5歳の子どもがまったく言うことを聞かない…毎日叱ってばかりで疲れていませんか?実はそれ、「中間反抗期」という成長のサインかもしれません。今回は、反抗期を正しく理解し、ガミガミ言う母親を卒業できた“魔法のABC分析”を紹介します。
【目次】
1.5歳児の言うことを聞かない子育てに疲れていませんか?
2.5歳児が言うことは聞かないのは「中間反抗期」が原因?
3.ガミガミ言う母親を卒業できた魔法のようなABC分析
事例1:弟におもちゃを貸さずに喧嘩していたケース
事例2:トランプで息子が勝てるように助言すると「教えないで!」と怒るケース
1.5歳児の言うことを聞かない子育てに疲れていませんか?
5歳の子どもがまったく言うことを聞かない!何度指示を出しても「イヤ!」ばかり。
弟には意地悪、わざとやってる?と思うような行動ばかりで、ママのやることはどんどん増えていく……。
「反抗的な態度にイライラする」 「今日もまたガミガミ言っちゃった」 「感情的になるのはやめたいのに」 そんな自分に自己嫌悪になっていませんか?
忙しい日々の中で、子どもが思うように動いてくれなかったり、良かれと思って声をかけたのに、反抗的な対応をされると、最初は穏やかに対応していても、ついガミガミ言ってしまいますよね。
でも、5歳の子どもが言うことを聞かないのには、ちゃんとした理由があるんです。
その理由を知って、子どもの行動を観察する視点をてると、ガミガミ言う母親から卒業することができるんですよ。

以前は、わが家も仕事から帰ってきて寝るまで限られた時間しかないのに
・「お風呂に入ろう」と何度声をかけても「いやだ!」と全力拒否
・「〇〇先にしよっか?」と提案したら「今からしようと思ってたのに!」と怒り出す
・困っている時に手助けをしようとすると「もう、教えないで!」と怒りだす
・眠たそうだからから、「お布団行こっか」と言うと「まだ眠たくないって!」と反抗的
何をどう伝えても反抗的な様子に、最初は優しく伝えていても最終的にドカン!と怒鳴りつけてガミガミ言う母親でした。
子どもの気持ちが済むまで待ってみたり、声かけをかえてみたり、育児本で学んだことをやってみても、まったくうまくいきませんでした。
ですが、発達科学コミュニケーションの講座でABC分析を習って、子どもの行動を観察するようになってから、ガミガミ言う母親から卒業できたと感じています。
今回は、5歳の言うことを聞かない子育てに疲れているママに、5歳の子どもが反抗的になる理由とガミガミママを卒業するためのとっておきのABC分析について紹介します。
2.5歳児が言うことは聞かないのは「中間反抗期」が原因?
実は、5歳前後は「中間反抗期」に差し掛かるタイミングと言われています。
中間反抗期とは、第一次反抗期(2~3歳)と第二次反抗期(思春期)の間に起こる、小学校低学年ごろに見られる反抗的な態度のこと。
この時期の子どもは、自分で決めたい、干渉されたくない、自分の考えを主張したいなど、自立心の芽がどんどん育っていきます。

