発達障害があってもなくても、反抗期の中学生女子の暴言や無視といった態度への接し方で、困っているお母さんは意外にも多いのです。イマドキ中学生女子の特有の悩みによって反抗期をこじらせてしまっているかもしれません。女の子ならではの特徴と対応方法をご紹介します。
【目次】
監修者:吉野加容子
発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表
脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。
15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。
病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。
これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。
著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。
1. 思春期中学生女子はなぜ気難しいと感じてしまうの?男子とは違う思春期の特徴
思春期の子どもって本当に接しにくいですよね。ただ、これは仕方がないことです。子どもから大人に変化する時期のため、一時的にホルモンのバランスが崩れ、男女ともにイライラしやすくなるんです。
今回は、思春期中学生女子に見られる女子ならではの特徴をご紹介したいと思います。
◆人の目を気にする
思春期の子は友達との関わりが密になり、親よりも友達との関わりを重視するようになります。特に女の子は友達の目を気にすることが増えてきます。
体型や容姿など外見を気にするようになり、ファッションやお化粧、ダイエットに興味を持ち始める子も出てきますよね。
思春期には思考が発達し自己を客観視できるようになってきます。そのために、自己肯定感も出てきますが、他人からどう見られているのかも同時に気になるため、劣等感を抱くこともあります。
そして、実際の自分と理想の自分との間で葛藤していることも多いのです。
「認められたいけど叶わない」と感じてイライラしたり、モヤモヤしたりすることが多いかもしれません。必要以上に自己評価が下がってしまうのが思春期なのです。
◆思春期中学生女子は理屈っぽい
お母さんがアドバイスのつもりで「こうしたら?」と言っても素直に聞かなくなってくるのが思春期女子の特徴です。
「だって」「でも」「どうせ」「できるわけない」などと屁理屈を言います。
ああ言えばこう言うという感じでお母さんは疲れてきます。これらの屁理屈は4Dと言われますが、反抗期女子はよく使う言葉です。
アドバイスをしても「そんなのわかってる」と素直な返事はほとんど返ってきませんね。そんな娘さんの態度にイラっとして口論に発展してしまうこともあるのではないでしょか?
「火に油を注ぐ」ことのないよう、言葉をそのまま受け取ったり、過剰に反応しないように冷静に対応していきたいですね。
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◆ツンデレが激しい
男の子のように暴れることは少ないと思いますが、自分が話したくないことには口を閉ざし、部屋に閉じこもってこちらの問いかけには全て無視をします。
自分が聞いて欲しいことがあると話しかけて甘えてくるのに、それ以外のときは無視をしたり口答えをしたりすることが多くなります。お母さんは娘さんの気分の浮き沈みに振り回されてしまいます。
以上のような特徴が思春期の女の子にはあらわれることが多いと思いますが、特に発達障害・グレーゾーンの女の子の場合には注意してあげて欲しい理由があります。
発達障害・グレーゾーンの女の子は困りごとが目立ちにくいことが多いのです。
女の子の場合には、あらわれる症状や特性が男の子よりも目立たないために周りが気づかないまま反抗期を迎えてしまうことがあります。
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2.発達障害、思春期中学生女子には特有の悩みがあります
思春期の女の子には様々な悩みごとがあります。学校生活、勉強、部活、友達関係…。お母さんたちも通ってきた道なので、なんとなく察しはつくと思います。
けれども、イマドキの思春期女子はお母さんたちが中学生のときとは違うイマドキ特有の悩み事も増えてきています。
◆見えないコミュニケーション
中学生になるとスマホを持つ子が増えますね。友達との会話もラインなどSNSでのやり取りが多いのではないでしょうか?
