「言葉が遅いだけじゃなかった。やっぱりこの子は発達上の問題がある。」お子さんが2歳になる頃にそう確信したという諸住乃莉子さん。不安だらけの子育てからどう抜け出したのか、今回はその過程とお子さんの現在について伺います。
【目次】
1.やればできる子なはずなのに、なぜやらない?もどかしい日々
2.療育教室で言葉の遅れが改善。私も知識とスキルが欲しい
3.学びでわが子の特性と対応法がわかる、子どもが変わる
4.不安が強い子どもが自らチャレンジする子に変身!
1.やればできる子なはずなのに、なぜやらない?もどかしい日々
「なんだか、うちの子は他の子たちと違うみたい…。なんでうちの子だけ?」発達凸凹の子育てをしていると、どうしても周りと比べて落ち込んでしまうことがあると思います。
「なんで??」の感情に支配される日々から脱却して、本当は、もっと子育てを楽しみたい! その想いを叶えてきた人が、発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)受講生にはたくさんいます。
今回はその中の1人、発コミュ・アンバサダーの諸住乃莉子さんにお話をお聞きします。
諸住さんは、ご主人、現在小学1年生の長男くん、年中の次男くんとの4人家族。 インタビュー前篇では、長男くんの言葉の遅れに始まった子育ての悩みから発コミュとの出会い、 その後のお子さんの変化・成長について伺います。

ーーーお子さんの発達に何かあると気づいたのはいつ頃でしたか?
「いちばん始めは1歳半検診のときです。言葉の遅れを指摘されました。ただそのときは、男の子は言葉が遅い子もいるという話も耳にしていたので、あまり気にしすぎなくても良いのかなと思っていました。
しかしその後、2歳を過ぎても言葉が出ないし癇癪もひどい、保育園では色々な活動に参加したがらなくなることが増えていきました。言葉が遅いだけじゃなかった、やっぱりおかしいと思いました。」
ーーーお子さんの様子で特に気になったことは何でしたか?
「これをやってみない?と何か提示されたときに、とにかく『いやだ、やらない!』と拒絶していたことです。
・集団遊びが嫌
・絵具や砂場での感覚系の遊びが嫌
・トイレトレーニングが嫌
保育園では先生のお話を聞く場面や、みんなで活動する場面で興味がないとフラフラと立ち歩いてしまう。
多少嫌なことや苦手なことがあるのは仕方ないけれど、それにしてもできないことが多すぎると思いました。 こんなに小さいうちから「やらない」ばかりで大丈夫?どんどんわがままになっちゃうかも…
やってみればできないことないはずなのに、他の子は素直にやっているのに、わが子だけ頑なに拒否する理由がわからず、もどかしさと不安でいっぱいでした。」

2.療育教室で言葉の遅れが改善。私も知識とスキルが欲しい
ーーーその後どこかに相談・対応しましたか?
「保育園を通じて地域の療育センターに相談後、民間の療育教室に週1度通いました。
体験に行ったときに、息子の課題点や考えられるサポート方針を具体的に提示して下さり、それにとても 納得できたことが決め手でした。」
ーーー療育教室の効果はありましたか?
「ありました。いくつかある息子の課題からまずは言葉の遅れに焦点を当て、会話のキャッチボールが上達しました。
また、先生との遊びの中で新しいおもちゃを使ってみるなど初めてのことにチャレンジする機会も設けていただきました。」
ーーー教室で一定の効果を感じながら、そこから発コミュにはどう繋がっていったのでしょうか?
「マンツーマン指導で高額だったので、現実的に長く通い続けるのは難しかったのと、週1回1時間程度の授業なので、効果があるとはいえやや物足りなさがありました。
通っているうちに、『私が療育の先生と同じくらい知識とスキルがあったら良いのに』と思うように なりました。
週1の1時間じゃなくて、毎日療育ができたら息子はもっと伸びるんじゃないか…そう思っていた矢先、SNSの広告で「お母さんがわが子の専門家になる」という広告が目に留まりました。
これが発コミュとの出会いで、概要を確認してすぐに個別相談を申し込みました。」
3.学びでわが子の特性と対応法がわかる、子どもが変わる
ーーー発コミュの受講はどのように進めていきましたか?
「基礎講座は配信される動画で進めていきましたが、それと併せて月に2回程ある特別な勉強会に必ず参加するようにしました。」
◆ポイント解説
発達科学コミュニケーションでは月に2回程、発コミュ創始者の吉野加容子さんから直接子育てのアドバイスをいただける勉強会があり、受講生なら誰でも参加することができます。
内容は子育ての「相談」ではなく、「発コミュを子育てに活用して上手くいったこと」を共有します。他の参加者も発達凸凹の子育てをしているお母さんなので、リアルな体験談や対応法はとても参考になりますし
そこへ吉野さんからの脳科学的な解説やさらなる対応の一手が理解を深めてくれます。

