会話の中でせっかく褒めても、子どもから「でも…」と返されてしまうことはありませんか?HSCや発達障害の子が「でも…」と言う理由や、どのように肯定的なコミュニケーションをとったら良いのかについてお伝えします。 |
【目次】
1.会話の中でせっかく褒めているのに…
「子どもは褒めて育てましょう」という言葉、あなたもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「そうよね!褒めるのって大事よね!」「褒めたらいいのね!」と思って我が子を褒めるけれど、反応がイマイチということはありませんか?
ママ「わ~!この絵、上手に描けてるね!」
子ども「でも、〇〇ちゃんの方が上手だし…」
(ママの心の声「確かに〇〇ちゃんの方が上手かもしれないけど…せっかく褒めたのに!」)
ママ「すご~い!試験、合格だったんだね!」
子ども「でも、この問題間違えて満点じゃなかったし…」
(ママの心の声「間違えに目を瞑って声をかけたのに、自分で指摘しちゃってるし…!」)
褒めているのに、こんな反応では褒めた甲斐がないですよね。 ひといちばい敏感な子(HSC)や発達障害の子は、どうして「でも…」と言ってしまうのでしょうか?
2.HSCや発達障害の子が「でも…」と言うのはなぜ?
HSCや発達障害の子などの空気を読みすぎる子というのは、周りの人が思っていないことまで見えてしまい、考えすぎてしまうことがあります。
例えば、ママが「わ~!この絵、上手に描けてるね!」と言ったときのことを考えてみましょう。
言葉通りに受け取れば、『ママは自分の絵を上手って言ってくれている』『自分の絵を褒めてくれている』ということになりますよね。
でも、敏感な子はひといちばい周りを良く見ています。 そのため、
「〇〇ちゃんはいつも上手な絵を描いて先生や周りのお友達に褒められている」
「だから自分の描く絵は大したことはない」
「ママの言っているのは多分お世辞だ」
「上手くないのにママは気をつかってくれてるのかな?」
という評定を自分で下してしまうのです。
だから褒められても「でも…」という言葉が口をついて出てしまいます。ママからすれば、せっかく褒めてあげているのに、という気持ちになってしまいますが、分かりやすい褒めでは、このような捉え方をする子には響きにくいのです。
3.褒めらしくない褒めを活用する!
分かりやすい褒めを否定する子には、「褒めらしくない褒め」を活用してみましょう。
発達科学コミュニケーションには、子どもを肯定するための数々のワザがあります。今回はその中でも、「興味をもつ」をピックアップしてお伝えしたいと思います。
誰でも、自分の興味のあることや好きなことに関心を持ってもらうのは嬉しいものです。
例えば、子どもの描いた絵のことに対し、肯定的なコミュニケーションをとりたいのであれば、
「何、描いたの?」
「この部分、どうやって色をつけたの?」
「そうやってやるんだ!知らなかった!」
といった「あなたや、あなたのやっていることに興味をもっていますよ」ということが伝わるような声をかけます。
このような会話は、お世辞でもご機嫌取りの言葉でもないことは明らか。そのため、お子さんから「でも…」という言葉の出てくるスキはありません。
肯定的なコミュニケーションはいうならば、「ママは自分にポジティブな感情を持ってくれている」とお子さんが感じること。 別にありきたりな「褒め言葉」である必要はないのです。
肯定的なコミュニケーションをたくさん受け取った子は、グングン伸びます。 よくある「褒め言葉」も肯定的なコミュニケーションの一種ではありますが、それだけにこだわり過ぎなくてもいいのです。
親子で気持ちよく肯定的なコミュニケーションをとることを大切にしてくださいね!
執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
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