もうすぐ休校終わり、学校生活が始まります。他の子よりも言うことを聞かず、みんなと遊べない息子のことで、去年1年間はずっと周囲に謝ってばかりでした。一人っ子だからワガママとか、子育てできていないと思われていそうです。担任の先生やクラスの子、そのお母さんの目が気になる生活が始まると思うと憂鬱です。どうしたら良いでしょうか?
7歳・男の子のママ
入学して1年間、お子さんもお母さんも頑張ってこられたのですね。私も息子が低学年のときは学校にも子どもたちにも謝っていたことを鮮明に覚えています。周りを気にしてしまう気持ちもとっても良く分かります!子どもの発達を促す私の子育てについてお伝えしますね。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 秋村若菜
【目次】
1.発達障害で一人っ子…ワガママとか思われるのが耐えられない!
息子は発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向があり、生まれてからずっと育てにくい子でした。小学校1年生のときはよくトラブルがあり、質問者さんと同じく色々な方へ謝っていたことを覚えています。
息子は言語化が苦手で衝動性があり、よく同級生に手を出していました。支援学級に在籍していたのですが、教室内ではよく暴言を吐いていたようです。学校から連絡があるたびに私は謝ってばかりでした。
息子が登校している間、何事もないよう祈って過ごしていたのですが、帰り道にクラスのお子さん達が息子の悪いところを伝えてくるんです。私はその都度、謝っていました。もうどこにいても気持ちの落ち着かない日々でした。
元々私は、人の評価を気にして生きてきたところがあるので、他の子とは違う我が子に対して、人の目を気にしていました。発達障害のある子は手を出しやすいとか、一人っ子だとワガママというフレーズが耳に入ると、いつまでも心に残っていたのです。
確実に我が子は育てにくくトラブルもある。これは発達障害だから仕方がない、で片付けて自分が謝ればすむ話ではない。とにかくワガママと思われないように、厳しく躾けようとしました。
実際は違うと分かっているのに、普通と思いたい私は、息子に対して期待値が上がっていました。学校から帰宅した直後に宿題をやらせようとしたり、漢字をキレイに書かせようとしたり…へとへとな息子に無理をさせていました。
叱っても言うことを聞かない息子は、不安を感じやすく想像力も弱い。時間の感覚がなくて言語化が苦手。すぐキレる。 育てづらいこの現状に、もうずっと私自身が傷ついていたのです。
自分が辛いと、息子を責めてしまうんですよね。でも事態は変わらないし、親として後悔が残るだけ。どんどん息子は怒りっぽくなり…変える必要があるのは私なのだとわかりました。
2.我が子を丸ごと受け入れるためにできること
良い子と思われたいし、ちゃんと育てている親だと思われたい。ところが人は私たちを大して気にしていません。良い母の顔をするために、周りへ謝るのも違います。人から見てワガママかどうかよりも、大事なことは息子そのものを見ること。
生まれつきの脳の特性により、感覚の敏感で困っているのは息子本人。学校で色々言われたり、自分のことで親が謝っているのを知っている、息子のケアの方がよっぽど大事でした。
私は息子を理解して、丸ごと受け止めようと決めました。何に困っているのか話を聞き出して、少しでも楽になれるように一緒に問題を解決して行きたかったのです。
でも、育てにくさを特性とみなし、特別に関わろうとする親の想いはバレます。自分が人と違っていることを本人も分かっているから辛いでしょうね。僕は困っていない、問題なんて何もない!と、 私の話に聞く耳を持たなくなりました。
一般的な常識に適応させようと厳しくしつけたり、特別扱いして現状を変えようと張り切ることも、どちらも違ったということ。今の自分を否定されたと感じてしまったからです。
次に、私が取り組んだ、否定と捉えられないコミュニケーションについてお伝えしていきます。
3.もう子育てに迷わない!ネガティブなイメージが壊れるくらい成長させる方法
一人っ子の親として気をつけることは、周りの目を気にしてワガママと思われないよう、厳しくしつけようとしないこと!厳しく叱ったり否定していては脳は発達しないのです。
逆に、少しでも生きやすくするためには、脳の発達を促していけば良いのです。それは脳科学と心理学をベースにした発達科学コミュニケーションを習得し、実践することで叶います。
まずは子どもに聞く耳を持ってもらうという親子の信頼関係の土台が必要です。息子の場合、少しでも自分を変えようと思われたら身構えます。今までの注意やダメ出しの積み重ねで自信を失っていて、「親の話なんてろくなことがない!」と思っているようでした。
まず私が取り組んだことは、ダメ出しをやめることでした。言葉遣い・字の汚さ・宿題をやっていないことも大目にみました。
息子は場面の切り替えが苦手でしたが、何回も指示せずに次の行動を促すよう具体的な言葉で最小限の指示にしました。
家で大きな音を立てて動き回るときは注意します。注意=ダメ出しになるので、その分を上回るほど「ヨイ出し」をしました。ダメなところでなくてヨイところを探しまくったのです。
元気・活発・笑顔が可愛い・楽しいことが大好きな子。良いところだけでなくそのままの息子にも注目しました。
・休んでいるね
・その番組が好きなんだ!
・おやつ美味しいね
というように、肯定的な言葉がけを増やしていったのです。
こうして息子の自信を育んでいきました。ネガティブなイメージを壊すくらい脳を発達させたいと私は本気でしたから、毎日欠かさず取り組みました。
学校にも息子の話をもっと聞いてもらいヨイ出しをお願いしました。特別に何かできている訳でなくても日常を肯定してもらい、家でも学校でも同じようにプラスの言葉をかけるようにしたのです。すると変化が起こりました!
怒りっぽかった息子が自分なりに良いところを知り、「僕ってこんなすごいところあるんだよ!」というように、自ら長所を話してくれるようになりました。
学校でのトラブルの連絡も減りました。友達と上手くいくときが増えたり、家では親子で楽しい時間を過ごせるようになりました。以前とは違い、私の話を聞くようになったことがとても大きいです。
ワガママだと思われないようダメ出ししていた過去とはもう違います。母親次第で環境を変えるって本当に大事!おかげで息子は、発達障害であっても一人っ子でも、ワガママではありません。
実際に今、中学生になった息子は、親の想像を超えて落ち着きのある、心の優しい子に育ちました。明るく派手なタイプではありませんが、自分らしく好きなことを楽しんで過ごしています。
驚きなのですが、LINE電話で友達の話しを聞いてあげている姿も見られます。私学の厳しい学校でも場の空気を読み、先生方への対応もしっかりしていて、おそらく周りから見ても、ネガティブなイメージはもたれないと思います。
他人にどう思われているかなんてわかりませんし、どうしようもありません。人の目を気にして学校で無理をさせたり、我が子を変えようとしなくても、自分が大事に育ててきた我が子はとってもいい子なんです!
低学年は手がかかるけど、まだまだ可愛い時期。お母さんの言葉がけで自信をつけてあげましょう!肯定された経験が積み重なることで、子どもは自分の力をどんどん発揮していきますよ!自分とお子さんを信じてくださいね。
新学期、応援しています。
執筆者:秋村若菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)