時間感覚のない発達障害の子が行動の切り替えをうまくできる3ステップ対応

発達障害・母子分離不安の子どもは、朝の出発時間が過ぎてもなかなか切り替えができずにいつまでもダラダラとテレビを見続けてしまうことがあります。ママの対応で、かんしゃくをおこさずに切り替えができる方法をお伝えします。
 
 

1.行動の切り替えが苦手!テレビを消せずに毎朝の親子バトル

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは、朝の出発時間が近づいてきても、ソファでゴロゴロ…ダラダラ…。
 
 
いつまでもマイペースにテレビを見ていて時間になっても動かずママはイライラ…。毎朝親子バトルになってしまい、そんな生活に疲れ果てていませんか? 
 
 
発達障害・グレーゾーンの我が子も幼稚園に入ってから 登園バスがお迎えにくる時間のギリギリまでテレビを消すことを極端に嫌がる毎日でした。
 
 
どうしたらいいんだろう…と悩んでいました。
 
 
早くしないと登園バスを待たせてしまうし、こちらも必死に何度言ってもテレビを消さないので、強制的に消したこともあります。
 
 
挙句の果てには「テレビはもう捨てるからね!」と 怒鳴っていました。
 
 
それが毎日、毎回つづき、だんだんと息子も荒れ始め、朝から親子の言い合いバトルへと展開していきました。
 
 
そのうち息子は、登園バスの時間が近づくと腹痛を訴えたり、癇癪を起こすようになり、靴が履けない!と「感覚過敏」を訴えるようになっていきました。
 
 
様子がおかしいと分かってはいても、対応の仕方がわからず、状況はどんどん悪化していくばかり。楽しいはずの遊びのお出かけの前にまで、癇癪を起こすようになってしまいました。
 
 
どうしてこのようになってしまったんでしょう…。
 
 
 
 

2.発達障害グレーゾーンの子に時間の感覚がない理由

 
 
朝はダラダラしてしまいなかなか動けない発達障害・グレーゾーンの子ども達。これは実は、発達障害の脳の特性からくるものなんです。
 
 
発達に凸凹のある子の脳では、精神を安定させ健やかな眠りに欠かせない「セロトニン」という神経伝達物質が不足しています。
 
 
また、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子には、脳の目覚ましホルモン「コルチゾール」が、本来起きる時間になっても分泌されないために、頭や体がうまく起きることができないのです。
 
 
なので朝にシャキシャキと元気ハツラツ!と動くことは苦手なのです。
 
 
さらに、発達障害・グレーゾーンの子どもの中には母子分離不安の特性を併せて持っている子も多くおり、不安が強い傾向にあります。そのため、
 
 
・幼稚園・保育園行きたくない
・ママと離れたくない
 
 
などの気持ちがあるので、なかなか動けないんです。それでも本人の気持ちには、
 
 
・行かなくちゃ、園バスが行っちゃう
・ママが怒っちゃうと思う
 
 
という気持ちの葛藤から、玄関で靴を履くときにストレスがMAXになってしまい、結果「癇癪を起こす」という失敗体験につながってしまうのです。
 
 
そこで子どもが癇癪を起こさず、楽しく朝の時間を過ごしながら、行動を促す対応を考え実践してみました。その中で効果のあった対応について次でお伝えしていきます。
 
 
 
 
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3.行動の切り替えに必要な3ステップ対応

 
 
外出前の不安でダラダラしてしまう発達障害・グレーゾーンの子どもがサクッとテレビを消して切り替えるにはたった3つの声かけで叶います!今回は3ステップ対応の声かけををお伝えします
 
 

♦ステップ1:笑顔で優しく声をかける

 
 

外出前の不安な気持ちで、 ソファでゴロゴロ・ダラダラテレビを見ている発達障害・グレーゾーンの子どもには、 子どもの視界に入る場所まで行って、

 
 
「〇〇ちゃん、または、〇〇くん」
 
 
笑顔で優しく声をかけます。
 
 
するとママの声が脳まで届き、より指示が通りやすくなります。
 
 
声をかけるときは、優しく肩をトントン、としてあげるとより注意が向きやすくなるので一緒にやってみてくださいね。
 
 

♦ステップ2:「◯分になったら消すよ」と予告する

 
 
「〇分になったらテレビを消すよ」
 
 
あらかじめ予告をすることで、許された時間の目安が分かり、気持ちにゆとりがでます。この時に余裕をもって少し長めに時間設定をすることがおすすめです。
 
 
時間の予告をしたからと言って、いきなりその時間になったからといって「消すね!」と言っても子どもは心の準備がなかなかできません。
 
 
なので、消す時間までのカウントダウン予告を分けて伝えてあげることが大事です。
 
 
「15分後に消す時間になるよ」
「10分後に消す時間になるよ」
「5分後に消す時間になるよ」
 
 
数回に分けて伝えていくことで子どもの心準備も整います。時間感覚がまだ出来ていない子どもには時計の針を見ながら伝えるなどの工夫もしていきましょう。
 
 

♦ステップ3:予告時間になったら「時間だよ」 楽しく消せる合図

 
 
楽しく消せる合図は、 夕食後のまったりいい気分の時や、 ママとお風呂でのんびり気分の時に、テレビを消すのにどんな合図があれば消せるかをお子さんとぜひ楽しみながら考えてみてください!
 
 
我が家の場合は、本人の希望で、「電気を消して、こちょこちょ~」 が合図です!
 
 
「時間だよ。テレビ消すね」「電気も消したから〜」こちょこちょだー!!と楽しい雰囲気で合図をだしてあげてくださいね!
 
 
そうやってママと楽しく決めた合図なら、お話ししたことをすぐに忘れちゃう発達障害・グレーゾーンキッズも、 記憶に良く残っています。
 
 
この合図をルーティーンにしていくと、なかなか消せなかったテレビもサクッと消せるようになっていきます。
 
 
ぜひすぐに試してくださいね!
 
 
 
 
執筆者:緒野はる
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
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