発達障害の子どもは、話したい気持ちがあってもわかりやすく話せず、相手に言葉がうまく伝わらないことがあります。ここでは、言葉の発達も進み、伝わる話し方ができるようになるコツをご紹介しますね。 |
【目次】
1.言葉の発達が遅く、どうしても主語を抜いて話してしまう息子
2.発達障害の子どもがうまく伝えられない理由とは?
3.子どもが話したい内容を整理できるお母さんの声かけ
◆子どもにインタビュー形式で話しましょう!
◆子どもの話したい気持ちを大切にしよう!
1.言葉の発達が遅く、どうしても主語を抜いて話してしまう息子
子どもが言葉を話しだした頃は、たどたどしく話す様子が可愛いですが、幼稚園や小学校に進むと言葉もだんだん覚え、話し方もしっかりしてきますよね。
しかし、相手に伝わる話し方ができているかどうかは、子どもによってかなり差があります。
せっかく言葉を知っていたり、社交的であるにもかかわらず、相手に伝わらない話し方だともったいないですよね。
わが家の小学3年生の発達障害の息子は、軽度知的障害域のIQなのもあって、言葉の発達は遅い方でした。
それでも、年齢を重ねコミュニケーションもかなり取れるようになり、言葉の理解も進みたくさんの言葉も覚えました。
しかし、息子が話し出すときは、話したい気持ちがあるのはわかるのですが、単語だけだったり、どうしても主語が抜けてしまうのです。
そのせいでなんの話をしているのかが全く分からないことがよくありました。
確認しようとしているうちに話自体が変わることや、同じ言葉を繰り返すこともありました。
私は、どう伝えてよいのかわかりませんでした。
そのために
「今の言い方は意味がよくわからないよ」
「もっとはっきり言って!」
と、息子に対して、感情に任せてきつく言ってしまうこともありました。
しかし、否定的な言い方をしてしまうと、せっかく話したいと思っていた気持ちが止まってしまいます。
私は、なんとか息子がうまく話せるようにならないかと、声をかけてみました。
しかし結局うまくいかず、お互いが伝わらないことにイライラしてしまう日々でした。
2.発達障害の子どもがうまく伝えられない理由とは?
発達障害の子どもたちは、どうしてわかりやすく伝えることができないのでしょう?
話したいことをわかりやすく伝えられない子どもたちは、頭の中で伝えたい言葉をまとめることがすごく苦手です。
頭でまとめることができないので、思いついた言葉だけを話したり、話の内容が飛んでしまって伝わらない会話になってしまうのです。
また、言葉をしっかり理解できていない場合もあります。
言葉だけは聞いたことがあっても、意味をはっきりわかっていないまま使っていることもあります。
子どもの言葉を発達させていくには、大人よりもたくさんの時間がかかります。
大人が単語を一つ覚えるのと比べたら、子どもは単語を覚えて意味を理解し使えるようになるまでに大人よりもたくさんの時間がかかるのです。
大人も、子どもが言葉をしっかり覚えるには時間がかかるということを理解したうえで対応する必要があります。
3.子どもが話したい内容を整理できるお母さんの声かけ
では、どうやったら発達障害の子どもはわかりやすく話すことができるようになるでしょうか?
それには、お母さんの声かけがとても重要です!
子どもと一番話す機会の多いお母さんの声かけが変わることで、子どもの頭の中は少しずつ整理されるようになります。
そのコツをお話ししますね!
◆子どもにインタビュー形式で話しましょう!
伝えたい内容の「最初」(主語)と「最後」(述語)をはっきりわかるようにさせて、インタビュー形式で子どもに質問しましょう。
ここでのポイントは、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)です。
この5W1Hを順番に聞くようにすると、だんだん、主語と述語がはっきりわかるような話し方になってきます。
例えば、
「今日は○○君は、学校でいつの休み時間に遊べた?」(いつ)
「どこで遊んだの?」(どこで)
「だれかと遊んだ?1人で遊んだの?」(だれと)
「何して遊んだの?」(何を)
といった具合です。
上記の質問の場合は、主語は子ども本人、述語は遊んだことだと子ども自身も分かるので、そこに質問を重ねていきます。
主語と述語さえわかれば話の趣旨は分かるので、肉付けするようにいろいろな質問をすれば会話も弾みます。
さらに話すことで言葉の理解も進み、少しずつわかりやすい伝え方ができるようになってきます。
◆子どもの話したい気持ちを大切にしよう!
もし、子どもが唐突に話しだしたとしても、まずは話したい気持ちがあることを受け止めましょう。
話してくれたことに対してまずは、「そうなんだね!」と一旦受け止めましょう!
その上で、先ほどのインタビュー形式で会話をしながら、嬉しそうに聞いたり、大げさに驚いて聞いてあげましょう。
子どもも話したいことが伝わったと感じられるようになります。
その上で、言い間違いなどがあった時は、それとなくお母さんが訂正しましょう。
いかがでしょうか。
「話し方」よりも「話している内容」にフォーカスすることで、子どもの話したい気持ちに寄り添い、少しずつ伝わりやすい話し方に近づきますよ!
親子での会話がより楽しくなるように、ぜひお試しください!
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執筆者:筒井ともこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)