3歳の息子はひとりで靴が履くのがとても遅いです。靴を見ずに足を入れようとして失敗したり、すぐに諦めてしまったり。ひどいときは他人事のように寝転がって履かせてもらおうとします。私も教えることに疲れて、履かせてしまうことが多いです。効果的な教え方はあるでしょうか?
3歳・男の子のママ
毎日のことだとお母さんも大変ですよね。実は、靴を履くにはたくさんのステップが必要なんです。時間をかけてひとつずつマスターすれば大丈夫!教え方にはちょっとしたコツがあるので紹介しますね。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー たなかはな
【目次】
1.発達障害の幼児は身の回りのことが苦手?
2.靴を履くのが難しいのは、たくさんのステップの積み重ねだから
3.わが家の秘訣をお教えします
①靴の選び方と履きやすくするためのひと工夫
②欲張らないで!ひとつできたら必ず褒める
③遅いと思ってもとにかく待って!この時間が脳の発達に大切です
1.発達障害の幼児は身の回りのことが苦手?
幼児のお子さんが、身の回りのことができなくて困っていませんか?
着替えも苦手、片付けも苦手、やるのが遅い…数えだしたらキリがない!毎日いろんな場面で苦労されているお母さんは、多いのではないでしょうか。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、身の回りのことが苦手になりやすいと言われています。幼児であればなおさらですよね。
今回のテーマ、「靴を履く」もそのひとつ。わたしの息子は発達障害・グレーゾーンの3歳児ですが、ひとりで靴を履けるようになったのは幼稚園に入る直前でした。
それまでの息子はというと、
・靴を見ずに履こうとして失敗
・諦めが早くすぐに「手伝って」と言う
・そもそもやる気がない
「次はこうだよ、ここ持って!」と一生懸命教えているつもりなのに、よそ見ばかりして集中してくれる気配がありませんでした。
教えることにも疲れてしまい、結局わたしが履かせてばかり。長い間悩んでいたので、相談者さんのお気持ちがよく分かります。
実は、「靴を履く」ってとても高度な動作で、たくさんのステップがあるんです。次に、そのステップを解説していきますね。
2.靴を履くのが難しいのは、たくさんのステップの積み重ねだから
靴を履くステップってどこからスタートすると思いますか?
ずばり、「見る」ことからスタートします。そこからいくつもの段階を踏んで「靴を履く」が完成します。
マジックテープの靴を例に考えてみますね。
・いろんな靴の中から自分の靴を見つける
・靴に手を伸ばして引き寄せる
・マジックテープをはがして口を大きく開く
・靴を見ながら足を入れる
・かかと部分を踏まないように後ろを引っ張る
・マジックテープを引っ張ってしっかりとめる
この中に発達障害・グレーゾーンの幼児のお子さんのつまずきポイントがあります。
細かく言うと、靴に手を伸ばすことや足を入れることは、脳がちょうどいい距離感を把握することが必要です。
しかし、発達障害・グレーゾーンの幼児は脳のいろんな苦手さから、すんなりと靴を履くことができません。
例えば、
・不注意傾向や衝動性により、靴を見ずに他のものに刺激を求めてキョロキョロしてしまう
・集中力が続かずに履くことを途中で諦めてしまう
・不器用でテープをうまく引っ張ることができない
・自分の身体の動きや大きさに対する感覚があいまいで、足をすっと入れることが難しい
などが考えられます。
ひとりひとり苦手は違うので、まずはお子さんの行動をしっかり観察してくださいね。
次に、教え方についてお伝えしていきますね!
3.わが家の秘訣をお教えします
わたしの息子には、不注意傾向、衝動性、不器用…たくさんの特性があります。こんな苦手オンパレード3歳児でも、今ではひとりで履けるようになりました。
靴を履くためにたくさんのステップがあるなら、教え方もスモールステップにするとうまくいくきます!その他のちょっとしたコツと併せてご紹介します。
① 靴の選び方と履きやすくするためのひと工夫
◆靴の選び方
発達障害・グレーゾーンの幼児のお子さんの靴は、どうやって選んでいますか?