ーーー勉強会から、具体的にどのような学びを得て、どのように実践にしましたか?
「吉野さんの解説から、長男の特性が言語化されていきました。いくつか挙げると
・長男が『やりたくない』という背景には、不安の強さがありました。 ただわがままで嫌がっているのではなくて、不安だから動けない。
不安を取り除くサポートと、心の準備ができるまでの時間が必要だということがわかりました。
・新しいことに挑戦するときは、視覚情報+言語情報が有効であること。不安を取り除くために、見通しを持たせる工夫が重要でした。
見本など様子がわかる画像や映像を見せた上で、言葉でも説明を加えます。息子は文字を読むのが得意なので、紙に書いてあげると興味を持って読んでくれました。
長男は小学校入学の半年以上前から「小学生になりたくない」と言ってとても気持ちが不安定になって しまっていたのですが、そこにこの学びを活かすことができました。
見学や面談で学校に行くときは必ず同行させ
『保育園で一緒に遊んだ○○くん、どこにいるかな?』
『小学校って図書室とか音楽室とか特別なお部屋があるんだけど、どんなところか見てみよう!』
と誘って、学校で見つけたいものをメモに書いて持っていきました。見学を重ねて少しずつ安心を得たのか、長男は年が明けるころには小学生になることを 楽しみにするようになりました。
また、文字を書くのが苦手だったので、ひらがなを書く練習も工夫しました。」
我が家で実践したひらがな練習の詳細はこちら▼▼
4.不安が強い子どもが自らチャレンジする子に変身!
ーーー現在のお子さんの様子を教えてください。
「4月から小学生になり、学校に通いながら日々色々なチャレンジをしています。
宿題、鉛筆削り、次の日の予定を見て持ち物の準備をするなど始めは文句を言うこともありましたが、 徐々に定着していきました。
学校では、やはり最初は参加できない活動もあります。給食当番がその1つでしたが、2回目に番が回ってきたときに「やってみる!」とおかずのお魚を全員分配ることができました。
その週の金曜日には、持ち帰った割烹着を自分から出してきて、夕食作りを手伝ってくれたんです!「できない」から「やってみる」に気持ちが整うまでの時間が着実に短くなっていると感じます。」

ーーーまた最近、大きな成長があったんですよね?
「そうなんです!学校に1人で登校できるようになりました。登校班がないので各自で行くのですが、5月までは私が教室まで付き添っていて別れ際は毎日泣いていました。
それが6月に入って急に「ここから1人で行くね!」と自分から言って校門で別れました。
次の日から1人で歩く距離を少しずつ伸ばし、翌週には『もう全部1人で行く!』と家の中から見送るようになりました。」
いかがでしたか?なかなかチャレンジできなかった子が、新しい環境でたくましく成長しているのが微笑ましいですね。
子どもの特性の理解と、その子に合った対応を考えることが大事だと改めて感じました。 次回は、諸住さんご自身の挑戦について伺っていきます。
諸住乃莉子さんのインタビュー2回目はこちらから▼▼
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執筆者:諸住乃莉子
発達科学コミュニケーションアンバサダー