不登校中の家庭訪問なんて、正直イヤ…。子どもが嫌がるのに無理に会わせる必要ある?先生に部屋を見られるのも気が重いし、「ダメな親だ」と言われそうで構えてしまう。そんな私が、先生が家に来るのがちょっと楽しみに変えられた秘訣をお伝えします。
【目次】
1.不登校中の家庭訪問って断わってもいいの?
2.先生が家に来る理由と家庭訪問の目的
3.家庭訪問がイヤだった私の気持ちの変化を与えたコミュニティ
4.先生が家に来る前にできること、家庭訪問を活かす具体的な方法
1.不登校中の家庭訪問って断ってもいいの?
不登校中に先生が家に来ることをを苦痛に感じて、断りたいと思っている保護者は少なくありません。
子どもが元気で、家庭が落ち着いていることが確認できれば、事情を説明して家庭訪問を断ることは可能です。
ですが、家庭訪問が行われる理由を理解し、事前に担任の先生としっかり連携を取っておくことで、安心して先生を迎えられるようになります。
家庭訪問は最も身近で受けられる不登校支援です。ちょっと考え方を変えて上手に活用してみませんか?
この記事では、先生が家に来る理由と、先生との連携を取ることで我が家の不登校生活が好転していった事例をもとに家庭訪問を活用するための秘訣をお伝えします。

不登校の子どもをお持ちのみなさん、担任からの電話連絡や家庭訪問をどのように感じていますか?
・不登校が受け入れられず連絡を取りたくない、連絡を取るのが億劫
・不登校中のだらしない子どもの様子を知られたくない
・子どもを不登校にしたダメな親だと思われてるんじゃないかな
親としてはそんな気持ちが先立ってしまって、子どもが不登校になると学校や先生との接触をなるべく避けたくなってしまいますよね。
子どもからしてみても、学校生活が嫌で不登校になっているのですから、学校からの電話連絡や先生が家に来ることを負担に感じるケースも多く、親としては断りたくなるのも当然です。
2.先生が家に来る理由と家庭訪問の目的
では、なぜ先生は家庭訪問をするのでしょうか?それは、不登校の子どもの安全や心身の状態を確認し、子どもと家族を支援するためです。
文部科学省も不登校支援の一環として家庭訪問の重要性を示しており、学校と家庭が連携を深めることを推奨しています。
令和元年に文部科学省から積極的に家庭訪問を行い、不登校の子どもや家族を支援していくように通知が出されました。
文部科学省から通知が出た以上、先生には家庭訪問をする義務があります。
しかし、その目的は不登校の子どもを無理に学校に連れ戻すことではなく、社会的に自立することを支援することです。
不登校や引きこもりの子どもにとって、先生が家に来ること自体が大きなストレスになることがあります。
だからと言って、家庭訪問の意味がなくなるわけではありません。学校との連絡や子どもの様子を確認することはとても大切です。
ただ、必ずしも「家でなければならない」という決まりはありません。
もし子どもが外出できるなら、公園や下校後の学校の近く、カフェなど第三者の目がある落ち着いた場所で会うのも良い方法です。
場所を変えるだけで子どもの緊張が和らぎ、自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。
先生にも相談してみて、お互いにとって負担の少ない場所を一緒に考えていくことも大切ですね。

感覚過敏があって外出を好まないお子さんには家庭訪問となりますが、ママもお子さんも先生が家にくることを楽しみになる秘訣をこのあとお伝えしますね。
3.家庭訪問がイヤだった私の気持ちの変化を与えたコミュニティ
私も小学2年生の息子が不登校になって1年半になります。最初は、学校からの電話や家庭訪問を断れず、渋々対応していました。
電話連絡は子どもに隠れて状況説明をし、家庭訪問の際は先生を避ける息子と、忙しい合間をぬって来てくださる先生との間で戸惑うばかり。
当時は、子どもの不登校を受け入れられず、学校に戻ることが全てだと思っていました。
しかし、発達科学コミュニケーションに出会い学び、SNSで同じ状況の保護者と交流するうちに、私の考えが変わりました。
不登校でも大丈夫!何より大切なのは、子どもが楽しく過ごせることと、社会に出て孤立せずに生きていく力をつけること。
また、私自身も不登校で社会とのつながりが減り、狭いコミュニケーションの中でしか情報が入らないことに気づきました。
家族だけの狭い価値観から離れ、もっと多くのものに触れられる機会を作ろうと考えるようになったのです。
こうした考えの変化により、最も身近な支援である家庭訪問を前向きに活用しようと決めました。

具体策は次にお話しますね!
4.先生が家に来る前にできること、家庭訪問を活かす具体的な方法
先生、子ども、親の三者が安心して家庭訪問を迎えるためには、親と担任の連携が欠かせません。
そこで私は週に一度、決まった曜日と時間にプリントを学校に取りに行き、先生と直接話す時間を作りました。
そこで話すのは、息子が興味・関心を持っていることだけ。
先生に息子の好きなゲームやキャラクター、遊びの様子を詳しく伝えました。
先生も息子に合わせたコミュニケーション方法を考え、アプローチについて相談し合うことができました。
こうしたやり取りの中で、「家庭訪問を断りたい」という気持ちは徐々に消えていき、毎週、学校にプリントを取りに行き先生と話すことで、先生は私の心強い味方になってくださいました。
私と先生の関係が良くなると、息子の先生への警戒心も薄れ、家庭訪問のたびに会話や外での活動も増えていきました。
私が伝える子どもの好きなこと、興味があること、得意なことをヒントに先生は子どもに合った取り組みに次々とトライしてくださいました。
●学習用タブレットで好きな題材のミッション付きメッセージを送る
●「一緒に外出する」、「鉛筆を持つ姿を見る」などの目標設定
●息子に合う他の先生を連れてきてくれる
●特性を理解した声かけや会話のペース配分
これはほんの一部ですが、忙しい合間を縫って私たち親子にたくさんの時間を作ってくださる先生には感謝しかありません。
最初はテレビゲームやYouTubeに夢中で反応が薄かった息子も、回を重ねるごとにコミュニケーションが増えました。
●タブレットで提出物を確認し、先生からのワークに取り組む
●外でサッカーや鬼ごっこを楽しむ
●先生を自分から遊びに誘う
●好きな歌や作品を披露する
などです。先生に褒められる体験が息子の自信につながり、現在は週1回の学校訪問と面談を継続し、家庭訪問は月2回に増やしてもらっています。

いかがでしたか?ママが先生とコミュニケーションを密にして連携をとれば、子どもも先生と関われるようになります!
親がコミュニケーションを避けると、子どもも周囲との交流のきっかけを失います。社会で必要なコミュニケーションスキルは、必ず子どもを助ける大切な力になります。
先生への感謝の気持ちを伝え続ければ、心強い味方になってくれます。家庭訪問が子どもの未来につながる一つのきっかけにしませんか?
不登校でも大丈夫!ママと子どもの自信の取り戻し方が分かります。
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)