人の話を最後まで聞けない子の原因は聞く力が弱いから?発達障害の子の「聞く力」の育て方

 

人の話を最後まで聞けない発達障害・グレーゾーンADHDタイプの落ち着きのない子どもによくあるお悩みはお子さんの「聞く力」が弱いことが原因にあります。お子さんの「聞く力」を育てるママのおうち対応でぐっと落ち着いてきますよ。ぜひお試しください
 

【目次】

 

1.人の話を最後まで聞けない発達障害・グレーゾーンADHDタイプの子

 
 
みなさんは、最後まで相手の話を聞けないお子さんの様子をみて「うちの子、聞く力が弱いのかしら⁈」と思ったことはありませんか?
 
 
現在5歳のわが子は、好奇心が強く衝動的な面があります。
 
 
そのため私が何か説明していても最後まで話を聞かず、「やってみる~」とすぐに行動しようとすることがよくあります。
 
 
例えば、つい先日、一緒に料理をしていた時の事です。
 
 
最初に皮むきの仕方を説明してから子どもにやってもらおうと思っていたのに、途中で話をさえぎって
 
 
「もうわかった!やってみる~!」
 
 
と、一人で皮むきを始めてしまいました。
 
 
私としては、「え?まだ話の途中ですけど⁈今から大事なポイントを話そうとしていたのに…」と思ったものの、すでに行動に移っている子どもの耳にはもう私の言葉は届きません。
 
 
説明を最後まで聞かずに行動してしまった子どもは、案の定、途中で分からなくなり、
 
 
「あれ?できないよ!ママこれからどうするんだっけ?」
 
 
結局、もう一度最初から説明する羽目になりました。
 
 
こんな時、お母さんとしては「だから最後まで話を聞いてよ!」とイライラしてしまいますよね。
 
 
 
 
このように聞く力が弱さから「話を最後まで聞かずに行動に移ってしまう」状況は、発達障害・グレーゾーン注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の子どもに特によく見られるものです。
 
 
家庭ではお母さんのフォローで許されるかもしれませんが、これがもし、小学校や習い事などの集団の場だったらどうでしょうか?
 
 
先生のお話を最後まで聞けなかったために、みんなと違う行動をとったり、途中で何をすればいいのかわからなくなって集団についていけなくなったり…
 
 
話を最後まで聞けないことで、結局は本人が一番困ってしまいます。
 
 
また、小学生になると集団での一斉指示の中で動くため、学年が上がるにつれ「聞く力」がより求められるようになります。
 
 
だからこそ少しでも年齢が低いうちから、聞く力の弱さを改善しお子さんの「聞く耳」を育ててあげることがとても重要になります。
 
 
では、聞く力の弱さから話を最後まで聞けずに行動してしまう状況を改善するためには、どのような対応をとればいいのでしょうか?
 
 
それを知るためにはまず、発達障害・グレーゾーンADHDの子どもの脳の特性と発達の順序を理解することが大切です。
 
 
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2.聞く力が弱い原因は脳の特性からくるもの

 
 
なぜ、発達障害・グレーゾーンADHDの子どもは、人の話を最後まで聞けずに次の行動を始めてしまうのでしょうか。
 
 
まず幼児はまだ自分の気持ちをコントロールする力が弱いので、やってみたいと思ったらすぐに行動しようとする面があります。
 
 
中でも発達障害・グレーゾーンADHD傾向の子どもは、脳の特性上、「注意を向けて聞くこと」や「最後まで集中して聞き続けること」が難しかったり、衝動的に行動してしまったりする面があります。
 
 
やりたいと思った時点で説明は耳に届いておらず、自分でやるという行動に衝動的にうつっているのです。コレが「聞く力が弱い」という印象になってしまうんです。

 
 
 
この行動は脳の特性によるものなので、力ずくでやめさせたり、「最後まで聞きなさい」と叱ったりしても意味はないどころか、せっかくの本人のやる気をそぐ結果にもなりかねません。
 
 
もともと、発達障害・グレーゾーンADHD傾向の子どもの発達を促すためには、行動させて脳を使うことが必須ですので、行動を止める方向の指示はなるべく控えた方がよいのです。
 
 
 
 
では次に、「聞く力」はどのような環境で育てることができるのでしょうか?
 
