子どもが不登校になったら引け目を感じて疎遠になりがちなママ友・ご近所付き合いです。自分のためにも子どものためにも適度な距離感で以前と変わらないお付き合いを続ける秘訣をお伝えします。
【目次】
1.不登校協力隊結成がママ友との距離感がわからず険悪に
2.子どもが不登校になったらママ友とこじれた理由
①サポートの対象が子どもになったらこじれた
②不登校になった理由を伝えられずこじれた
3.こじれたママ友との距離感を修復する3つのポイント
①伝えたいことは感謝の言葉でサンドイッチ
②子どもの特性を伝える
③ママ友とは対等の関係を意識する
1.不登校協力隊結成がママ友との距離感がわからず険悪に
小2の不登校の息子がいる私には心強い子育ての味方がいます。
その名も「ご近ジョーズ」
出産後間もなく新居に引っ越してからのご近所仲間が、子どもが不登校になってから結成してくれた不登校協力隊です。
子どもが不登校になってから自信をなくし、不安だらけ、人目を避け、毎日怯えて過ごしていた私を助けてくれました。
・不登校になったからって心配はいらない
・勉強する方法はいくらでもある
・ママが元気になることが先
子どもが不登校であることをママ友は当たり前の様に受け入れてくれました。
近所の小児精神科や行政のサービスなど相談先はたくさんありましたが、どれも上辺だけの対応に感じていた私には、こんな近くに頼れる場所があったんだ!と心強く感じました。
はじめは私の話し相手になってもらうことをお願いして月に1〜3回、2時間程度、お茶を飲みながら大人だけで雑談をしていました。
人が家に入ることを嫌がっていた子どもですが、慣れてくると大人の輪に入っておやつを食べるようになったり、トランプをしたり一緒に過ごす時間が増えてきました。
ご近ジョーズに打ち解けてきたタイミングでママ友が勉強をしていない子どものためにと、かるた大会を企画してくれました。
読み書きが苦手で勝ち目のない勝負をしたくなかった子どもはかるた大会を拒否をしてTVゲームを始めてしまいました。
とても順調にいっていたご近ジョーズの集まりですが、このことをきっかけにママ友との関係がこじれ、距離感を感じるようになりました。
2.子どもが不登校になったらママ友とこじれた理由
どうして順調にいっていた不登校応援隊との距離感が崩れたのでしょうか?その理由を説明します。
◆①サポートの対象が子どもになったらこじれた
ご近ジョーズ結成の際に私がお願いをしたのは「私の話相手になる」で私に対するサポートでした。
家族以外との接触がなく、メリハリのない生活を送っていた私に外の刺激に触れる時間、子どもとの距離を取る事を目的としていました。
それが、子どもが大人の輪に入って一緒に活動を始めたことでいつの間にかママ友の中でサポートの対象が「子ども」に切り替わっていました。
・〇〇くんにひらがなを覚えさせよう
・〇〇くんを外に連れ出そう
・〇〇くんに作らせよう
子どもは「〇〇させよう」を察知して、自分のペースを乱してくるご近ジョーズの集まりを嫌うようになってしまいました。
ママ友の働きかけに応じない、外出ができないなど一定のところから進展がないなど、ご近ジョーズのサポートの効果が現れない焦りもあったようです。
子どもが不登校になってまだ自分から動く準備が整っていない子どもを家族ではない他人が動かすのは無理があります。
不登校の子どもに限らず、相手を動かすにはその人とのよっぽどの信頼関係が築けていないとできません。
サポートの対象が子どもに移ってしまい、頑張ってサポートしているのに効果が感じられない焦りがご近所ジョーズの怒りとなって私に向けられたことで距離感が崩れてしまいました。
◆②不登校になった理由を伝えられずこじれた
登校渋りや不登校の児童数が増えてる現在、ご近ジョーズ自身も登校渋りや不登校の問題を抱える身内がいて不登校への理解はありました。
けれど学校という環境が子どもに合わなかった理由である子どもの特性については、話す必要性を感じていなかったため詳しく話したことがありませんでした。
・読み書きになんらかの特性があり苦手なこと
・とにかく今は不安が強く外出できないこと
・感覚過敏があること
どれも子どもが持っているもので本人にしか分からない感覚で強制的に変えられるものではありません。
・どうしてひらがなが嫌いなの?
