
そうおっしゃっていました。
 
 
 
 
本来子どもは正直者。嘘をつきたくてついている子はいません。
 
 
何かしら、嘘をつかなくてはいけない理由が背景にある。
 
 
そう考えるだけで、対応方法は「嘘はダメ」と伝える以外にも、守れる内容に調整してあげることで初めて「約束を守れた!」という成功体験にすることができます。
 
 
ハードルの低い約束を1つ守れた!
   ↓
ママに褒められる
   ↓
約束を守ることのメリットを感じる
   ↓
少しステップを上げた内容で約束してみる
   ↓
約束を守ろうという気持ちで取り組む
   ↓
守ろうとする姿勢をほめる(途中で)
   ↓
また守れた!
   ↓
ハードルをあげてもチャレンジが続けられる
 
 
このようにスモールステップで段階を踏むことで約束を上手に守れるようになっていきます。
 
 
だけどその低いハードルって、具体的にはどれくらい?
 
 
これ以上ハードル低くしたら全く動かない子になっちゃいます…というお声も聞こえてきそうです。
 
 
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3.「守りたくなる」約束ってどんなこと?

 
 
「越えなければいけない」ハードルだと、いくら低くてもしんどいですね。「守らなければいけない」約束ですから。
 
 
では、こんなハードルならどうでしょうか。
 
 
思わず越えたくなるハードル。越えたら楽しいことが待っているハードル。つまり、「守りたくなる」約束です。
 
 
守りたくなる約束を作って、それを守ることを習慣にする!
 
 
これに尽きます!
 
 
例えば、普通の約束って守らなければならないルールだったりするので、あまりワクワクしないし守ってもつまらないですよね。
 
 
けれど、守ると嬉しくなれたり、楽しくなれたりしたら?
 
 
守りたくなります♪
 
 
例えば、
 
・朝起きておはよーって笑顔で言えたら、牛乳じゃなくてヤクルトGET!
 
とか
 
・朝食を運ぶお手伝いをしたら、デザートがみんなより多くもらえる
 
とか
 
・お風呂に早く入ったら寝る前にママとUNOができる!
 
 
そんな、守れたら子どもにとってメリットのある約束を作って、それを「守る=楽しい」という経験を積んでおきます。
 
 
そうすることで、自分から約束をすることの意味と守ることの価値を感じられるので、真剣にルールが必要な時も自分で考えてどうするのが良いのか考えられるようになっていきます。
 
 
 
いきなり自分に制約が増えるだけの約束ばかりだったら、ルールを作ることが窮屈に感じますよね。
 
 
ルールを作ることは自分を守ること。
 
 
ルールを守ることは自分の自由を勝ち得ること。
 
 
この理屈を大人は経験で理解できますが子どもにはまだまだ難しいです。
 
 
だからこそ、楽しく教えてあげたいですよね!
 
 
 
 
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執筆者:成瀬まなみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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