登校しぶりになりやすいHSCや発達障害の子どもたち。子どもが学校へ行きたくないそぶりを見せると親も焦ってしまいますよね。どうしたらすんなり行くのだろう?と悩んでしまいます。今回は、登校しぶり解決への第一歩になる方法をお伝えします。 |
【目次】
1.登校しぶりになりやすいHSCや発達障害の子どもたち
2.親の対応で登校しぶり状態のHSCや発達障害の子どもの体調が悪化することも!
3.登校しぶり解決への第一歩は子どもに「○○」を持たせることが有効
1.登校しぶりになりやすいHSCや発達障害の子どもたち
登校しぶりの状態になってしまったHSCや発達障害の子どもへの対応に困っていませんか?
HSCとは「Highly Sensitive Child」の略で、ひといちばい敏感な子どものことです。
うちの子どもも、小学校高学年になってから急に登校しぶりを起こすようになり、親子で困り果てていました。
「学校に行かなければいけないと思えば思うほど、憂鬱な気持ちが強くなり、学校への気持ちが遠のいてしまう、できれば行きたくない」と言うのです。
私が「なぜ行きたくないの?」と聞いても、
「自分でもなぜ学校に行きたくないのか明確には分からない、分からないけれど、学校に行こうとするとお腹が痛くなったり、息が苦しくなったり、とにかく体調不良になってしまうから辛い、だから行きたくない」という状態でした。
いじめられているわけでもなく、自分でも明確に行きたくない理由を伝えられない場合は、学校という場所の刺激で、ストレスを強く感じている可能性があります。
なぜこのようになってしまうのでしょうか?
HSCや発達障害の子どもは登校しぶりになりやすい特性を持っているのです。
音に対して敏感、匂いに敏感、寒暖差に敏感、服のタグや素材に敏感、痛みに敏感、そしてストレス耐性が弱い傾向にあります。
特に、HSCの子どもは、繊細で傷つきやすく、ちょっとした出来事でも、深く考え悩んでしまいます。
いつも刺激に反応しているということは、気力体力ともに消耗しています。
親から見ると、それほど大変な状況に思えなくても、ストレスがかかって疲れているのです。
そういった理由から、学校に行くとストレスで体調不良になったり、精神が疲れ切ったりしてしまいます。
その結果、登校しぶりが起きるのです。
2.親の対応で登校しぶり状態のHSCや発達障害の子どもの体調が悪化することも!
自分の子どもが「学校に行きたくない」と言い、登校しぶりを起こしたら、ほとんどの親は焦ってしまうと思います。
私もまさにそんな親のひとりでした。
親自身は、子どもの頃、当たり前のように学校へ行き、「学校は行かなければならないところだ」と思い込んでいることがほとんどですよね。学校へ行きたくない子どもを見て親も辛い気持ちが強くなってきます。
私自身は、子ども時代、学校にはほとんど休まずに行っていました。そのため「学校なんて頑張れば行けるでしょう。それでも行けないなんてなまけているのでは?」と正直思っていました。
しかし、目の前の子どもは学校にはどうしても行きたくないと言う。
本当に体調も悪そうだし、頑張っていないわけでもなさそう。
それではなぜ行きたくないの? もしかしていじめられているの?
とにかく子どもに理由を聞いてみよう。学校の先生にも何かなかったか聞いてみよう。
そう思い、まずは子どもや学校の先生から話を聞きました。
しかし、子ども本人に聞いても「自分でもなぜか分からない」と言うし、学校の先生に聞いても「いじめられているということはありませんよ」とのこと。
それではなぜ?と思い、親としてはどんどん追い詰められた気持ちになってきました。
そして、さきほど書いたように、理由がないなら頑張れば行けるはず!どうにかしてでも学校には行かせなければ!! 強引にでも学校に連れて行こうとしていたのです。
しかし、そんな対応をしても、HSCや発達障害の子どもは、すんなり学校に行けるようにはならず、学校に行こうとすればするほど、体に影響が出てきて苦しくなってしまうのです。
むしろ、親からのプレッシャーも加わって、ますますストレスがかかり体調も精神状態も悪化します。
この状態では登校しぶりは解決しませんし、HSCや発達障害の子どもの体調は悪化するばかりです。
実は登校しぶりの対応で必要なのは、親が子どもの特性を理解して、学校に強制的に連れて行くことを手放すことなんです。
3.登校しぶり解決への第一歩は子どもに「○○」を持たせることが有効
それでは、親が学校に強制的に連れていくことを手放したあとは、どうしたらいいのでしょう?
私の取った行動は2点あります。
1点目は、自分の子どもの特性を学校の先生方によく知ってもらい、できる限りの対応をお願いすることです。
実際に、学校に相談したことにより、より良い環境づくりをしてもらうことができました。
最近の学校は、登校しぶりやHSCや発達障害の子どもの特性に理解がある場合も多ので、まずは学校に相談してみることをおすすめします。
しかし、それだけではまだうちの子ども本人は、すんなりと学校には向かえなかったのです。
そこで2点目の行動をすることにしました。
それは、子どもに「自信」を持たせてあげること。
子どもは、行きたくない学校に無理に行かされて、「学校にすんなりいけない自分はダメだ」と自信を喪失している状態でした。
そこで、子どもが「今できていることに注目して、そこを褒める」ことをひたすらやりました。
例えば
朝起きてきたときに「朝起きられてえらかったね!」
着替えたとき「ちゃんと着替えてえらいね!」
好きな工作をしたとき「工作しているんだね!上手にできているね!すごいね!」
このような感じです。
これを毎日続けていくのです。
子どもが日常やっていることを肯定して褒めてあげるだけです。HSCや発達障害の子どもは、自分は認められていると感じ、少しずつ自信を取り戻していきます。
そうすると、自信がついた分だけ行動ができるようになるのです。
ストレスがかかって辛かった学校にも、「行ってみようかな」という気持ちが少しずつ芽生えます。
うちの子どもの場合、自信がついてから学校というとても苦手な場所で、少しずつ楽しさも感じられるようになりました。
具体的には、学校でお友達と過ごす楽しさを改めて感じ、一緒に行事に参加して達成感を味わうこともできるようになりました。学校での出来事もイキイキと親に伝えられるようになったのです。
学校に行けるようになったことで、自信がついて、行動力も上がり、放課後お友達と遊ぶまでになりました。
自信がつくと、お友達との関係も良くなってきます。
子どもは、「お友達が前より優しくなったような気がするよ」と言っていました。それは自信がついたことで、子ども自身が周囲からの行動や言葉に対して、捉え方が前向きになった結果です。
お友達は、うちの子どもが登校しぶりの状態の頃からずっと優しかったのです。先生もクラスのお友達も大きな心で見守ってくれていたのです。
こうして、今ではほとんど登校をしぶることがなくなりました。
ぜひ登校しぶり解決の第一歩として、子どもに「自信」をつけてあげてくださいね。
執筆者:小寺りさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)