切り替えが苦手な子どもの行きたい気持ちを引き出すダンドリの仕方

子どもの希望で決めていた休日のお出かけなのに目の前の好きな事に没頭しすぎて時間通りに出発できるかイライラ、ハラハラすることないですか? ママが子どもの特性を知って対策することでパっと切り替えてスッと出発できるんです。
 
 

【目次】

 
 

1.子どもが行きたいと言ったのに!ハラハラ、イライラが止まらない

 
 
好きな事に夢中になりすぎて切り替えができず、せっかくのお出かけが台無しになる事はないですか?
 
 
我が家には自閉傾向のある小学一年生の男の子がいます。視覚優位で動画が大好き、見始めたら止まりません。
 
 
そんな息子の一番の困り事は切り替えができないことです。
 
 
子どもが行きたいと言っていた場所へのお出かけなのに、当日になると今やっている目の前の事に夢中になってやめられず、出発までにとても時間がかかります。
 
 
時間がかかっても出かけられれば良いのですが、急に子どもの気が変わってせっかくの計画をキャンセルする事もありました。
 
 
 
 
行きたいと言っていたんだから早くして!
 
自分で行きたいと言っていたのにどうして出発できないの!
 
行きたいと言うから計画したのに、行きたくないなんて!
 
わたしはどうして子どもを気持ちよく行動させてやれないの?
 
 
と切り替えできず時間通りに行動できないことは、私のしつけの悪さや子どもの理解力のなさだと思っていました。
 
 
子どもの困りごとは自分や子どものせいだと思っての対応は、子どもにとっては理由も分からずただ怒られるだけの辛いものになっていました。
 
 
対応するわたしも自分を責め、子どもを叱るという悪循環で苦しいものでした。
 
 
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2.子どもの特性に合わないコミュニケーションが問題でした

 
 
私たち夫婦はいつも行き当たりばったりの行動が多く、予定は決めていても現地調査をせず、行ってからの行動はその場、その時の状況で決めていました。
 
 
この親の行動が息子には合っていなかったのです。
 
 
発発達グレーゾーン・自閉傾向の子どもに見られる特性のひとつに「見通しを立てるのが苦手」なところがあります。
 
 
自分で先の見通しが立てられないため、外出などいつもと違う行動をするときに不安を感じやすくなります。
 
 
この不安が今やっている楽しい事はずっと続けていたいというこだわりとなり、行動の切り替えがしにくくなっていたのです。
 
 
また、この行動の切り替えがしにくくなる行動の裏には理性をつかさどる前頭前野の働きが影響しています。
 
 
発達グレーゾーン・自閉傾向のある子どもは前頭前野の発達が未熟なため、理性を自分でコントロールすることが難しいのです。
 
 
そのためやるべきことよりも目の前の楽しい事に没頭して切り替えができないのは無意識に起きていることで本人にもどうしようもありません。
 
 
 
 
予定が決まっていない事で親側もあたふた、親もあせっているし行先しか分からないのに早く支度をしろという親の行動は子どもを不安にさせるだけでした。
 
 
一日の活動を始めるまでのルーティンがありそれができなくなるのではという不安もあったと思います。
 
 
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3.行きたい気持ちを引き出すダンドリのポイント

 
 
いままでの対応は子どもに合っていなかった事に気づいた私は、見通しを持って不安なくお出かけ出来るように当日のダンドリをすることにしました。
 
 
子どもの行きたい気持ちを引き出すために次のポイントに気を付けてダンドリを進めました。
 
 

◆①子どもと一緒にダンドリする

 
 
親が勝手にダンドリをしたのでは意味がありません。
 
 
子どもの行きたい気持ちを引き出すダンドリをするには子どもも巻き込むこと、子どもと一緒にダンドリをする事が大切です。
 
 
お出かけ前日、まずはテーマパークでやりたい事から決めて行きたい気持ちをキープする事から始めました。
 
 
「着いたら一番にやりたい事は何?」
「買い物!」
 
 
「いいね!その次は?」
「…」
 
 
「お母さんはね。潜水艦に乗って魚を見るのに乗りたいな」
「それ!乗りたいと思ってた!」
 
 
「それから、それから?」
「タワーに乗ってみたいな」
 
 
「いいね!他には?食べたいものもあったら教えて」
「スムージー!」
 
 
子どもの考えが止まった時にはこちらがサポートをしながら、子どもが言った事には全て「いいね!」と肯定をしていきました。
 
 
そして全部こなせるかどうかは別にして乗りたいアトラクション、やりたい事、食べたいものなどを聞き出しました。
 
 
それと、忘れてはならないのが当日の出発するまでの行動です。
 
 
「起きたら出発まで何やるの?」
 
 
「起きたらYouTubeを見ながら着替えるよ!」
「ご飯食べて、ゲームしたらレゴランド!」
「いいね!」
 
 
「帰ったら、買ったおもちゃで遊ぶよ!」
「もちろん!」
 
 
出発までの子どものルーティンと帰ってからやる事が家族全員で確認できました。行動の確認ができたことで出発までのイライラも軽減されます。
 
 
決めた内容はあとで目で確認できるように、ホワイトボードに書いて残しておきました。
 
 

◆②ゴールからの逆算でダンドリする

 
 
お出かけ当日、息子は宣言通りに日課の動画を見始めましたが、思ったより着替えが進みません。
 
 
このままでは出発時間がいつになるか分かりません。
 
 
そこで前日に書き出したやりたい事リストを見せて、お出かけへのモチベーションを確認しました。
 
 
時間を意識しながら行動を促すには、ゴールの時間から逆算して伝えていくことが重要です。
 
 
テーマパークの閉園時間をゴールに設定をして、ホワイトボードに時間を書き込みながら説明していきした。
 
 
・テーマパークが閉まるのは〇時
 
・やりたい事全部やるにはこれくらい時間がいるから〇時には到着してた方がいいかな。
 
・家からテーマパークに到着する時間はこれくらいだから家は〇時に出発した方がいいね。
 
 
横目でチラチラ時計を見比べながら聞いていましたが、突然「着替える!」と言って一気に着替えを済ませゲームをして時間通りに出発することができました。
 
 
 
 
発コミュを学び始めて、子どもの困りごとには子どもの脳の発達の特性によるもので、親のせいでも子どものせいでもない事を学ぶことができました。
 
 
特性を理解して接することで、いままで困りごととしか見れなかったことをどうやったら解決できるのかという視点で捉え、対策を考えて行動するようになりました。
 
 
そうすることで子どもが自分から行動することができていくので、子どもも親も気持ちよく過ごせるようになってきていますよ!
 
 
 
 
 
 
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執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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