子どもは現在、幼稚園に通う4歳です。幼稚園のママ友の育児の話を聞いては自分の育児と比べてしまい、自信がなくなってしまいます。私は不安が強いので、すぐに自分の育児大丈夫かな?と心配に。どうしたら他人に流されず、私らしい育児ができるでしょうか?
4歳・女の子のママ
我が子には常に最善の育児をしたいと思うからこそ、自分の育児に自信がもてない気持ちは同じ母親として痛いほどわかります。しかし、お母さんの不安が強いことは強みにもなるんですよ。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.周りと比べながら育児することで子どもに与える影響とは
「私の育児、大丈夫かな?」
「こんな育て方でうちの子はしっかり育つかな?」
常に不安に思いながら育児をされているお母さんは多いのではないでしょうか?
ましてや一人目の子どもとなれば尚のこと神経質にもなります。
そして、お母さん自身の不安が強いと、他人と自分の育児を常に比較するようになってしまいます。
そこでやってしまいがちなのが、他人の育児がより良いものに感じ、聞いたらすぐに自分の育児に取り入れてしまうこと。もう隣の芝生が青く見えてしまうんですよね。
例えば、
「小学校に向けて毎日ドリルをやらせているよ」
「早起きを習慣にしたいから朝は通園バスを早い時間に乗せているよ」
などと、ママ友の話しを聞いて「周りではそんなことをしているの?うちもやらなくちゃ!」とすぐに我が子に実践していませんか?
しかし、今までやらなかったことを突然言われても、子どもは素直にやるはずもありませんよね。
そうなると、お母さんは「〇〇さんのお子さんはしっかりやっているというのに…」と、今度は比較する感情が湧いてくることも。
その結果、意味のない比較を繰り返し怒る毎日を過ごしてしまったら、せっかくの我が子の成長の機会も逃してしまいます。
当然のことながら他人の育児は、そのお子さんに合わせたものになっているはずです。ですから、自分の子どもに取り入れようとしてもうまくいかないことが多いのです。
今回は他人の育児の良いところを取り入れながら、自分の育児に自信が持てる方法を私の過去の出来事を交えお伝えします。
2.他人の育児を取り入れすぎて失敗した過去
私は常に育児に自信が持てない母親の一人でした。もともとの不安が強い気質にプラスして大切な我が子の育児となり、自分の育児には心配しかなかったんですよね。
その頃の私は子どもの性格や我が子らしさを無視して、話に聞く他人の育児を良いものだと信じきって過ごしていました。そこには自分が描いていた理想とする育児は存在すらしません。
その当時の私の口癖は「この人は何を参考に育児しているの?」でした。そして他人の子どもは本当にキラキラして見える!
・お母さん都合でも声をかければ素直に遊びをやめて帰宅していく
・何も言われていないのに、お母さんの用事が終わったタイミングに合わせて子どもが靴を履き帰っていく
そんな他人の子どもの姿を見るたびに、思い通りに育児をして子どもがしっかりお母さんの思いに応えるように育っている姿が羨ましくて仕方ありませんでした。
とても良いものを参考にしているに違いない!と勝手に考え、気持ちの焦りから私はどんどん真似をするようになったんです。
当然のことですが、我が子に合わせた育児ではないのでどんなに実践したところで身になるはずもありません。そして他のお母さんも特別に参考にしているものはなかったのかも知れません。
我が子はというと、私のよく分からない要求に常に振り回され癇癪を起こす機会が増えていきました。子ども自身も混乱して当然ですよね。
自分の物事を見る視野も狭くなり、母親として育児の軸がなく常に周りに流される結果に。不安が強いと自信が持てないので、自分の軸を作るのが難しいんですよね。
ずっと自信が持てない育児をしてきた私だからお役に立てることがあるかも知れません。
3.お母さんの不安が強いことは強みになる!
前項で、不安が強いお母さんのマイナスな面ばかりをお話ししましたが、実は強みにもなるんです。
なぜかというと、不安が強いことにより、常に自分の育児を俯瞰して見られるというプラスの部分を持ち合わせているからです。
短所と長所は表裏一体!ぜひ長所になる方に目を向けてみてくださいね。
育児に自信があるということはとても素晴らしいことです。しかし自信が邪魔をして本当はもっとこうしたら良いのに!が、ときに聞き入れずらいことも。
そうなると大切な情報まで逃してしまう可能性もあるんですよね。
その点、自分の育児を俯瞰してみられるということは常に新しい風を吹かせることができる、柔らかい思考の持ち主ということです。
だからこそ、不安が強いというマイナスにも思えてしまうお母さんの気質、強みに変えてうまく利用してほしいなと思います。
他人の育児を聞いて参考にするのはとても大切なこと。それを聞いてそのまま使うのではなく、自分らしく、我が子の性格に合わせてアレンジできたらもっと楽に楽しく育児ができるようになります。
4.ある言葉を意識するだけで親子ともに楽になる
不安が強いお母さんに育児で意識してほしい言葉とは
「うちにはこれが効くんだよね。」
この言葉を意識するだけで、子どもに合った、お母さんらしい育児ができるようになります。お母さんも育児の軸が作りやすくなりますよ。
例えば、遊んでいて我が子は時間でやめるのか?キリが良いところでやめるのか?どちらの方が子どもに合っているかを知れば声の掛け方も変わり他人に流されませんよね。
小さなことをたくさん探しておくことで子どもが成長しても、状況に合わせて組み合わせることができます。
私も他人の育児を聞いて取り入れたくなったときには、まずは内容を自分ごとに置き換えています。その上で、我が子にこれが効くかどうか?を考える癖をつけています。
そうすると、自然とうちの子どもには合わないな!私が望むこととは違うな!と自分の軸が見えてくるのです。もちろん取り入れた方が良さそうなときは自分の育児に追加しています。その軸をどんどん太くしていけば良いのではないでしょうか?
何も考えず不安から他人の育児と比較していたときもありましたが、私らしさも子どもらしさもなく親子ともにとても苦しい時間でした。良い時間の過ごし方ではありませんよね。
そして、私の考えと行動が変わったことに伴走するように子どもも素直になり、癇癪を起こすことも今ではほとんど無くなりました。
今後も私も含め不安が強い気質を持つお母さんは、他人の育児と比較して揺れ動くときもあるでしょう。それはそれで良いと思います。
しかし、育児という隣の芝生が青く見えていても、蓋を開けてみたら悩んでいるお母さんはたくさんいるということ!みんなそれぞれに悩みを抱えているのです。
もしかすると、あなたから見えている青い芝生の相手は、あなたの育児を青々とした芝生に見ているかも知れませんよ。
お母さんの軸が安定することで、自分の価値観を押し付けていた過去から、子どもの心を引き出す未来に変わっていきます。お子さんへかける言葉もきっとポジティブなものに変化していくと思います。
ぜひお母さんの不安の強い部分を生かして子どもの成長を加速させてあげてくださいね。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)