発達障害ADHDの子どもの忘れ物問題を解決するコミュニケーションの工夫

 

発達障害ADHD傾向の子どもには、衝動性や落ち着きのなさがあります。そしてその特性ゆえに、忘れ物も多くなりがち…。話が通じにくいなどコミュニケーションを取るのにも一苦労。でも、お母さんがコミュニケーションを工夫することで解決しますよ!
 

【目次】

 

1.原因は話が聞けないこと!?忘れ物が多かった息子

 
 
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の3年生。
 
 
息子が小学校に入学した当初から忘れ物の多さに悩まされていました。
 
 
連絡帳やおたよりを私が一緒に確認すれば忘れ物は防げる…そう考えていたのは甘かった!
 
 
実は、息子が忘れるのは、決まって「口頭で指示されたもの」だったからです。
 
 
「図工に使う粘土を持ってきてね」と先生から言われ続けていたにも関わらず、結局息子は持って行かず、授業が受けられないこともありました
 
 
その当時に私が取っていた対応は、こんな感じでした。
 
 
自分の余裕のある時にだけ、家に持ち帰るものを紙に書いてランドセルの内側に貼っていたこと。
 
 
・「ちゃんと話を聞いてないと怒られるのも、困るのも自分だよ!」と注意すること
 
 
この2つのみでした。
 
 
この2つの対応を何度やろうとも、息子は全く変わりませんでした…。
 
 
 
 
息子本人によく話を聞いてみると、
 
 
「先生が僕に話していても、周りのみんなの声も耳に入ってきて、先生が何を話していたかよくわからなくなる
 
 
「面白そうなおもちゃが見えたから、○〇くんの話の途中でおもちゃの方へ行っちゃった
 
 
「僕はこれが得意だから、それを伝えたくてずっと話してたんだよ」
 
 
と、言ったのです。このように、コミュニケーションが途絶えてしまった理由が、ちゃんとあったのです。
 
 
理由がわかったとき、初めから注意ばかりするのではなく、どうしてかを聞けばよかったと思いました
 
 
では、どうしてこのようなことになっていたのか?その理由を次にお伝えしますね。
 
 
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2.ADHD傾向の子どもはうまくコミュニケーションを取れない

 
 
発達障害ADHD傾向の子どもは、他の物に気を取られやすい特性があるんです。
 
 
話の途中で他の物に気が散り、話していたことが耳に入らなくなってまい、その結果、コミュニケーションが取れなくなるのです。
 
 
他のものが気になる!
話していた内容が耳に入らない!
大切なことを聞き逃す!
次に興味のあることが見つかれば、一方的に話し出す!
 
 
こんなパターンになってしまうのです。
 
 
子どもは、友達と遊んでいる時や、家で家族と過ごす時など、人と話をする機会が多くあります。
 
 
小学生になる頃には、「誰かがが話している時には話を聞いて待ち、問いにも答える」という、コミュニケーションが取れる子ども達が増えてきますね!
 
 
しかし、発達障害注意欠陥障害(ADHD)傾向の子には、一方的に話していたり、随分と長く一人で話し続けていたりという傾向があります
 
 
そうかと思ったら…今度は友達の話を全然聞いていなかったり、視線が遠くの方を向いていたりしています
 
 
これでは、周りとうまくコミュニケーションが取れているのか、学校では先生の指示や説明をきちんと聞けているのか、気になるところですよね。
 
 
低学年のうちは、「その場の雰囲気のノリで遊ぶ」ようなパターンも多いですよね。なんとなく、楽しいところに皆が集まってくるような感じです。子どもが楽しく遊んでいれば、それは安心かと思います。
 
 
ですが、年齢が上がるにつれ、周りの子どもが、その場の空気を読むことができてきたり、自分と他人との違いを気づくことで、容姿や発言に気を使い始めたりしてきます。
 
 
それを考えると、コミュニケーションがうまく取れない子どもは大丈夫なのか?と、心配してしまいますよね。また、先生の指示が入らなければ、忘れ物にもつながります。
 
 
 
 
そして親子関係では、大切な話も伝わらないこともあり…とても困ってしまいますよね。
 
 
もしかしたら、褒めている時でさえ、「あまり伝わっていないなあ」と思うこともあるかもしれません。

お母さんとしては残念ですし、子どもの方は、褒められて自信をつける機会を失っていることにもなります。

 
 
コミュニケーションが上手にできれば、話が聞けるようになったり、忘れ物が減ったり、思いも伝わりやすくなりますよね。コミュニケーション、大事ですね。
 
 
では、どうすれば良いのか!?
私が実際にやってみた対応方法を、次項でご紹介しますね!
 