 
実は聞く力は、家庭でのお母さんと過ごす時間の中で育つものなのです。
 
 
人の発達の順番は、最初は一番身近なお母さんとの一対一のコミュニケーションの中で基礎力が育ち、そこから外の世界へとステップアップしていきます。
 
 
ですから、聞く力がまだ育っていない子どもに対してやみくもに集団生活の中で一斉指示を聞く経験値をたくさん積ませても、決してうまくことはありません。
 
 
日常でのお子さんとのコミュニケーション中で、お母さんがわが子の聞く力を伸ばすための対応を意識し、毎日少しずつ丁寧な関わりをしていくことが必要なのです。
 
 
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3.発達障害の子の聞く力を育てるおうち対応術

 
 
では発達障害・グレーゾーンADHDの子どもが、聞く力の弱さを改善し人の話を最後まで聞けるようになるために、お母さんは家庭で具体的にどのような対応をすればいいでしょうか?
 
 
対応のポイントは、「子どもが話を最後まできけるような環境づくり」をお母さんが意識することです。
 
 
どういうことなのか、具体的に私がわが子に行った3つの対応を紹介しますね。
 
 

◆①優しいトーンで「最後まで聞いて」と事前に伝える

 
 
例えば、何か説明を始めるにあたっては、
 
「まず、やり方をママが説明するから、手をお膝において最後までお話を聞いてくれる?全部聞けたら、今度は〇〇ちゃんが自分でやってみるよ」
 
とやさしく声をかけましょう。
 
 
この時、お母さんに特に意識してもらいたいポイントは次の2つです。
 
 
・必ず子どもと視線を合わせてから話し始めること
 
・子どもが聞いて理解する「間」を作るため、お母さんの話すスピードをゆっくりにして「まあるい声」で話すこと
 
 
子どもが直感的に「お母さんの話をききたい!」と思えるような優しいトーンを意識しながら声掛けしてみてくださいね。
 
 

◆②話の途中で行動に移らせない環境づくり

 
 
手を膝に置いてもらったり、少し離れたところに座ってもらったりして、すぐに手を出して行動に移らないような工夫をしましょう。
 
 
また、子どもが座る椅子の近くにはおもちゃを置かない、など、お子さんの視覚に余計な刺激が入らないようにする工夫も有効です。
 
 

◆③褒めて終わらせ成功体験に!

 
 
説明を遮らずに最後まで聞くことができたら、
 
「お話を最後までちゃんと聞けたね、ありがとう!」
 
とお子さんを褒めてあげましょう。
 
 
その際、お母さんがとびきりの笑顔で褒めてあげれば、「最後まで話をきけたこと」が子どもにとっての成功体験につながります。
 
 
もし、説明の途中で「自分でやってみる~」と衝動的に行動しようとしたときは、慌てずに
 
「ママが説明しているときはどうするのだっけ?」
 
と声をかけてみましょう。
 
 
気づいて聞く姿勢を見せてくれたら、
 
「お話を最後まで聞いてくれてありがとう。」
 
笑顔で伝えてあげてくださいね。
 
 
 
 
このようにすることで、子どもは説明を最後まで聞いてから行動することは、褒められるよい行動なのだと学習します。
 
 
それを繰り返していくと子どもの認識として定着し、事前に伝えなくても、家庭以外の褒めてもらえない状況であっても、説明を最後まで聞けるようになりますよ。
 
 
以上、ご紹介した3つの対応を意識しながら、お母さんがおうちででわが子の「聞く力」を育て、お子さんの小学校生活をスムーズにしていきましょう!
 
 
 
 
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執筆者:三島希実
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
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