歯医者を嫌だと暴れたり、行き渋ったりするお子さんはいらっしゃいませんか? 毎回嫌がられると、辛いですし、憂鬱な気持ちになりますよね。 我が家で実践し、息子が安心して歯医者に通えるようになった方法を紹介していきますね!
1.歯医者が怖いと毎回行き渋ったり、大泣きするお子さんはいませんか?
歯医者に行く前に「やだ、行きたくない!」と怒り出し、泣きわめいたりで連れていくのが大変…
何とか連れて行っても、歯医者で大泣き、逃げ回るなど、歯医者が怖くて毎回パニックになってしまうなんてことはありませんか?

2.「行きたくない!」と逃げ回る息子を連れて行くのが大変でした…
自閉症スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの、当時、年長だった息子は、歯医者に行く日が近づいてくると、「やだ行きたくない」と言い始め…
私が、「先生に口を見せて、歯磨きするだけだから大丈夫だよ!」「痛いことしないよ!」と安心させようと声を掛けても…
行く直前になって「行きたくない!嫌だ!」と逃げ回ったり、怒って私を叩いたりと連れて行くのが大変でした。
歯医者が嫌な気持ちは分かるけど、もう少しで小学生だし、落ち着いて治療できるようになって欲しい。
怖がる息子を無理に連れて行くのは辛い、毎回憂鬱な気持ちになるし…
「歯医者=怖い」を克服し、安心して通えるようになって欲しいと思っていました。
私は安心させるために声を掛けていたのに、なぜ息子には届かなかったのでしょうか?
次で説明させて頂きますね。

3.不安が強いASDの子どもが歯医者が怖い理由
♦ASDの子の特性によるもの
ASDの傾向がある子は、脳の感情に関わる扁桃体という部分が未熟で不安を強く感じやすい傾向にあります。
この不安と恐怖は全く違うものです。
恐怖:明確な対象に対する不快感
動物として、危険なものから遠ざかるための防衛システムの一つで、私たちに無くてはならないものです。
不安:漠然とした対象に対する不快感
不安は想像の中で膨張された恐怖感なんです。
不安を感じることは、決して悪くないけれど、必要以上に膨張されてしまうことがあるというのが要注意です。
不安が膨張されてしまうと、現実に恐怖はないのに大きな不安に襲われてしまうことがあります。
不安を感じやすいASDの子が、どれほど不安なのかは、他人には伝わりにくいのです。
そのため、「こわくないから大丈夫だよ!」「痛くないことしないよ!」 とだけ伝えても不安が解消されず、ずっと漠然とした不安を感じたままなのです。
また、ASDの子は、
・見通しがもてないことに強く不安を感じる
・初めてのことや場所が苦手で、パニックを起こしまう
・感覚過敏があり、歯医者の匂いや機械の音、口を触られるのが嫌
など、大人が思っている以上に不安や嫌悪感を感じていると思われます。
次に、我が家で実践し、息子が歯医者に安心して通えるようになった対応を紹介しますね!

4.歯医者に安心して通えるようになる2ステップ
①カウンセラーモードで話を聞く
歯医者に「行きたくない!」と言ったら、まずは、「そっか。そうなんだねー」と 子どもの言ったことを受け入れます。
この時、ママの気持ちや意見は言わず、子どもの様子を見て待ちます。
泣いたり怒ったりしていたら、落ち着くまで待ち、「歯医者、何が嫌かな?」と聞きます。
「全部やだ」という感じで本人も分からずとにかく嫌としか言わないようだったら、「そっか。そうなんだねー」と会話を終えます。
落ち着いて話せるようになった時に、ママが嫌な理由で考えられることをいくつかあげて聞いてみます。
「口触られるのが嫌?」 「歯医者の匂いはどーお?」 などいくつか考えられることを聞いてみます。
この方法で息子は、
・歯医者の匂いが嫌なこと
・フッ素の味が嫌
・何をされるか分からなくて怖い
などと伝えてくれました。
「行きたくない!」と言った時、「大丈夫だよ!」と言うよりも、 「そっかー。そうなんだね。」と気持ちを受け止めてあげ、子どもの不安な気持ちを全部聞いてあげる。
そして、「そっかー匂いが嫌だったんだねー」と理解を示してあげる。
そうすることで、「ママが分かってくれた!」と安心し、次の一歩に進めます。
②スモールステップで進める
不安が解消され前向きになったら、「どんなことだったらできるかな?」と子どもに聞き、できることから進めていくのがお勧めです。
少し頑張ればできることに挑戦し、「できた!」の経験を重ねていくことで、だんだんと「僕大丈夫!できる!」に変わっていきます!
歯医者でスモールステップで進めるのには、先生に息子のことを理解をして頂くのも大切です。
私は、息子が不安なことや少しずつ進めて頂くよう書いたメモを渡しました。
要求ばかりにならないよう、感謝の気持ちも書きお願いをしました。
お子さんとできることを一緒に考え、歯医者に行くだけ、先生に10秒だけ口を開けて見せる、などできることから少しずつ試してみます。
できたら、ニコニコ笑顔で「がんばったね!」と褒めます!
この時、できた経験が記憶に残りやすいよう、ハイタッチなどのボディタッチをして褒めるのもお勧めです。

5.息子が安心して歯医者に通えるようになりました
息子の不安を伝えたことで、先生や歯科衛生士さんが理解して下さいました。
匂いが苦手な手袋を外して下さったり、最初は口を開けて見せるだけ、次は椅子に寝て口を開ける、次は10秒だけ歯磨きをするなど、3か月おきくらいに来院し、少しずつできるようになっていきました。
3カ月ほど経つと、「行きたくない」と言うことがあったので、そんな時は気持ちを受け止め、前行った時できてたことを伝えるようにしました。
「前は、先生に口を開けて見せられたね!○○くんならそれならできるんじゃない?」と成功体験を笑顔で伝えました。
「そっかーそれならできるかもー」とだんだんと落ち着いて行けるようになっていきました。
行く前に行き渋った時は、できたらご褒美を用意するのも、嫌なことを乗り越えるのには有効な方法です。
「歯医者頑張ったら、好きなお菓子一個買えるよ」など息子が希望するもので、ご褒美を用意し、「じゃあ頑張る」と歯医者に入れたこともありました。
好きなお菓子を買う、公園に遊びに行くなどお子さんが希望するもので、見合ったものをご褒美にしましょう。
ご褒美をあげる時は、必ず褒め言葉と一緒に渡すようにしましょう。
そうすることで、物だけに執着することを防げますよ。
一年生になってしばらく経った頃には、先生に歯磨きをしてもらえるようになりました。
フッ素も味を変えてもらうことで、すぐに嫌だと逃げるのでは無く、嫌だけど頑張ると落ち着いて治療できるようになりました。
歯医者や病院、毎回行き渋られたり、大泣きされるのはママも辛いですよね。
もし、同じようなことで悩んでいる方がいたら、私の経験が参考になると幸いです。

執筆者:木村まい
発達科学コミュニケーション アンバサダー