 
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3.お母さんの工夫!発達障害ADHDコミュニケーション術!

 
 
ADHD傾向の子どもでもコミュニケーション力が上がれば、話が聞ける、忘れ物が減る、思いが伝わりやすくなる…!
 
 
まず「コミュニケーション」と聞くと、「話す」ということが一番に思い浮かぶかと思います。
 
 
けれども、それが上手くいかない息子には、次のようなコミュニケーションの工夫をやってみました。
 
 

聞く環境を作る

 
 
大切な話があるときは、テレビなど消せる音を遮断し、目の前へ行って短い言葉で伝えます
 
 
この時、遠くから話しかけることは、私の姿が視界に入らない場合があるので、「必ず目の前に行くこと」と、長い文章は覚えられない場合があるので短めに伝えました。
 
 

◆大事なこと、伝えたいことは、書いて見せる

 
 
ADHD傾向の子どもは、聞いたことよりも、見たことの方が記憶しやすいとよく聞きます。
 
 
大切な話や大事なことを覚えさせたい時にも、書いて見せることの方が息子にとっても記憶しやすいようでした。
 
 
例えば、
 
 
・家から学校への持ち物は、家を出ていくときに玄関ドアに持ち物を書いた紙を貼っておき、出発の時に見てチェック。
 
 
・学校から家へ持ち帰るものは、事前にわかっていれば持ち物を書いた紙をランドセルの内側に貼って下校時に見てチェック。
 
 
このように、目から情報をインプットできる工夫をしました。
 
 
 
 

◆言葉で褒める、見せて褒める

 
 
話を聞いてくれたら「ママの方を見て話を聞いてくれてありがとう」
 
 
忘れ物があっても1つでも忘れなかったら 「〇〇を忘れずに持って行けたね、よく覚えていたね」
 
 
…と、できていることをきちんと褒めることをしました。できていることの方に、肯定の注目です!
 
 
褒めたいことは、「書いて見せる」ことも有効的です。
 
 
息子が一番喜んだことは、「誉め言葉を手紙として受け取る」ことでした。
 
 
手紙といってもメモ帳に一言です。 忙しくてもすぐに渡せます。
 
 
「大切な話を聞いてくれてママは嬉しかったよ。ありがとう」
 
 
「頑張っている姿がとてもカッコイイ!さすがだね!」
 
 
星マークや、ハートマークを付けたりしても照れながら喜んでくれましたよ! 大人でも、プレゼントに手書きの一言は嬉しいですよね。
 
 
息子は、褒めの手紙をもっと欲しがり、私が渡したメモを褒めコレクションのように大切に持っていてくれます。持ち物や大切なことは、それを見て確認する癖がついてきました。
 
 

◆長すぎる話は気持ちよく終了へ

 
 
好きな話を一方的にしてしまうことに関しては、息子の聞いてほしい願望を受け入れました。 聞いてほしい話は、大人だってありますからね。
 
 
でも話が長すぎたり、迷走してると感じた時には、ただ聞きっぱなしではなく、
 
 
「どういうこと?」
「こういうこと?」
 
 
と、話を奪わない程度に話を終わりにもっていくようにもしています。
 
 
すると、会話の最中でも、「あ、僕話過ぎたね、ごめん」と気づくことがあったり、友達と遊んでいる時も、「話すコミュニケーション」がとれたりするようになりました。
 
 
子どもが困っていることは何なのか、得意なことは何なのかよく観察してみると、コミュニケーションも上手にとれるようになってきますよ!
 
 
4つの工夫、ぜひお試しください!
 
 
 
 
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執筆者:たみずなな
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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