中間反抗期でみられる特徴として
◆自立心の芽生え
自分の意志や考えを持つようになり、親から自立しようとする気持ちが芽生える
◆環境の変化
年長さんとしての周囲からの期待や小学校入学など、新しい環境での生活がストレスが多い
◆自己主張
自分の存在をアピールするために、親に「自分の考え」を認めてほしい気持ちのあらわれ
こうした背景を知ると、子どもが言うことを聞かずに反抗的な態度をとってしまうのも納得できてきますよね。
反抗的な態度は、子どもも自分の意思が育ってきた喜ばしい成長の証だとわかっていても、実際の生活では反抗的な態度をとられると、ママもイライラしてしまいますよね。
3.ガミガミ言う母親を卒業できた魔法のようなABC分析
そこで私が取り入れたのが、子どもの行動を冷静に観察するための「ABC分析」でした。
ABC分析とは、子どもの「困った行動」がなぜ起きるのかを【A:きっかけ】【B:行動】【C:結果】という3点の視点から観察する行動心理学の手法の一つです。
A(Antecedent)=きっかけ:行動が起きる直前の状況
B(Behavior)=行動:実際に子どもがとった行動
C(Consequence)=結果:その行動のあとに起きたこと(大人の反応など)
このABC分析でとくに大事なのが、「C=結果」の部分です。
というのも、C=大人の関わり方(反応)によって、子どもの困った行動が今後も続くかどうかが決まるからです。
「C=結果」は、親からの“注目”であり、次の2つのタイプがあります。
肯定的な注目:笑顔で声をかける、褒める、うなずく、温かい言葉で反応する
否定的な注目:怒る、叱る、ため息をつく、イライラした声で反応する
どちらも“注目”であることには変わりません。
でも、子どもは「注目されること」を求めて行動するため、怒られたり叱られたりすることでも注目されたと感じてしまい、困った行動がかえって強化されてしまうことがあるんです。
だからこそ、まずママができることは、「C=結果」である大人の関わり方を変えること。
つまり、「その困った行動のあとに親がどんな反応をするか?」を変えることで、子どもの行動が“増える”のか“減る”のかが変わっていくのです。
私たち大人の反応が、子どもの行動のスイッチを押してしまっていることもあるんです。
たとえば、私が怒って注意すればするほど、子どもは“また同じ行動”を繰り返すようになってしまったことも…。
でも、逆に「C=結果」を意識して変えてみると、少しずつですが困った行動が減っていったんです。

では実際に、私がABC分析を通して気づいたこと、そしてCを変えてみたことで行動がどう変わったのかについて、具体的な事例をご紹介しますね。
◆事例1:弟におもちゃを貸さずに喧嘩していたケース
まず、ここで子どもの困った行動(B)は、弟におもちゃを貸さずに怒鳴りつけていた行動になります。
なので、私は
A:ママが家事をしていているときに、長男が遊んでいたおもちゃを弟が取りに来た
B:長男はおもちゃを貸さずに、「ダメって言ってるでしょ!」と弟を怒鳴りつけた
C:私が「なんでそんな意地悪するの!貸してあげてよ」と注意する
このように書き出しました。
このように困った行動を何度かABCで見ていくと、必ず「喧嘩になる前に長男が先に使っていた」「弟がおもちゃを奪いに来た」パターンばかりだと気づいたんです。
つまり、息子はわざと意地悪しているのではなく、「自分が使っていたものを横取りされた」ことが嫌だっただけでした。
そこに気づいてからは、まず息子の気持ちを受け止めて、「今〇〇君が遊んでたもんね。順番に使えるようにしようね」と声かけを変えるようになりました。
私の対応を変えたことで、兄弟喧嘩の数が劇的に減りました。
◆事例2:トランプで息子が勝てるように助言すると「教えないで!」と怒るケース
このケースも同様に、ABCを書き出していきました。
A:家族でトランプをしているときに、息子が勝てるように良かれと思って 「こっちの方がいいんじゃない?」とアドバイスした
B:「もう、教えないで!」と怒って泣いた
C:「負けたら怒るから、勝たせてあげようと思ったのに…」とママがイライラする
ABC分析で見ていくと、息子は“人に教えられて”というより“自分で考えて勝ちたかった”という気持ちがあったのだと気づきました。
そこからは「応援してるよ」「困ったら言ってね」と見守るスタイルに切り替えたことで、息子のイライラも減っていきました。
このようにABC分析を使うことで、子どもの「困った行動」の裏にある気持ちが見えるようになり、ガミガミ言う回数がどんどん減っていったのです。
5歳児が言うことを聞かないのは、自立の始まりという成長のサイン。とはいえ、ママが疲れ果ててしまっては本末転倒です。
そんなときに役立つのが、「ABC分析」に当てはめてみて子どもの様子をよく観察することです。
ぜひあなたも今日から、ガミガミママを卒業する第一歩を踏み出してみませんか?
「ガミガミ言う母親」を卒業したい方はこちらもお読みください!
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)