息子に選んだ靴の条件は3つ!
・ベルトは1本
・履き口が大きく開く
・かかとにつまみが付いている
もちろん運動がしやすいことも大切なので、じっくり選びたいですよね。
わが家はAmazonの購入する前に試着できるサービス「プライムワードローブ」を使用して、自宅に3~5足取り寄せてサイズ感なども併せて確認していました。店頭でゆっくり選べない!というお母さんにおすすめです。
脱ぎ履きのしやすさや歩いている様子を何度も確認できますし、子どももモデル気分で盛り上がりますよ。最後は子どもと一緒に気に入ったものを選んで購入します。
◆ひと工夫すればもっと履きやすい
かかと部分のつまみにゴムひもの輪っかを付けてあげましょう。これなら輪っかに指を入れるだけなので、より簡単につまみを引っ張ることができます。
だから、かかと部分を踏むことなく足を入れることができますね。実はこれ、息子の通っている幼稚園でもおすすめされていることなのです。上履きにもぜひ付けてあげてくださいね。
左右が分からない発達障害・グレーゾーンの幼児のお子さんには、中敷きに絵合わせのイラストやシールがあると分かりやすくなりますよ。
◆②欲張らないで!ひとつできたら必ず褒める
そして大事なのが、ステップをひとつずつマスターしていくこと。
まずは、「○○くんの靴どこかな~?」とお母さんの明るい声かけで、自分の靴を見つけさせましょう。
発達障害・グレーゾーンの幼児のお子さんがノリノリで「あった!」と言ったら「見つけられたね!」と褒めます。
じゃあ次は…と行きたいところですが、勇気を持ってその日は一旦終わりです。あとはお母さんが履かせてしまって大丈夫!
そのうち自分から「○○くんの靴!」と言ったり、さっと靴を持ってきたり、という行動が見られたら、次のステップを教えてあげましょう。
「このテープ、ビリビリできるかな~?」と擬音語も使ってあげると分かりやすいです。そして、ちょっとしかできなくても「いまビリって聞こえたね!」と、できた部分を褒めます。
ビリっとできなくても「お!引っ張っているね。もうちょっとでビリって聞こえそう!」、進みが遅いときも「頑張ってやっているね」と、いっぱい褒めてあげられます。
この流れで、ひとつずつマスターさせてあげてください。数か月かかってもいいんです。たくさん褒めた分だけ成功体験ができるって素敵じゃないですか?
◆③遅いと思っても、とにかく待って!脳の発達に大切な時間です
息子の場合は、足を入れようとするたびに靴が転がってしまう、ということがありました。
ですが、本人が頑張っているのなら、遅いと思ってもとにかく待つ!です。遅いけれども頑張っているこの時間に発達障害・グレーゾーンの幼児の脳はたくさんのことを学んでいます。
どうすれば転がらないのか、最初の足の入れ方を変えてみようか…と自分で考えることってとても大切です。この「遅い」時間があるからこそ、自分で履けるようになっていくのです。
いかがでしたか?
わたしも、息子より小さな子がひとりで靴を履く姿を見て何度も落ち込みました。「入園してから困らないかな」「ぼくだけできないって感じてほしくないな」と長い間悩んできました。
でも、発達障害・グレーゾーンの幼児が、靴が履けるようになるためには、楽しい!褒めてもらえる!という感情とセットであることが大切だったのです。
息子はいま、「本当にちょっと前まで履けなかった?」と疑うほどにさっと履けるようになりました。
できるペースは人それぞれ、遅いからと焦らず、親子で楽しく取り組んであげてくださいね。
また、幼児の子どもの身支度が苦手な原因は感覚過敏が関係していることも多くあります。こちらの記事で詳しくお話ししていますので、合わせてチェックしてくださいね。
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執筆者:たなかはな
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)