5~6月に運動会がある学校では、練習が始まりますね。感覚過敏のある子どもにとっては様々な刺激が要因で運動会練習が辛くなってしまっていることもあります。学校と上手に連携してお子さんの負担を軽くしてあげましょう。 |
【目次】
1.楽しみな運動会が辛いに変わることもある…
2.運動会練習に不安や苦痛を感じる原因は感覚過敏にあった!
◆イレギュラーに上手く対応できない
◆聴覚過敏
◆触覚過敏
3.学校の先生と連携!「予告」で負担を軽減
◆イレギュラーが苦手な子
◆聴覚過敏の子
◆触覚過敏の子
4.運動会で自信をつけるために当日お母さんができること
1.楽しみな運動会が辛いに変わることもある…
新学期が始まって1カ月がたちました。5~6月に運動会を開催する学校では運動会の練習が始まるころだと思います。
・運動会が楽しみ!
・練習を頑張ろう
と、張り切っているお子さんがいる反面、発達障害のお子さんにとっては辛い時間となってしまうこともあります。
それは、4月の1ヶ月でようやく慣れた学校生活のリズム(時間割)、教室の場所、クラスの仲間。やっと慣れたと思ったら、運動会練習で少しイレギュラーな生活になるからです。
辛い時間が続くとどうなってしまうでしょう?「学校に行きたくない…」と行き渋る可能性もあります。
お子さんの様子が何かおかしいと思ったら要注意です!運動会に対する不安や苦痛を軽くしてあげる必要があります。
発達障害の子どもにとって運動会練習のどのような事が負担となるのでしょうか?
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2.運動会練習に不安や苦痛を感じる原因は感覚過敏にあった!
発達障害の子に多くみられる感覚過敏。これが大きな原因となっていることがあります。
感覚過敏は、変化を好みません。感覚が過敏すぎて、過敏のない人には分からないような強烈な感覚が襲います。
それゆえ、子どもはできる限り変化のない状況を好み、同じことを繰り返すことで安心していきます。
感覚過敏は、一人一人、種類も程度も感じ方も違うので、一概には言えませんが、負担が増えることも知っておきましょう。
◆イレギュラーに上手く対応できない
運動会練習で時間割が変更したり、クラスで行なっていた体育の授業が学年ごとになったり、学校全体での練習があったりと、運動会当日が近づくにつれて、イレギュラー度は増していきます。
予定変更などのスケジュール管理が苦手であったり、状況の把握が苦手で大人数に圧倒されたりしてしまうと、運動会練習が苦痛になるかもしれません。
◆聴覚過敏
聴覚過敏は耳に入ってくる刺激に敏感であるという事です。聴覚過敏のある子どもには、
・運動会で流れる大音量の音楽
・スタ合図のスターターピストルの音
・マイクを通した先生やアナウンスの声
・周りの子や保護者の応援する声援
などは、いつも以上に大きな音で、耳を突き刺すような耐え難いものです。
◆触覚過敏
触覚過敏は肌に触れる物の感じ方に敏感です。
・体操着
・リレーのゼッケン
・ダンスなどの演技で身につける法被や不織布で作られた衣装
などを着ることに対する違和感です。
触覚過敏のある子どもにとっては、負担が増すことかもしれません。
以上のように、感覚過敏がない人にとって、運動会練習の内容だけを考えて取り組めばいい活動が、過敏のある発達障害の子どもにとっては、イレギュラーな活動に対応することになります。
衝撃的な刺激を自分で対処したりしながら、その上で運動会練習をこなさなければなりません。
事前に、お母さんが我が子にどんな特性があって、運動会練習では何が負担になっているかを知っていれば、対策を考えて負担を軽減できます!
では、どんな対策ができるでしょう?