・どうして外に出ないの?
・なんでいろんなものが食べられないの?
子どもなら無条件で喜びそうなことに興味を示さない子どもに疑問を感じ、何も対応していないように見える私に違和感を持ったようです。
3.こじれたママ友との距離感を修復する3つのポイント
引っ越してきてからたくさん助けてもらってきました。
実家が遠く、すぐに頼れる身内が傍にいない私にとっては大きな支えとなる存在のご近ジョーズ。
このまま何もせずに距離感が増していくのは悲しいし、私達のためにしてくれていることも無駄にしたくありませんでした。
そこで、子どもの特性を知ってもらい、私の本当の気持ちを伝える決心をしました。
こじれたママ友との距離感を修復した3つのポイントをお伝えします。
◆①伝えたいことは感謝の言葉でサンドイッチ
まずは感謝の言葉で会話をスムーズにスタートさせます。
そうすることでママ友がこちらのお願いを受け入れてくれやすくなります。
そして伝え終わった後は伝えっぱなしにせず、感謝の言葉を伝えます。
1度の会話でこれまで受けてきたサポートのママ友への感謝を2度伝えることができます。
しばらく連絡を取らず距離感を持って過ごしていましたが、心配をしてくれていることは今までの付き合いから分かっていたので、
「いつも心配してくれてありがとう。子どもが伸び放題だった髪を切らせてくれました。みんなのサポートのおかげです。とても嬉しいです」
と子どもの良い変化を感謝の言葉に挟んだメッセージを送りました。
すると子どものその変化を喜んでくれて、再度かるた大会を企画してくれました。
◆②子どもの特性を伝える
今までは、不登校になった理由を子どもが学校に合わないタイプで集団生活が苦手ということだけ、お話していました。
かるた大会を再企画してもらいましたが、このままでは同じ結果になると思い、子どもの特性について伝えることにしました。
・集団でのお友達のガヤガヤした声が気になる
・質問への回答に時間がかかる
・食感や味に敏感で偏食である
・好きなことに没頭しやすい
・行動や感情の切り替えが苦手
・読み書きに苦手なところがある
・完璧主義で勝ち負けにこだわりがある
楽しい企画への感謝の気持ちを伝えると同時に、子どもの特性からかるた大会はハードルが高いことを伝えました。
するとどんな対応をするのが息子にあっているのか?とママ友から質問が返ってきました。
こちらの伝えている気持ちに寄り添ってくれ、ママ友との距離感が縮まるのを感じました。
◆③ママ友とは対等の関係を意識する
サポートする側とされる側、サポートをしてもらっていると思えば私の立場は下になってしまいます。
けれども元はご近所のママ友同士、優劣はありませんでした。
そもそもすべての人間関係、人とのコミュニケーションは対等でないとうまくいきません。
遠慮はせず堂々と、私の素直な気持ちをありのまま伝えることを意識しました。
子どもの特性に対して必要な対応を聞いてくれたママ友に、子どもの気になる行動はスルーしてほしいことと、大人が楽しんでいれば子どもも興味を持つから私を楽しませると思って来て欲しいことを伝えました。
最後に暖かく見守ってくれる気持ちへの感謝のメッセージを送りました。
かるた大会当日、どれだけ私の気持ちが伝わったのか不安でしたが、ママ友は私がお願いした通り子どもの様子を見守りながら楽しい雑談をして終わりました。
ご近ジョーズの懐の大きさを実感し、ママ友を信じて素直な気持ちをぶつけてよかったと思いました。
もちろん解散した後は、楽しい時間を過ごさせてもらった感謝の気持ちと、今までの関係を崩さずにこれからもお付き合いができる喜びを伝えました。
助けてもらっているからと遠慮せずフラットな気持ちで、感謝の言葉と一緒に素直な気持ちを伝えることでいままでの関係を取り戻すことができました。
子どもが不登校になったら人目を避け、人とのコミュニケーションが減ってしまいがちですが、案外身近に心強い味方はいるものです。
サポートを受ける側が弱い立場にいてはサポートを受けることが辛くなってしまいます。
相手に伝わりやすい感謝のサンドイッチのコミュニケーション術で伝えたいことは伝えると、相談に乗ってくれるママ友とも対等に最適な距離感を保つことができますよ。
子育てだけじゃない一生モノのコミュニケーション術が学べます
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)