発達障害・ADHD傾向の小学1年生の娘がいます。ここ数日、睡眠中に突然激しく泣き叫ぶようになりました。落ち着かせようとするのですが、私の存在に気づいていないかのように、さらに暴れてしまいます。どのように対応してあげたらいいのかわからず悩んでいます。
6歳・女の子のママ
私の発達障害・ADHD傾向の娘も睡眠中に激しく泣きわめくようになった時期がありました。小学生なのに夜泣き?と突然のことで驚き、心配になりますよね。毎晩だとお母さんも寝不足で大変!私が実践した対応方法をお伝えしたいと思います。
発達科学コミュニケーショントレーナー 杉山かずみ
【目次】
1.発達障害・ADHDの子ども、小学生になって夜泣きが最初!?
突然、夜中に子どもが泣き叫ぶと、お母さんは驚き、心配になりますよね。毎晩だとお母さんも寝不足で大変ですね。
私には発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の7歳の娘がいます。娘が小学校に入学して2ヶ月が経った頃のことでした。
夜中の0時過ぎ、ぐっすり眠っている睡眠中に、娘が突然何かのスイッチが入ったかのように、
「ママー‼」
「やだー‼」
「どうしてー‼」
と大声で叫び始めたのです。びっくりして、飛び起き、娘を見ると、涙を流しながら手足をバタバタさせていました。
「どうしたの?ママはここにいるよ」と声をかけても娘には聞こえておらず、私のことも見えていないようでした。落ち着かせようとして触れるのですが、より動きが激しくなり、大声はおさまりません。
翌朝、どうして泣き叫んだのかを娘に聞いたのですが、本人はなにも覚えてはいませんでした。
それ以来、この夜泣きに似た睡眠障害は、毎晩のように続くようになりました。
小学生になってから、赤ちゃんのような夜泣きがまた始まるなんて… 私は寝不足で疲労がたまり、毎晩発狂にも近い娘の叫び声を聞くことが怖くなっていきました。
2. 病院では解決できない
皆さんは夜驚症ってご存じですか?
発達障害・ADHD傾向の娘の激しすぎる夜泣きが心配になり、調べていくうちに「夜驚症」という睡眠障害があることを知りました。
・睡眠中に突然泣き叫んだり、暴れたりする
・3~6歳の子どもによく見られる
・本人は泣き叫んだことを覚えていない
・呼びかけても反応しない…
など、娘の夜泣きに当てはまることばかりでした。
夜驚症は、深く眠っているけれど、部分的には目を覚ましている状態となるため、体が動いているのに、目の前のお母さんのことが見えていなかったり、叫んだことを覚えていなかったりします。
これは、脳が発達途中のために、睡眠と覚醒のバランスがうまく取ることができないために起こるそうです。
脳が発達途中のために起こるのですから、脳の成長とともに症状が落ち着き、思春期までには自然になくなることがほとんど。
特別な治療は必要なく、経過観察になるのが一般的のようです。
しかし、この激しい夜泣き。すでに寝不足で疲れ切っていた当時の私は、いつまで続くのだろう、と途方にくれました。
3. 発達障害の子は睡眠障害になりやすい
さらに、発達障害の子どもは睡眠障害を伴いやすいと言われています。
それは、夜驚症の原因にもあるように睡眠と脳の発達はとても関係が深いからです。
発達障害の子どもは、
・睡眠をつかさどる脳のエリアの発達がゆっくりだったり
・刺激に対して過敏で、興奮状態になりやすかったり
・ネガティブな記憶が残りやすかったり
という特性を持っていることが多いです。
睡眠をつかさどる脳のエリアがまだ十分に発達していないと、うまく睡眠をとることができません。
刺激に対して過敏だと、脳が興奮しやすい状態になります。
そして、睡眠中に記憶が処理されるなど、実は、睡眠と記憶は密接に関係していることが、脳科学的にもわかっています。
私の発達障害・ADHD傾向の娘の話をしましょう。
娘は、小学校に入学してから、落ち着きのなさや突発的な大声などの問題行動が目立つようになりました。学校生活に適応しようと一生懸命頑張っていましたが、発達障害・ADHDの特性による問題行動は、自分でどうにかできるものではありません。
うまくいかないことばかりで、毎日のように注意され、叱られ続けていました。
夜泣きが始まったのは、そんな毎日が続いて2ヶ月が経った頃でした。
そのときの娘の頭のなかは、できなかったこと、失敗したこと、叱られたこと、などのネガティブな記憶でいっぱいになっていたのだと思います。
娘は自分の気持ちを伝えることにも苦手さがありましたので、つらい気持ちを吐き出すこともできませんでした。
「ママー!!」
「やだー!!」
「どうしてー!!」
という、夜中の叫びは娘の心の悲鳴。一番苦しんでいたのは娘本人だったのですね。
私の発達障害・ADHD傾向の娘の場合、問題は睡眠障害そのものではなく、脳も気持ちもつらい記憶でいっぱいになり、本人が苦しんでいた、ことだったのです。
では、私がどのように対応したか、お話したいと思います。
4.寝る前の過ごし方で子どもの睡眠は変わる
発達障害・ADHD傾向の娘の睡眠障害は、私の対応を変えて、たった1週間でピタッと止めることができました。
私がやったことはただひとつ。「寝る前に娘との時間をつくる」ことでした。
私は、寝る前に娘とゆっくりする時間をつくり、たくさんスキンシップを取るようにしました。娘はもともとスキンシップが好きな子でしたので、この時間はとても安らげるようでした。
抱きしめたり、頭や手をなでたりしながら、名前を呼んであげます。
これを娘が眠りにつくまで毎日続けました。
そのうち、娘は、言えなかった思いを言葉にするようになりました。
発達障害・ADHD傾向の娘。お友だちとうまくいかなかったこと、注意されてしまったこと、とても嫌な気持ちがしたことなど、その日の失敗してしまった出来事があふれてくるようになりました。
私は、それを「そうなんだね。」とすべて肯定で受け止めました。
そして、1週間が過ぎたある日、夜泣きで起こされることなく、朝を迎えることができました。
娘の場合、スキンシップで癒されたこと+つらい気持ちを言葉に出せたことで、つらい記憶が少し楽になり、
結果として、睡眠障害を落ち着かせることができたのだと思います。
スキンシップがあまり好きではないお子さんでしたら、体の一部に触れるだけでもよいでしょう。その子が心地よいと感じられる方法を工夫してあげてくださいね。
スキンシップは親子共に効果があると言われています。夜寝る前のお子さんとのほっこりタイムは親子の睡眠を整えるだけでなく、お母さんにあたたかい幸福感をもたらしてくれるかもしれません。
参考にしてみてくださいね。
子どもの睡眠トラブルへの対応方法を多数お伝えしています!
執筆者:杉山かずみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)