リアルな人とのやりとりでは、相手の言葉や表情、仕草から相手の感情を読み取ることができます。実際のやりとりでは言葉以外のものからの情報の方が圧倒的に多いと言われています。
・言葉から(話の内容)7%
・耳から(声のトーンや話の速さ)38%
・目から(見た目など)55%
しかし、SNSでは言葉以外の情報を読み取ってコミュニケーションを取らなければなりません。
お互いの微妙な心理を読むことが難しく、言葉に過剰に反応して落ち込んでしまうことがあります。
話しをしているときよりも文字数が少ないために、誤解が生じお互いに気持ちのすれ違いを起こしてしまってトラブルになってしまうこともあります。
発達障害・グレーゾーンの子どもの特性として
①不安が強い
②気持ちをうまく表現することができない(コミュニケーションが苦手)
③ほんのわずかなマイナスの感情があると全てがマイナスであったかのように感じる
といったことがあります。
このような特性があるためにSNSでのトラブルや悩みごとが増え、より不安定になってしまう可能性があります。
◆群れる思春期女子
特に女の子は小学校の中学年の頃から群れ始め、グループを作るようになっていきます。グループのみんなと同じようにしたい、みんなと同じものが欲しいと言ったことが出てきます。
グループ以外の人を排除しようとする子も出てきます。いわゆるスクールカースト的なものができてしまうこともあります。
日本では特に雰囲気で察して欲しいということがありますよね。
発達障害・グレーゾーンの子の場合に、「空気が読めない」「相手の表情、仕草、言葉のニュアンスがわからない」と言ったことがあります。そのために他の人に合わせることが苦手だったりします。
人とのコミュニケーションで苦手な部分があるにも関わらず、自分自身も周りも理解しないまま思春期を迎えると、生きづらさを強く感じるようになってしまうのです。
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⒊ 中学生反抗期で不機嫌な娘への接し方のポイント
それでは、お母さんは反抗期中学生女子をどのように受け止めれば良いのでしょうか?具体的な方法と接し方のポンイトをご紹介します。
◆①大目に見てガミガミ言わない
勉強のこと、学校生活のこと、身だしなみのこと、言いたいことは山ほどありますよね。
携帯電話ばかり見て寝転がってダラダラしている娘さんを見ると「宿題したの?勉強したら?」と言いたくなります。
そんなことを言おうものなら「やるって言ってるじゃん!」と怒って自分の部屋に閉じこもってしまう子は多いのではないでしょうか?
子どもは学校での勉強、試験、部活動、人間関係と色々なことに疲れています。特に女の子は外では気を張って頑張っていることが多いのです。
だからこそ、家ではゆっくりしたい、のんびりしたいと思っているんです。家の中では十分に充電させてあげてくださいね。
思春期女子を育てた先輩ママが言っていました。
「子どもに『何かあったら言ってね!』そんな言葉すら必要としていなかもしれない。同じ空間で同じときを過ごしているだけで十分。同じ空間でそれぞれが楽しんでいればいい。それが幸せと親が気づくことが大切。」
子育て真っ只中にいるときにはそんなことに気づけませんよね。
「ガミガミ言わない」と決め、それを実行できるかどうかはとても大事なことです。
◆②よく聴く
愚痴はひたすら聞いて余計なことは言わない。アドバイスせず全部受け止めてあげましょう。
「部活が疲れる」「勉強のやる気が出ない」とこぼすことがありますね。まずは「そうだよね」「分かるよ〜」と共感してあげてくださいね。
愚痴を言うのは気を緩めている証拠です。子どもの心の中に溜まっているもの吐き出させ、それを受け止めてあげてくださいね。
母親として上から目線ではなく、横のつながりを大事にして子どもの決定を受け入れてあげてください。
子どもではなく成長しつつある一人の女性として見てあげるのです。そうすることで女の子は成長します。
◆③過度な期待、過干渉に気をつける
女の子は親の期待に応えたいと思っている子が多いです。お母さんが意識しなくても子どもはお母さんの言葉や態度を意識しています。
例え「勉強しなさい」と言わなくても、勉強してほしいオーラが出ているんです。それを敏感に子どもは感じ取っています。
だからこそ、人並みにできていることを褒めてあげて欲しいのです。嫌々でもやっているときこそ頑張りを認め、やっている時にすぐポジティブなフィードバックをしてあげることが大切です。
いつもできていることを褒めているお母さんは意外と少ないのではないでしょうか?当たり前にできていることを認め褒めてあげることは思春期になっても大切なことです。
遅刻しそうなほどギリギリに起きてきても、ちゃんと起きて学校に行くことを褒めてあげてください。「寒いとお布団から出たくないよね〜。よく起きたね!」
寒い中、学校から帰ってきたら「おかえり〜寒かったよね〜!少し休んだら〜」といった具合です。
そのときは、こちらから無理やり話をしてもらうのではなく、相手が話すのを待ってあげる余裕を持てたらいいですね。
女の子は社会性の発達が早く、他の人からどうみられているかを意識しています。外ではきちんとしていることが多いのもそのためです。
家ではボーっとして過ごしたり、親子でふざけあったりして笑顔で会話をすることが大切です。
お家では娘さんが解放される時間を増やしてあげてくださいね。
反抗期はずっと続くものではないと割り切って、お母さんもストレスをため込みすぎないように過ごしていきましょう。
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執筆者:深井淳子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)