楽しみにしていた小学校生活に立ちはだかった「一斉指示」の壁!親子で課題を乗り越えた秘策とは?

 
楽しみにしていた小学校入学。初めは楽しそうに通っていたけど、なんだかたまに様子がおかしい…。もしかすると小学校での集団生活で「一斉指示」が困りごとになっているのかもしれません。我が家が「一斉指示」の問題に親子で立ち向かい乗り越えた秘策をご紹介します!
 
 

【目次】

 
 

1.楽しみにしていた小学校生活なのに…

 
 
お子さんが楽しみにしていた小学校入学。新しいお友だちもできて楽しそうに通っていたけど、学校の様子を聞くとなんだかたまに様子がおかしい…。
 
 
 
 
我が家の9才の息子がまさにそうだったのですが、本人もなかなかうまく言語化できなかったのか、しばらく理由がわかりませんでした。
 
 
そんな状況がしばらく続いたのですが、ある日息子が
 
 
「先生がぼくのことばっかり怒る」
 
 
と言いました。
 
 
そんなことってあるのかな?と思いながらも本人が悩んでいるようだったので、担任の先生に相談してみました。
 
 
担任の先生はもちろんそのような意識はないのですが、授業が始まるときに教科書等の準備ができていなかったり、その時やることと違う行動をしている息子に注意をすることが確かに何度かあったそうです。
 
 
息子もそうなのですが、発達が凸凹のお子さんは、大人の声色の変化にとても敏感です。そして、みんなは何も言われていない場面で自分だけ注意をされると、自分だけ怒られていると感じてしまいます
 
 
なぜほかの子が注意を受けずにできていることが一人だけできない状況になるのかというと、一斉指示の通りにくさが原因かもしれません。
 
 
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2.一斉指示が通らないのはなぜ?

 
 
なぜ一斉指示が通らないのかというと、いくつかの原因があるのですが、発達が凸凹なお子さんの代表的な原因が2つあります。
 
 

◆①口頭の指示が頭に入らない

 
 
発達が凸凹なお子さんは、目で見た情報は得意だけど耳で聞いた情報が苦手ということが多いです。これは、視覚優位という脳の特性のひとつです。
 
 
視覚優位なお子さんは、音を耳で拾ってはいるのですが、意味を理解していません。よく右から左と言いますが、まさにそのイメージです。
 
 
本人は悪気がないのですが、目は合っているのに返事をしなかったりするので、ボーっとしているように感じたり、意図的に無視しているように感じることもあります。
 
 

◆②あいまいな指示が理解できない

 
 
発達が凸凹なお子さんは、あいまいな言葉の意味を理解するのが苦手で、暗黙の了解が通じません
 
 
たとえば先生が、
 
 
「それでは授業を始めます。」
 
 
と言った場合、その裏には「だから、教科書・ノート・筆箱を机の上に出しましょう」という暗黙の了解が存在していますが、それが理解できません。
 
 
 
 
そのため、先生から見るとひとりだけ机に何も出さずにボーっとしているように見えてしまいます
 
 
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3.我が家の困りごと対策

 
 
一斉指示が通らずに注意をされている息子の脳の特性を踏まえて、我が家が当時おこなった対策をご紹介します。
 
 

◆①みんなの前で注意するのを控えてもらう

 
 
先生にはそのつもりはないし、ほかの子もそう思っているかはわかりませんが、息子にとって注意されることは「自分だけ怒られている」と感じ、恥ずかしい想いをしてしまいます。
 
 
そのため、先生に息子の気持ちを伝えてみんなの前で注意をするのではなくこっそり本人にだけわかるような形で注意してもらえないかと相談しました。
 
 
そうすることで、本来やるべきことをするように促してもらう目的は果たしながら、息子の自尊心が傷つき自信を失うのを防ぐような配慮をお願いしたのです。
 
 

◆②段取りチェックシート

 
 
一斉指示を聞いても動けない息子のために、本人から以下のような場面の段取りを確認しながらチェックシートを作りました。
 
 
 
 
通常の授業、教室を移動する授業、給食当番の時とそうじゃない時の給食の時間。それぞれ始まるときと終わるときの段取りをまとめれば、一年生の学校生活のほとんどのパターンが網羅できます。
 
 
チェックシートの粒度としては、ノートを出す、筆箱を出す、など具体的な行動を書くようにして、文字だけでなくイラストを付けました
 
 
そうすることで、視覚優位で目で見たものは理解できるという特性と、あいまいな指示が苦手という特性の両方をカバーできます。
 
 
そしてこのチェックシートは、周りの人からから変な目で見られないように、筆箱に入るサイズに切ってラミネート加工をしました。
 
 
結果的にこのシートは、息子の場合はそれほど頼るシーンがなかったそうなのですが、筆箱の中に入れてあると心強く感じるお守りのような存在になったそうです。
 
 
いかがでしたでしょうか。お子さんが楽しみにしていた小学校生活の困りごとを解消してあげることで、これからもっともっと楽しい思い出を作っていけるのではないでしょうか。
 
 
 
 
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執筆者:大谷聡志
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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