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3.学校の先生と連携!「予告」で負担を軽くする
感覚過敏のある人にとって、衝撃的は刺激の負担を軽減するのに、有効な方法とは、ズバリ「予告」です。
感覚過敏のある人にとって、突然の予定変更や、予期していなかった大音量の音楽などの刺激は、衝撃性を増します。しかし、前もって分かっていた予定変更や、今から音楽が流れると分かっていての大音量の音楽では、感覚の入り方も変わってきます。
感覚過敏のタイプ別に対応をお伝えします。
◆イレギュラーに苦手な子
運動会当日までの1ヶ月分の練習日程などは、事前に教えてもらえる学校もあると思いますが、分からない場合は、学校側に直接聞いてもいいでしょう。
大体の学校には、当日までの練習日、練習時間、練習場所の計画はあるので、一度担任に聞いてみるといいですね。予定を教えてもらったら、家庭でカレンダーに書き込んでみたり、運動会練習計画表をお子さんと一緒に作ったりして、楽しく一緒に予定を確認しましょう。
そして、毎日練習が終わるたびに、お子さんのテンションが上がるキャラクターのシールなどを貼って、たくさん褒めてあげてください。
◆聴覚過敏の子
聴覚過敏の子どもが嫌がりそうな、大音量で流れる音楽に関しても、事前にいつの運動会練習から、音楽を流して練習をするのか、担任に聞いて、家庭で一緒に確認しましょう。
運動会練習の授業の前に、担任から「今日は、音楽が流れるからね」と、音楽が流れることと、流れるタイミングなどを、子どもへ一言伝えてもらうことをお願いしておくと良いですね。子どもにとって心構えができるので、負担が軽減されます。
それでも、その日の体調によっては、音楽が受け入れられないこともあるかもしれません。その事情を、事前に担任に伝えておき、その日は教室待機(保健室)も許してもらうなどの対応策を決めておくことで、スマートな対応ができます。
それが、子どもにとっても失敗経験にならずに、運動会練習にネガティブな印象を残さないようになるので、次の練習にも参加しやすくなります。
◆触覚過敏の子
突然、衣装を着るようにと言われても困ってしまいますよね。
どの段階で着るのか声をかけてもらえば心構えができる子もいます。また、ギリギリまで待ってもらい演技の直前で着用するなどの対応もできるかもしれません。
演技の法被や衣装なども、着用することは難しければ、どこが皮膚に触れて嫌なのか、どのように改良すれば着やすくなるのか、など本人に聞いてみて、担任に改良を加える許可を得て、家庭で少し改良してみるのも手です。
いかがでしたか?
ここまでタイプ別の対応をお話ししましたが、対策をしっかりして対応することに注力するのではありません。
一番重要なのは、子どもが運動会練習に楽しい印象をもつことです。
楽しい活動であれば、運動会練習に夢中で、いつもなら嫌がる大きな音も、気にならなくなります。
そのために、何がなんでも運動会練習に参加させるぞ!という親や担任からのプレッシャーを捨て、予告や改良などの感覚過敏を和らげるテクニックを使いながら、本人の意思を尊重して参加させていきましょう。
無理やり参加させても、いいことは一つもありません。
一回運動会練習を参加しなくても、ママや担任が「自分のことを理解して受け入れてくれている」と子どもが分かっていたら、必ず自ずと「やってみようかな」となります。
そんな瞬間を逃さずに、とびきりの笑顔で、たくさん褒めてあげてくださいね。
これで運動会への印象がバッチリ良くなります♡
4.運動会で自信をつけるために当日お母さんができること
さて、運動会当日。
運動会当日は、来年度の運動会に向けて、準備が始まっています。
カメラの用意をお忘れなく!
競技や演技を頑張る子どもの写真やビデオを撮ってください!
そして、運動会が終わり、帰宅した我が子に、キラリと光る姿を褒めちぎって、写真やビデオを一緒に見てみましょう。
達成感に溢れている子どももいますし、もしかしたら、本人が期待していた結果にならず、悔しい思いをした子どももいると思います。
ですが、どんな小さなことでも、ママにとって何が嬉しかったか、感動したのかをとびきりの笑顔で伝えることで、「あぁ、そうか、ボク(私)は、頑張ったんだなぁ」と感じて、それが自信に繋がっていきます。
運動会の最後の締めを、◎(まる!オッケー!最高!)で終わらすことができるのは、ママです。
そして、運動会の写真も家庭で飾ってあげてくださいね。楽しかった写真を見ることで、どんどん良い印象が記憶に刻まれ、自信になっていきます。
それが、来年度の運動会で頑張るパワーになっていくので、ぜひ、カメラでたくさん思い出を残してください。
さらに、年度初めに行われた学校行事で自信をつけることができると、これから行われる行事に対してもポジティブに取り組めるようになるかもしれませんね。
運動会が、親子みんなの楽しい思い出になりますように!
フレー!フレー!みんな!
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執筆者:松尾まりか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)