子どもにご褒美はよくないの?ご褒美の効果を倍増させるお母さんの工夫とは

子どもの行動を引き出すために有効なご褒美ですが、「モノで釣る」というよくないイメージをもつお母さんも多いのではないでしょうか?それは正しい使い方をしていないから!実はお母さんの○○で、ご褒美の効果は倍増するんですよ!
 

【目次】

 

1.子どもへのご褒美、あなたのイメージは?

 
 
子どもの行動を引き出したり、習慣化させたり、何かに挑戦させたりしたいとき、成果や頑張りと引き換えにご褒美を考えるお母さんは多いのではないでしょうか。
 
 
「どうしてもこれだけは頑張ってほしい」
 
「これだけは習慣化させたい」
 
 
というときのご褒美は、子どものモチベーションを上げるのに絶大な効果があります。
 
 
一方で、具体的にどのような目標とご褒美が良いんだろうとお困りではありませんか?
 
 
子どもにとって価値を感じられずに、スムーズに行動を促すことができなければ意味がないですよね。
 
 
どんな目標を設定して、それに対してどのぐらいのご褒美を設定したらいいのだろう?
 
 
発達障害関連の本にも多少は例が載っていますが、もっとたくさんの具体例が知りたい、というのが以前のわたしの気持ちでした。
 
 
 
 
反面、ご褒美の話をするときにわたしたちの頭には、「モノで釣る」というキーワードがよぎるお母さんもいるのではないでしょうか?
 
 
ご褒美は、子どもの行動を引き出すのにとても効果的ですが、実はご褒美「だけ」ではダメなのです。
 
 
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2.「だけ」がよくない⁈ご褒美「だけ」を与えると子どもはどうなる?

 
 
お母さんとしては、子どもの心から興味や関心、意欲を引き出した結果が行動として表れていくことが理想ですよね。
 
 
「やる気」には、実は2種類あります。
 
 
ひとつは、達成感や充足感、行動そのものに対する喜びといった自分の内部から生み出されるもの。
 
 
もうひとつは、報酬や評価、賞賛といった外部からの刺激により生み出されるものです。
 
 
お母さんが子どもに身に着けてほしいのは、自分の内部から生み出される「やる気」なのではないでしょうか。
 
 
でも、子どもに対して、「〇〇をしたら〇〇をあげるよ」というご褒美の使い方をすると、
 
 
「ご褒美のために頑張る」
 
「もっと頑張ってたくさんのご褒美をもらおう」
 
 
と、ご褒美が中心の考え方になってしまい、ご褒美がないと動かない、頑張らないという、お母さんにとっては不本意な感情が習慣化してしまいます。
 
 
 
 
子どもが自ら意欲的に物ごとに取り組めるようになってもらいたい!
 
 
その希望を叶えるためにとても必要なことがあるんです。
 
 
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3.モノであるご褒美には「形のないご褒美」を加えることをお忘れなく!

 
 
 ご褒美作戦、実際にやってみるとうまくいかなかった…というのはよく聞く話です。
 
 
それは、ご褒美の効果を正しく発揮するための「あること」ができていないからなのです。
 
 
その「あること」とは、発達障害・グレーゾーンの子どもを肯定するほめる声かけです。
 
 
そして、ここでとても大切なのは、結果の良し悪しではなく、本人なりにがんばったことに対して、その過程やがんばりをほめる声かけをすること!
 
 
例えば、
 
 
・(宿題を1問解いたら)できたね!その調子!
 
・(玄関を掃いたら)キレイになって気持ちいいね!
 
・(洗濯かごに入れたとき)グー!
 
 
など。
 
 
「モノ」であるご褒美に「形のないご褒美」であるほめ言葉を同時に与えると、自信がついてきます。
 
 
 
 
「頑張ることはいいことだ」という前向きな気持ちになったり、達成する充実感が理解できることで、
 
 
興味や関心、意欲が湧き、そのうちご褒美がなくてもみずから挑戦できるようになっていくのです。
 
 
ご褒美で行動を一気に引き出し、ほめ言葉で内側からのやる気を生み出す。
 
 
このバランスに気を付けながら、わが家で行った「ご褒美作戦」をご紹介しますね!
 
 

4.ご褒美作戦が生きる条件設定はスモールステップがポイント!

 
 

◆脱いだ服を洗濯かごに入れられたら1ポイント。10ポイント貯まったら、200円のゲームを1回できる!

 
 
食後に食器を台所に持って行く、歯を磨く、トイレ使用後は電気を消すなども、この方法でひとつずつ習慣化しました。
 
 
ご褒美をゲットできるまでの期間を短く設定することがここでのポイントです。
 
 
当初20ポイント貯まったらという風にしたこともありましたが、ご褒美ゲットまでの期間が長すぎて続きませんでした。
 
 

◆玄関の掃き掃除をしたらお小遣い50円!

 
 
玄関の掃除は家の他の場所と比べると範囲が狭いので、子どもが比較的取り組みやすいお手伝いです。
 
 
以前、「子ども部屋を一人で片付け&掃除をしたら1,000円」というご褒美を設定しましたが、失敗でした。
 
 
部屋の片付けと掃除をするだけで1000円ならお得と思えますが、一人で部屋丸ごとは、発達障害・グレーゾーンの子にはハードルが高すぎました。
 
 
 
 
いくら高額とは言え、できないものはできません。
 
 
もしその時はどうにかできたとしても、大変すぎる経験をしてしまうと、次回からやりたがらなくなる可能性があります。小さいことからスタートしましょう。
 
 

◆宿題を1問解くたびにポテトチップス1枚!

 
 
少しお行儀は悪いですが、宿題に対する抵抗が大きく、宿題を全部終えてからおやつを設定してもうまくいかなかったので、このようにすると効果がありました。
 
 
その後、宿題が終わってからおやつの時間という風に移行していきました。
 
 

◆過去1ヶ月に学校で習った漢字をすべて覚えたら、翌月に家庭用ゲーム機を使える権利をゲットできる!

 
 
勉強が大嫌いな発達障害・グレーゾーンの我が子にとっては高い目標です。
 
 
しかもご褒美をゲットするまで一定期間かかるため、ご褒美もビッグなものにしています。
 
 
大きな目標を設定する場合は、本人が前向きに取り組める状態かどうか、事前にしっかりと見極めをしてから提案しましょう。
 
 

◆去年は出られなかった行事に挑戦したら、希望のオモチャ(3000円)がもらえる!

 
 
本人が、「怖いけど、今回は参加できるかも!参加したい!」という状況でした。
 
 
行事には参加しないといけないんだという価値観を持たせたり、参加できない自分はダメだという自己否定感をもたないような関わりが必要です。
 
 
我が家ではひと月に500円ぐらい。それプラス、年に数回、遊園地などのビッグイベントや、日々のおやつがあります。
 
 
ご家庭によって、月どのぐらいのご褒美に安心感があるかを考えてみて、その中でご褒美作戦を考えてみるのもやりやすいかもしれません。
 
 
欲張らず!無理させず!楽しく!をモットーに!
 
 
ご褒美効果を最大限発揮させて、発達障害・グレーゾーンの子どもの行動を引き出し、成功体験を積み重ねていきましょうね!
 
 
 
 
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執筆者:水原沙和子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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