発達障害グレーゾーンの男子高校生の身だしなみが整わなくて困っていませんか?ここでは、ヒゲソリを拒む理由を教えてくれてその後ヒゲソリができるようになった経験をお話しします。
【目次】
1.発達障害っ子がガンとしてヒゲの剃ろうとしない
私の息子は発達障害グレーゾーンで、息子が高校生の頃にヒゲソリを嫌がることに困っていました。
何度か「どうして剃らないの?」と尋ねるものの、理由は教えてくれません。
しばらく経って、ヒゲソリができない理由を聞くことができました。
その時の私の経験についてお話ししたいと思います。
息子には、ヒゲが生えそうなタイミングで電動ヒゲソリを与えていました。
ところが剃らずにそのまま学校へ行くため、「ヒゲを剃ったら?」と、声かけをしますが、スルーされてばかり。
なぜだろうと不思議に思っていました。
高校生活はどっぷりコロナ禍のマスク生活でしたし、身だしなみに厳しくない学校だったので注意を受けることはありませんでした。
しかしこの先、ヒゲソリをはじめ、身だしなみくらい自分でできないと本人が困りますよね。
続いて、なぜヒゲソリを嫌がったのか、その理由についてお話します。
2.発達障害っ子は人一倍不安を抱えやすい
息子のヒゲソリができなかった原因は、先の見通しがつかないために不安を抱えやすいことでした。
発達障害の特性に、初めてのことや場所に苦手や不安があります。
例えば、見通しを持つことが苦手な子どもは、これからどんなことが起こるか予測したり、想像したりすることができないため、どう行動すればよいのかが分からない状態です。
これは脳にとって大きな負荷がかかることが原因です。
大人でも嫌なことや気乗りしないことは、すぐに行動に移せませんよね。
ヒゲソリを避けていた息子は、先の見通しがつかないために怖くて、行動することができなかったと考えられます。
親は子どもの脳の特性を知り、子ども自身が努力しても、なかなか行動に移せないことを理解してあげることが必要です。
子どもを理解するためには、お母さんとのコミュニケーションが鍵になります。
次に私が経験したことをお話しますね。
3.ヒゲを剃りたくないのは刃が怖いから
息子は電動ヒゲソリを使った時の予測がつかず、剃ったら顔をケガするかもしれないという怖さがあったようでした。
ある日、息子とドライブに出かけた帰り道、息子が本音を話してくれました。
車内で、いつもより多弁な息子にさらりとヒゲソリについて聞いてみたところ、学校での体験を話してくれました。
同級生で早くにヒゲの生えた子が、ヒゲソリをして顔に傷を作り、学校へ来たのを見て「怖い」と思ったそうです。
おそらく、同級生の子は手動のカミソリを使い、あやまって刃を横にすべらせたのでしょう。
電動は安全だと分かっている私には、これまでずっとヒゲソリを拒否し続けた息子の気持ちが全く分からないままでした。
ですが、この時初めて息子の拒みたい気持ちを理解できたのでした。
その場で私は、電動式と手動式との違い、安全性などを息子がイメージしやすい形で説明しました。
すると、「週末に父さんに聞いてやってみようかな」という言葉を聴くことができたんです!
4.自らヒゲを剃れるようになる
電動ヒゲソリの安全性を体験して理解した息子は、今では一人でジョリジョリとヒゲソリができるようになりました。
受け入れるかどうかは「安心できるかどうか」だったようです。
また、安心だと伝える側の大人が息子にとって信頼できるかどうかも問題だったように思います。
うちの場合は、思春期以降に親子関係が良いとは言えませんでした。
息子の本音は、私が発達科学コミュニケーションで学び、関係性を改善できたから聞けたことでした。
身だしなみを整える必要は分かっていても怖くてできなくて…どうしていいのか分からず困っているのは本人です。
親にできることは、製品の安全性を伝えることはもちろんですが、それ以前に子どもが安心して本音を伝えられる環境づくりではないでしょうか。
この記事が子育ての一助になれば嬉しいです。
パステルキッズの学校生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆者: 宝井あつみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)