子どもと言い合いになったあと、
「あの時、こう言えばよかった」
「本当は、あんなことを言いたかったんじゃない」
と、あとから言葉が出てくることはありませんか。
その場では、考えがまとまらない。
子どもに反発されると頭が真っ白になり、
伝えたかったこととは違う、強い言葉が出てしまう。
そして、子どもが寝たあとに一人で脳内反省会。
文章にすれば、気持ちを整理できる。
時間をかければ、相手を傷つけない言葉も選べる。
それなのに、目の前の子どもにはうまく言えない。
私も同じです。
25年間、仕事で子どもに関わってきた私も、
自分の子どもの前では、言葉が出てこないことがありました。
言葉を知らないわけではありません。
頭の中にあるたくさんの情報を整理して、
その場に合う言葉を選び、
口から出すまでに少し時間が必要なのです。
考える力と、
言葉にする速さは同じではありません。
あとからなら分かる。
書けば整理できる。
時間があれば、
伝えたいことを言葉にできる。
そして、子どもも同じタイプだとしたら・・・?
会話はできる。
問題を読めば、
理解しているように見える。
それなのに、
書くことを嫌がる。
考えをまとめる課題になると、
鉛筆が止まる。
答えを聞いても、黙っている。
そんな姿を見ると、
ママは思います。
「できるのに、どうしてやらないの」
「分かっているなら、早く書けばいいでしょ」
「逃げる癖がつかないように、
ちゃんとやらせなければ」
私も、そう思っていました。
そして、説明する。
正しいやり方を伝える。
今すぐ答えるように求める。
その時、私は気づいていませんでした。
自分が一番苦しかった
「その場ですぐに答えること」を、
子どもに求めていたことに。
子どもが黙っていると、
何も考えていないように見えます。
やる気がない。
逃げている。
面倒くさがっている。
そう見えてしまいます。
けれど、本当は、
何から伝えればいいのか
整理しているのかもしれない。
頭の中にある言葉を
選んでいるのかもしれない。
間違えないように、
慎重になっているのかもしれない。
できないのではなく、
考えを外に出すための時間が、
まだ足りないだけかもしれません。
そこで急かされると、
「どう考えよう」よりも、
「早く答えなければ」
「また怒られるかもしれない」
という気持ちが大きくなります。
ますます書けなくなる。
答えられなくなる。
その姿を見たママが、
さらに強く言う。
こうして、
勉強バトルが続いていきます。
必要なのは、
もっと上手に言い聞かせることではありません。
子どもの考えが言葉になるまで、
ほんの少し時間を渡すことです。
今日、子どもが黙ったら、
答えを求める前に
一呼吸置いてみてください。
そして、
「今、頭の中で考えている途中かな」
と聞いてみる。
その場で、
うまく声をかけられなくても大丈夫です。
あとから、
「さっきはうまく言えなかったけれど、
本当はこう伝えたかった」
と話し直すこともできます。
親子のコミュニケーションは、
一度で正解を出さなければならない
テストではありません。
すぐに言葉が出ないことは、
力がないことではない。
時間をかければ、深く考えられる。
書けば、
自分の思いを正確に伝えられる。
それも、
その人が持っている大切な力です。
子どもに時間を渡すことは、
いつもあとから自分を責めてきた
ママ自身にも、
考える時間を返すこと。
今夜は、子どもが黙った時、
答えを急がせる前に一呼吸。
その一呼吸から、
親子の勉強バトルは変わり始めます。


