集団行動が苦手な子どもの学校での様子が分からなくて不安というお母さんはいませんか?発達障害のあるお子さんの場合、小学生になったのに友達ができないのでは?と心配になってしまいますよね。その心配を和らげるお家でできることをお伝えします。 |
【目次】
1.わが子に友達ができない…と悩んでいませんか?
学校生活にも慣れてきた頃なのに友達の名前が出てこない…
学校のことを聞いてもハッキリした返事がこない…
このような様子に、子どもに友達ができないのでは…と心配になるお母さんもいるかと思います。
お子さんの学校での様子が分からず、どう過ごしているのか気になっているお母さんは多いのではないでしょうか?
気になって学校での様子を担任の先生に聞いてみると、集団生活が苦手なように見える子どものこと初めてわかるということが実はとても多いものです。
子どもが口に出さなくても、本当はとても大変な思いをしていたと後から分かることも。
例えば
・次の授業の準備を忘れてチャイムが鳴ってからする
・休み時間が終わってからトイレに行く
・給食が時間内に食べ終わらない
・落ち着きがなくふざけてばかり
など、 周りの子どもたちが簡単にできることが、うまくできずに、先生に注意されることがとても多くなりがちです。
そのため、友達からも注意を受けることが多くなり、仲間として受け入れてもらいにくい状況になっていることもあります。
一生懸命にしているのに注意をされるのが嫌だったと、感じてしまう子も少なくありません。
・みんなと同じ活動ができない
・学校でのルールが守れない
・友達に合わせることができない
なぜそれができないのか親として頭を抱えてしまいますね。 さらに、友達ができないのではないかと心配になり、
・みんなと一緒にやらなきゃだめでしょ!
・ルールは守らないと!
・お友達とは仲良くして!
と、つい注意したくなりますが、それを言うと子どもの様子は悪化し、悪循環になることは目に見えています。言っても変わらないのに言うのも疲れますしね。
では、どうして先生に何度も怒られたり、友達にも厳しく当たられたりしてしまうのでしょうか…。
それには発達障害・グレーゾーンの脳の特性が関係しているようです。
2.発達障害のある子の悩み…集団行動が苦手な理由
小学生になると、本格的な集団行動と学習が始まります。
しかし、発達障害・グレーゾーンの子どもにはもともと持っている脳の特性が関係していて、周りのお子さんとの発達の違いが目立つようになります。
さらに、どうしても周りに合わせて行動するなどが苦手な場合があります。ですから、先生や友達から注意を受けることが多くなるのです。
お子さんがわがままだったり、お母さんの育て方が悪いということは決してないので安心してください。
発達障害と一言で言っても困りごとや特性は様々です。
◆自閉症スペクトラム症(ASD)の特性のある子ども
・対人関係やコミュニケーションが苦手
・他の人の感情や視点などに気づきにくい
・人に興味を持ちにくい
◆注意欠陥・多動症(ADHD)の特性のある子ども
・じっとしていられない
・衝動的にやってしまう
・注意し続けることが難しい
つまり、自分の行動をコントロールすることが苦手な傾向があります。
このように発達障害・グレーゾーンのお子さんは、脳の特性から集団生活の中で対人コミュニケーションをとるのが苦手なため、それを経験として体験する機会が格段に少ないということになります。
それに加え、聞き漏らしが多くあったり、時間感覚が希薄であったりということも重なり、学校での困りごとが頻繁に発生し、友達関係にも影響が出ることもあります
では、この特性を集団生活の中でうまく機能させ、対人コミュニケーションを上手にとっていくにはどうしたらいいのでしょうか?そのような魔法の技術があるのでしょうか?
それが「ソーシャルスキルトレーニング」といわれるものです。
3.子どものソーシャルスキルとは?
社会生活において、自分の感情をコントロールしたり、周りの人の意図や感情などを理解したり、状況に応じて最適な行動を模索していく能力を「ソーシャルスキル」といいます。
ソーシャルスキルとは、他の人との関係をスムーズにもてる能力や技術のことで、日本語では「社会生活能力」「社会技能」と訳されます。
この社会的能力を養うのは「ソーシャルスキルトレーニング」です。
発達障害の療育においても効果があると言われている方法で、世界中で行われており、子ども向けのソーシャルスキルトレーニングもとても注目されています。
つまり集団生活で必要とされるスキルを習得するということです。
例えば、
・あいさつをする
・ルールを守る
・相手の気持ちを理解する
・自分の気持ちを表現する
など言葉で表現するものと、言葉では表現しない非言語のものと様々あります。
発達障害・グレーゾーンのお子さんの中には、このスキルが低いことから、クラスで孤立したり、仲間外れにされてしまったりと辛い経験をするお子さんもいます。
また、ソーシャルスキルが低いことから、批判されたり、叱られたりすることも多くなりがちです。
そのようなことが続くと、自分はダメな子だと自信をなくし、人と関わるといいことがないと人を避けるようになり、不登校になったりする二次障害を引き起こすことにもなりかねません。
現代社会に生きるすべての子どもたちにとって、社会生活能力を養うことは必要なことであります。特に、コミュニケーションが苦手な傾向にある発達障害の子どもたちには重要な教育といえます。
子どもの心の健康のためにも社会に適応していくためにも、このソーシャルスキルを高めてあげることがとても大切になります。
では、発達障害・グレーゾーンのお子さんのソーシャルスキルを育てるにはどうしたらよいのでしょうか。
4.発コミュ流ソーシャルスキルでお母さんが子どもを伸ばす!
発達障害・グレーゾーンのお子さんの場合、特性を理解して、特性を受け入れながら対応をしてあげることがとても大事です。
できないことを諭したり、叱ったりするのではなくて、状況に応じて、どういう状況なのかその子に分かるように言葉を選んで説明をし、実際に身振り手振りも交えながら、動きながら身につけていきます。
通級教室や専門施設でもソーシャルスキルトレーニングは実施されていますが、週に1回ではなかなか普段の生活で使えるようになるまでには時間も費用もかかります。
一早く使えるスキルを身につけ、学校での集団生活をうまく送ってもらうためには何度も繰り返し学ぶ必要があるのです。
ずばり!! いつも子どもを近くで見ているお母さんがトレーニングをすることが一番の近道なんです!
お家でお母さんがソーシャルスキルトレーニングを行うことができれば、毎日お子さんにソーシャルスキルを学ぶ機会を与えてあげることができ、身につける速度も速くなりますね。
難しそうと思われるかもしれませんが、実はお母さんが意識しないでやっていることを、ちょっと意識するだけのことなんです。
子どもの分かりやすい言葉にしてあげて、見本を見せたり、一緒にやってみたりすることなので、そう難しいことではないんです。
これが、発コミュ流の「ソーシャルスキルトレーニング」です。
興味のある方は、その具体的な方法をこちらの電子書籍でお伝えしていますので、ぜひチェックしてくださいね!
おうちで集団生活の困りごとを解決できるソーシャルスキルトレーニングのコツについてお伝えしています。
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー 臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー 臨床心理士)