怒りながら泣く子どもに疲れていませんか。発達の特性をひもとくことで、その理由が見えてくることがあります。大切なのは、やめさせようとするのではなく、自分で気持ちを整える力を育てること。そのためにママにできる関わりをお伝えします。
1.子どもと一緒になって怒ってしまう親
嫌なことがあったときや、自分の思い通りにいかなかったとき、怒りながら泣く子どもにどう関わればいいのかわからない。
「こんなに怒るなんて、恥ずかしい」
「いつまで泣いているんだろう」
そんなふうに感じたことはありませんか。
何とか落ち着かせようとして、「いい加減にしなさい」と声をかける。
けれど叱っても、なかなか泣き止まない。
気づけば、子どもの怒りに巻き込まれ、親も一緒になって怒ってしまっている。
そんな時間が続くと、疲れてしまいますよね。
そしてふと、
「このままで大丈夫なのだろうか」
「大人になれば落ち着くのだろうか」
そんな不安がよぎることもあるかもしれません。
けれど、怒りながら泣くのは、わがままだからではありません。
それは、子どもの中で「あること」が起きているサインのことがあります。
その仕組みがわかると、親のイライラが少し減り、子どもも落ち着きを取り戻しやすくなります。
この記事では、怒りながら泣く子の中で起きていることと、ママにできる関わりをお伝えします。

2.子どもを何とかしようとしていた私の過去
私の息子も、気に入らないことがあると、怒りながら泣く子でした。
- 聞こえなくて返事をしなかっただけなのに「無視された!」と怒る
- なかなか眠れないとき、「早く寝たいのに!」と怒りながら泣く
そんな姿がよく見られました。
私はいつもそんな子どもの怒りに巻き込まれてしまっていました。
当時の私は、
「こんなことで泣かれても…」
「もっと強くならないと、将来困る」
そう考え、その理由に目を向けることはありませんでした。
もう小学生なのに、ささいなことで怒りながら泣く息子を見て、
「このままで大丈夫なのだろうか」
「外でうまくやっていけるのだろうか」
そんな不安ばかりが先に立っていました。
そして気づけば、
「こんなことで泣かないの!」
「いつまで泣いてるの?」
そう言いながら、私も息子と一緒になって怒ってしまっていました。
落ち着かせたいのに、余計に火をつけてしまう。
そんな毎日でした。
当時の私は「それがなぜ起きているのか」を考えたこともなかったのです。

3.怒りの裏にあった不安や悲しみ
Nicotto講座で学んでいく中で、子どもが怒りながら泣く理由について考えるようになりました。
そして次の2つが、息子には関係しているのではないかと思うようになりました。
①不安や怒りに反応しやすい特性
私たち人間には、
- 危険や不安、怒りなどを感じる感情
- 話す、考える、判断するなどの理性
があります。
通常は理性がよく働いているため、不安や怒りをコントロールすることができます。
しかし、発達の特性をもっている子どもの中には、不安や怒りにとても反応しやすい子がいます。
そのときの子どもは、理性が働きにくいため、気持ちを止めることが難しくなってしまいます。
「怒りながら泣く」というのは、感情が暴れてしまっている状態。
こんなときに、いくら説得しようと声をかけても、子どもの耳には全く届きません。
それどころか、余計にエスカレートさせてしまう結果になることもあるのです。
②感情の暴走による思考の偏り
感情が暴走しているときは「思考が極端になる」ということも知りました。
思い込みや、出来事の意味を決めつけてしまうことがあるのです。
例えば、息子に返事をしてあげなかっただけで怒りながら泣いたのは「無視された」と思い込んで、「嫌われている」と決めつけてしまう。
こんなことが、息子の中で起こっているのではないか、と気づきました。
そのとき私は、息子が怒りながら泣いている時の顔がいつも悲しそうだったことを思い出しました。
強く見えた怒りの奥に、止められない不安や悲しさがあったのかもしれない。
怒っていたのではなく、感情があふれ、止められなくなっていただけだった。
そう理解できた瞬間、私は初めて、息子を「困った子」ではなく、「困っている子」として見ることができました。

4.子どもが自分で落ち着くために私が意識したこと
そこで私は、子どもの感情に巻き込まれないようにすることから始めました。
発達科学コミュニケーションで学んだ「ディスタンシング」という考え方です。
実際には、子どもの感情と自分の感情を切り離して、少し距離を置いて見守るようにしました。
子どもが怒りながら泣いているとき、私は必要以上に声をかけないようにしました。
それは無視ではなく、感情の火に油を注がないためでした。
以前の私は、何とか止めようとして言葉をかけ続け、かえってエスカレートさせてしまっていました。
けれど、まずは私が落ち着く。
少しだけ距離を取って「巻き込まれない」ことだけに集中しました。
そして、息子が自分で落ち着くまで待つ。
落ち着いたあとに「落ち着いたんだね」と伝える。
それを繰り返すうちに、息子は少しずつ、自分で気持ちを整える経験を重ねていきました。
怒らせないようにさせたのではありません。
自分で落ち着く力を少しずつ育てていったのです。

5.自分自身と息子の変化
以前の私は息子の怒りに毎回反応し、一緒になって怒っていました。
でも、感情を切り離すことを意識するようになってから、私は少しずつ振り回されなくなりました。
怒りながら泣く姿を見ても「今は感情があふれているんだな」と一歩引いて見られるようになったのです。
すると不思議なことに、息子は以前よりも早く、自分で気持ちを切り替えられるようになっていきました。
大きな変化ではありません。
でも、自分で落ち着けた経験を重ねることが、気持ちを整える力の土台になっていると感じています。
子どもが怒りながら泣く姿に、疲れてしまう日もあると思います。
けれどその姿をどう見るかで、ママの心の状態も変わっていきます。
まずは巻き込まれないことから。
その一歩が、子どもの「自分で気持ちを整える力」を育てていきます。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー





